鉄腕アトム 手塚治虫
サンコミックス版で、アトムのお話を通して読んだ。
全21巻 別巻1 のセット。
毎月かどうか忘れたが、当時、続けて出ていたのを買っていって、全巻そろえた。
まだ、手塚治虫漫画全集 が発刊される ちょっと前だった。
テレビアニメの 鉄腕アトム は、正義の味方の 優等生 のイメージだった。
が、サンコミックス版で、マンガを通して読んだあとは、なんか せつなくなる、という印象が残った。
そう。
アトムは、人間のロボット差別をうけ、ロボット側の反発も 理解し、それでも人間を信じてくれる。
アトムは、いろいろ葛藤を胸に秘めて、けなげな ロボットなのだった。
もっとも有名なエピソードのひとつ 「地上最大のロボット」に、それがよく表れている。
プルートウをつくったロボット博士が、いう。 悪い心をもっていないロボットは、完全とはいえない。
このあたりは、アシモフのロボット三原則 が 根底にあるよね。
アイザック・アシモフが提唱した、 ロボット三原則。
1. ロボットは、人間に危害を加えてはならない。
2. 1に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない。
3. 1.2.に反しない限り、自身の身を守らなければならない。
(のちのSF小説のみならず、ロボット工学にも多大な影響を与えた。もはや、SF界の常識だよね)
アトムは、いつか ロボットも人間も、差別なく 仲良く過ごせる社会が来ることを願うのだった。
(手塚さん やはりすごい。 人間とロボットの対立に模して、現実の人間社会を描いているのだよね)
アトムは、なんども人間に裏切られたりするけど、それでも、人間に期待する。
ああ、せつない。
アトム。ごめんよ。
もう21世紀になっているのに、もうちょっと時間かかりそうだよ。