僕は旅行が好きだ。

僕が、遠くへ出かけるという状況を記述、口述する場合、
基本的に旅という単語は使わない。

僕は、旅行という言葉を使用する。

旅とは、遠くへ出かけるという単純な意味以上に、
行き場もしくは、帰る場所を失った者にしか、似合わない。

国を追われた移民、難民は、旅人だと言えるし、
J・R・R・トールキン『The Lord of the Rings』の
フロド・バギンズだって、旅人だと思う。

どういう事かと言うと、現代で
僕のイメージである、旅、という行為は、
行うのが非常に困難だという事。

例えば、貧乏旅行を気取ったバックパッカ等は、もちろん旅人ではない、
ただの旅行者だ。
お金の有る無しの問題ではない。

行動に対して、旅という言葉で、格好を付けたくないという事だろう。

旅とは、もっと根が暗く、不自由で、崇高なものだ、と僕は思う。

だから僕は、旅を夢見ながら旅行に行くのだと思う。

けれど、ジャック・ケルアック『ON THE ROAD』の
ディーンになら、旅という言葉を当てはめても似合うと思う。

でも、ディーンの様な旅も、現代では難しいだろうな。



9月9日

今日は一日、家に。

カルピスに嵌っている、かも知れない。