トランプ関税を契機に、株式相場の不確実性が増している。
週足 日経平均
週足 ニューヨークダウ
トランプ大統領の関税対策の狙いは、①アメリカ製造業の回帰、②トランプ減税に必要な財源確保、③そして、貿易赤字の排除、と明確である。
ただ、狙いを予測できても、そこから派生する問題を把握するのは、難しい。
このため、エナフン書籍を再読し、下げ相場、混乱期、調整期の不確実性に対する対処法を書き留めておく。
1. 難しい下げ相場への対処法 (エナフン流株式投資術 P184-194)
「証券口座から運用資金の大半を引き出して銀行の窓口に行き、安定運用型の投資信託を買った。簡単には株に資金を振り向けられない状況をわざとつくったのである。それでも証券口座に資金の1割ほどを残した。完全に株式相場から身を引かずに、少額で様子を見続ける。」
→投資資金を1割まで減らす。1割で運用し、下げ相場が終わるのを待つ。
2. 景気に関係なくひたすら保有前提で買う (割安成長株で勝つエナフン流バイ&ホールド P187-191)
「成長株投資においては、景気に関係なくひたすら保有し続けることが前提でかまわない。」
「結局のところ、その会社の実力に対して株価が大幅に割安なら買い。大幅な割高なら売りといったスタンスでかまわない。」
→その会社の実力と株価を見て、売買を判断する。
3. 混乱期にはVE投資一覧表を考え直す。 (株で勝つためのルール77 P145)
「ちょっとした探索のコツなのだが、株式市場が混乱して暴落したり、大きく調整したりした時には、VE一覧表②③④から素直に割安成長株を探すとよいだろう。普段は高値で手が出せない実力株の価格も過剰反応で下がるので、驚くほど割安に買うことができるチャンスだからだ。一方で、株式市場が安定してくると、成長企業の株価は上昇して割安に買う機会はどんどん減ってくる。そうなると、今度は①~⑤を差別することなく丹念に調べる作業が有効である。」
→混乱期には、投資一覧表②③④から割安成長株を探す。
4. 暴落時に注目すべきは「秩序の崩壊」ではなく「変化」 (株で勝つためのルール77 P146-148)
「大暴落の時に注目すべきは、「秩序の崩壊」ではなく、「変化」である。大暴落は変化の兆しであり、変化のきっかけと捉えるのである。」
「今後、何がどう変化するのか?その場合、どの銘柄がいち早く立ち直るのか?あるいは、そもそもダメージすら受けない銘柄はないだろうか?そこに神経を集中させるのである。」
→多くの投資家は、(a)予想可能領域と(c)トレンド分析で未来を予測する。データがそろっており、客観性が高いからだ。しかし、大儲けをしたいなら、(b)シナリオ分析と(d)予測不可能な領域の組み合わせを、もっと重視すべきである。つまりは、「秩序の崩壊」ではなく、「変化」のきざしをとらえるべきである。
以上


