永青文庫の茶入 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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先日の静嘉堂文庫美術館 に続いて、○○文庫シリーズ第2弾!

今回訪れたのは、目白台にある永青文庫です。


こちらは、旧熊本藩主細川家伝来の美術品・歴史資料や、

16代当主細川護立の収集品などを収蔵し、展示、研究を行っている美術館。

ちなみに、現在の理事長は、細川家の18代当主・細川護熙さんが務めています。

あのボールペンで記者を指していたことでお馴染みの元総理大臣です。



さてさて、そんな永青文庫。


“一体、いかほどの敷居の高さがあるところなのか?!”


と、ワクワクドキドキしながら、江戸川橋駅から歩くこと15分

(思ったより距離はありました。。。)

ようやく到着です!


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-永青文庫



“あれっ、学校みたい・・・”


想像していたより、グッと親しみやすい印象です。

お殿様の家…という感じでは、無さそうですね。


とりあえず、早速門をくぐってみました。


謎の○があるのだけは、気になりましたが。

庭も学校の裏山みたいな印象。

ますます、お殿様感 (?) は、ありません。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-庭



で、こちらが、永青文庫の本館↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-永青文庫



“・・・・・・・・・。” (←これといって、感想が出てこない)


美術館というよりは、診療所みたいな感じでしょうか。


門をくぐってから、ここに至るまで、

全く細川家っぽさを感じることはありませんでしたが。


“さすがに中に入れば、少しくらいは・・・・・・・って、おいおい!”


受付にいたのは、ファーのついたダウンジャケットを着た若いお兄さん。

いや、別に若いお兄さんが悪いわけでも、

ましてや、ファー付きのダウンジャケットが悪いわけでもないですが。

ここは、細川家の至宝が眠る永青文庫。

もう少し、何かこう、ムードっていうものがあるんではないでしょうか。



と、のっけから、複雑な感情に見舞われた永青文庫で、

現在、行われているのは、 “永青文庫の茶入 ―2010年度調査をふまえて” という展示。


こちらは、永世文庫が所蔵する細川家伝来の茶器の中から、

抹茶を入れるための焼物 “茶入” にスポットを当て、それら全てを一挙展示するという美術展。


あんな茶入から、こんな茶入まで。

34点の茶入による茶入だらけの美術展。


今日の今日まで、茶入というものに、

何の興味も抱いたことの無い僕ですが。

さすがに、茶入ばかりを観賞していると、

何となく、 “これはイイかも…?” と思えるようになってくるから不思議なものです。


とは言え、34点展示されている茶入の中で、1点だけは、明らかに別格。

茶入観賞には疎い僕でも、

“これはイイ!” と、その風格を感じることが出来ました。


それが、こちら↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-利休尻ふくら



千利休がこよなく愛したとされる茶入 《唐物尻膨 銘 利休尻ふくら》 です。

高さ6.2cmと小さい品ながら、

お尻がどっしりとしているからでしょうか、堂々とした風格。

まさに、 “小さな巨人” といった印象です。

そして、思わず触りたくなるような肌合い。

さすがの利休のセンスです。



この茶入が観れただけでも、1ツ星。

星



ちなみに。

今回のポスターに、出展の34点すべてが紹介されています。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-永青文庫の茶入



何と言うサービス精神!

どうしても期間中に美術展に行けないという方は、

このポスターを観れば、最低限美術展に行った気になれちゃいます (笑)





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