催眠で出来ること、出来ないこと | 雷人の部屋

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催眠・潜在意識から見たココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

催眠で相手が自分の言う通りに行動するという経験を繰り返すと、催眠でなんでも出来てしまう、みたいについ勘違いをしがちです。

実際に催眠で出来ることは限られていまして、例えば基本的に相手が嫌がることは、催眠でやらせることが出来ません。
極端な例になりますが、通常「死ね」という暗示は入りません。
ただしもしその人が人生に絶望して死にたいと思っていたら、受け入れられるかもしれません。

また相手にその能力や知識がない場合、それをやらせたりすることも出来ません。
例えば中学生レベルの英単語の知識を持っている人に暗示を入れて英語をペラペラに喋らせることは出来ますが、全く英語の知識がない人に喋らせるのはムリ、ということです。

要するにその人がすでに持っている願望、能力、経験を掘り起こして手助けすることは出来ますが、ないものを作り出すことは無理だ、ということです。

よくテレビの催眠術で嫌いなものを食べさせる、というのがあります。
もし「嫌いなものを味わいたくない」「いいリアクションを取りたい」という願望があり、味を瞬時にイメージする能力が高ければ、味を変えて食べられる可能性は高くなります。
ところが「味が変わっても食べたくない」と思っていたり、味をイメージする力が弱いと、成功する確率は低くなります。

見ていると上手い催眠術さんというのは、催眠をかけるというより、ここら辺の状況から設定をするのが巧みです。

あと「催眠療法でなんでも病気が治る」みたいなことも幻想です。
催眠療法で効果があるものは、ある程度わかっていて、「心因性」かつ「不随意的な現象」には効果があるものの、それ以外ではあまり効果は見られない、という結論が出てます。
まあそれだけでもかなり広範囲ですけどね。
あとはプラシーボ効果も期待できます。

なんでも出来るわけではないですが、出来る範囲を深めていけば、いろいろと応用出来るものは多いと思います。