『自然に浸り、その中に静まる。
汚れは消え去り、豊かないのちが
あなたを潤し、満たしてくれる。』
天の画布一面はグレーの色に染められて、
今にも涙を流しそうであった。
どうにか雨に出合わず、
またカッパを身に纏(まと)わずに
神戸に辿り着ける様にと
願いつつ鉄馬を馳せた。
御殿場の手前辺りから
白いシャッポを被った富士山が
満遍の微笑みを浮かべて
「天気は如何にかなるよ」
と声を掛けてくれた。
由比の海岸を左手に駿河湾を眺めながら
江戸時代に東海道五十三次を歩いた
先人たちのことを思い浮かべた。
彼等はこの景色を見ながら
何を思ったのだろう・・・
と想像してみた。
浜名湖は風と波と光の
コラボレーションによって、
ガラス工芸師も真似ることの出来無い
オリジナリティーに富んだ
芸術作品を造り出していた。
伊勢湾を越えて、鈴鹿峠を上り、
草津、大津、京都、大阪・・・
と風情がある街並を抜け、
神戸に辿り着いた。
幸いにも雨の試練に合わず、
カッパも纏(まと)うことなく、
心地好い愛馬との旅を楽しむことができた。
自然は間違いなく
我々の心をロックしてくれる。
大いなる存在は天と地を
ことばの筆によってデザインしたと
「THE BIBLE」にある。
海も山々も大いなる方の芸術作品なのだ。
自然に感動することは
大いなる存在に感動することであり、
自然によって癒やされるのは、
実は自然を創造したデザイナーによって
癒されるのである。
自然は言う迄もなく
大いなる存在が我々の傍に、
また中に生きて働いていることを
証してくれている。
自然は絶えずあなたを包んでくれている。
それは大いなる方があなたを
絶えず抱き締めて
くれていることなのである。
鳥の囀りにまた沈む夕日も、
そして夜空に輝く星々迄もが
あなたが愛されていることを
現してくれている。
大いなる方は被造物を通して
自らの存在を我々に感じさせてくれる。
あなたはこよなく愛されている。
だからあなたも
自分に優しくしてあげるといい・・・
またあなたは確かに赦されている。
だからあなたも自分をまた他の人を
赦してあげるといい・・・
あなたは必ず感じることが出来る。
それはあなたが
独りぼっちでないことを・・・
また絶対に見捨てられたりは
しないことを・・・
そして心の傷一つ一つが
癒やされることを・・・
ものは心でみることだ。
みえるものの背後にみえない大いなる存在が
今日もあなたに愛のメッセージを
贈ってくれている。
今日という日があなたにとって
慰めを味わえる
尊い一日であります様に・・・
『自然の中にこそ美がある。
それは現実的なものの上に
様々な形となって見出される。』
ギュスターブ・クールベ
アーサー・ホーランド
2013.10.20
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