躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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東京都写真美術館は、かれこれもう何回も訪れていますが。

今回は、初めて地下1階に侵入。

…というか、今回の展示に興味を持つまで、地下の存在を知りませんでしたf^^;


写美の地下1階にあるのは、映像展示室またの名を映像工夫館


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-映像展示室



施設概要によれば…


 「各種展覧会のほか、映像文化に関する歴史的展示から最新CGアート、アニメ、ゲーム、

  現代作家によるビデオやコンピュータ・グラフィックスなど、幅広い企画展を開催しています。」


とのこと。

何とも、楽しそうな場所ではないですか♪

…と同時に、今日の今日まで、ここの存在を知らなかったことが悔やまれます。



さて、現在、ここ映像展示室で開催されているのは、

“躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流” という企画展。



「えっ、アニメーション!?」


と、早速食いついたアニヲタの方がいらっしゃるかもしれませんが。

アニメーションは、アニメーションでも、

今回の展示のテーマは、アブストラクト・アニメーション

日本語にすると、抽象アニメーション。

パソコンのソフトで音楽を聴くときに、

何か勝手に流れている映像 (アニメーション) のようなものです。


ちなみに、アニメと聞いて、一般にイメージする…

「ドラえもん」 や 「ワンピース」 や、 「らき☆すた」 や、 「カールじいさんの空飛ぶ家」 など、

キャラクターが登場し、物語を進行するアニメーションは、キャラクター・アニメーションというのだとか。



…というわけで。

アニメーションの展示ながら、

全くもってポップカルチャーさの微塵もない内容です。

アニヲタの皆さん、ここで、さようなら。



まず、会場に入ってすぐに始まるのは、 【第1部 アニメーションの原理】

ここでは、《フェナキスティスコープ(驚き盤) 》 や、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-フェナキスティスコープ(驚き盤)、



(フェナキスティスコープの詳しい解説は、wikiに丸投げ → フェナキストスコープ

アニメーションの仕組みの原型とも言える…


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-)エティエンヌ・ジュール=マレ



エティエンヌ・ジュール=マレによる連続写真が展示されています。

しかし、なぜ、裸の男性…??


このコーナーは、

美術館というよりも科学館みたいな構成になっています。

結構、ワクワク出来ますよ♪



が、次の 【第2部 抽象アニメーションの源流】 で、

先ほどのワクワク感は、一気に萎みます (笑)


ヴァシリー・カンディンスキー、ラスロー・モホイ=ナジ、ハンス・リヒターなど、

名だたるアーティストによる抽象版画や、抽象アニメーションの初期作品が展示されています。

ただ、抽象画は、観てても、基本よくわからないですが、

抽象アニメーションは動いてくれている分、わからないながらも、飽きずには観れます。

これは、大きな発見。



そして、何となく、抽象アニメーションに慣らされたところで、

今回の展示のメインである 【第3部 <特集展示>石田尚志】 へ。

世界各国の映画祭・展覧会で活躍の著しい実力派アーティスト・映像作家、石田尚志の特集展示です。


“石田さんの作品の言わんとするところが、わかったのか?”


と聞かれれば、正直に、


“よくわからなかった (笑) ”


と答えますが。

よくわからないけれども、

飽きずに最後まで、見れる不思議な映像作品でした。

特に、こちらの 《海の映画》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-海の映画



映写機が1台置かれた白い部屋に、

ムニュムニュとした線が増殖を繰り返すという映像作品です。

何とも不条理な世界観ながら、

モーリス・ラヴェルのBGMと不思議にマッチしていたのが印象的です。

約12分という長さを全く感じさせませんでした。



その隣の部屋で上映されていたのは、 《フーガの技法》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-フーガの技法



J・S・バッハの同題曲の構造を絵画に翻訳したアブストラクト・アニメ-ションです。

ちなみに、詳しい解説は、こちらに↓

http://www.geocities.jp/office_ishidatakashi/fuge/fuge-j.html


…あたしゃ難しいことはわかりませんが、

J・S・バッハの曲を使ったyoutubeやニコニコ動画のMADのアーティスティックver.ってな印象でした。



作品が、そう多くない割には、楽しめました♪

というのが、率直な感想。

星

1ツ星。




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