会計事務所経営のボールはシェリー少佐を雇った。柔道の達人とのこと。しかし現れたのは小柄な女性。ノラ・シェリーは優秀で、ポールはノラを好きになった。
一方ノラはポールの知人のスティーヴと知り合った。そしてポールもスティーヴもノラにプロポーズした。
ノラは両方ともイエスの返事をした。
製作年:1949、監督:William D. Russell、Fred Fleck、脚本:Bruce Manning、Islin Auster、原作:Joseph Fields、Frederick Kohner
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ポール・マーティン(ジョージ・ブレント) 会計事務所経営者
ミス・ストーン(メアリー・ベア) ポールの秘書
ノラ・シェリー(クローデット・コルベール) 会計事務所のパートナー
ミス・スワンソン(アン・ティレル) ノラの秘書
スティーヴ・アダムス(ロバート・ヤング) 考古学者
リトカ(マックス・ベア) レスラー
■ あらすじ
◆ 新入社員は柔道の達人
ポール・マーティンはニューヨークで会計事務所を経営している。毎日社内を回って、みんなの仕事ぶりをチェックしている。
さてポールは会社に新しい社員が入ることなったと知らせた。元軍人のシェリー少佐、柔道の達人だそうである。いやいやもちろん会計のプロ。最初からパートナーとして雇う。
注、「パートナー」とは会計事務所や弁護士事務所の最高位の職位。原義は「経営者のパートナー」。
◆ 柔道の達人は女性だった
さててシェリー少佐が現れたのだが、誰も気がつかない。
「柔道の達人」という触れ込みだったのだが、現れたのはわりと小柄な女性である。ノラ・シェリー。ポールは「自分は大尉(Captain)だった」と明かした。
話していると部下が「問題が発生した」と報告しに来たのだがノラはその場で解答を提示した。
ともあれ誤解は解けてノラは割り当てられた自分のオフィスに入った。
◆ ノラが怪しい動き
ノラが入社して会社には新しい風が吹いたようであった。
さてある日ポールはノラが顧客カードを熱心に見ているのを発見した。゜
「独立して顧客を持っていくつもりか?」と判断したポールはノラを問い詰めた。
実は先日も退職した社員に顧客を持っていかれてしまった。
するとノラはあっけらかんと「金持ちの結婚相手を見つけるため」と答えた。
注、この会社は主に個人客を相手にしているようである。
◆ スティーヴ・アダムス
優秀なノラに逃げられては困るポールは一計を案じた。親友の考古学者スティーヴのカードを作成して紛れ込ませた。もちろん大金持ちの設定。
しばらく後にスティーヴのカードを見つけ「これぞ理想の男性」と乗り気になり、会社に訪問して来たスティーヴにアタックした。
ポールの見込み違いはスティーヴもノラを好きになったことである。
◆ 飲み屋の乱闘
スティーヴが思ったほど金持ちではないと判明したのだが、それでもノラはスティーヴを好きになった。
ノラとスティーヴは飲みに行った。場所は女性が行くには、じゃっかん猥雑としている飲み屋である。注、本当は「コンサートに行く」ということだった。
二人で飲んでいると、周りの男性がノラの体に触りにくる。もちろんノラは嫌がる。
そのうちに周りで喧嘩が発生した。その時にノラは男性が財布をすり取られるのを目撃した。
ノラはそれを指摘し元の持ち主に財布が戻った。その持ち主はノラに感謝した。三人で外に出た。
◆ レスリングを観戦
さて三人は外に繰り出して、次はレスリングを観戦した。一番前の席。これも言ってみれば女性はあまり好みのものではない。
だが試合を見ていたノラは次第に興奮した。一方の選手が不利になったので応援した。リトカ選手。
リトカがやられて目の前に転落してきた。ノラに励まされたリトカは俄然と張り切ってたちまち相手をフォールした。
◆ ノラは投げ飛ばされた
当然の流れとしてリトカを含めて四人で町を歩き回った。
もうこの時にはノラは酔っぱらっていい気分である。いやたんに興奮していただけかも。
目の前で何やら揉め事が発生した。興奮したノラは飛び出そうとした。スティーヴが止めようとした。
次の瞬間スティーヴはノラに投げ飛ばれ、まだ雪が残っている道路に転がされた。柔道の達人だけのことはある。
次にリトカがノラを止めた。ノラはリトカも投げようとしたが、しかしさすがにレスラーには叶わない。ノラが投げ飛ばされた。
その後、周りでは大乱闘が発生、ノラも含めて四人も暴れた。たまたま魚屋の前だったので魚が飛び交った。
四人は警察に連行されて絞られた。
◆ ポールの誘いは断りスティーヴとデート
ノラは先般の自分の行動を自己嫌悪した。それをスティーヴに話した。
退勤時、ポールがノラを待ち構えている。ポールはダンスに誘ったが「静かな夜を過ごしたい」と断った。
その後ポールはスティーヴに会って「彼女(ノラ)は静かな夜を過ごしたいそうだ」と話した。スティーヴは頷いた。
スティーヴはノラに声をかけてノラのアパートに行った。ソファの配置を変えて床のライトの位置を変えた。
天井のライトを消して二人はソファに座って話した。きれいな夜景が見える。
ここで初めて二人はキスをした。
次の朝、オフィス。ノラは仕事もしないで、外を見てうっとり。話しかけても上の空である。
◆ ポールはノラにプロポーズ
ポールはノラのオフィスに行った。
ホールはおもむろに「金もあり、魅力的な男性がいる」という。実は自分のこと(笑)。
そして「あなたが好きだ。結婚してほしい。我々は完璧なパートナー」と切り札。補足、ノラの役職はパートナーなので、それとかけて洒落を言っている。
しかしノラは「あなたは夫として考えられない」と応答。ポールはまだ粘ったが、しかしそれまで。ノラは出て行った。
◆ スティーヴにもプロポーズされた
ノラは出勤すると贈り物がきていた。スティーヴから。すぐそばにスティーヴがいた。
プロポーズされた。むしろこちらは既定路線。とりあえず返事は保留とした。
夜、ノラはいったんアパートに戻ったが、何かを考えてスティーヴのオフィスに行った。
スティーヴの卒業校のアルバムを取り出して、スティーヴの写真を破って戻って来た。注、スティーヴはもう帰宅していてオフィスは空。
額縁にスティーヴの写真を飾った。
しかしスティーヴの裏はポールの写真であった。これを見てノラは考えた、考えた、考えた。
◆ ノラは二人にイエスした
出勤するとポールから花束が届いていた。まだ諦めてないらしい。
ノラは花束を分解して、花を一つずつ会社の人にプレゼントした。「ポールからのプレゼントよ」とやたらと上機嫌である。
ポールが入ってきた。みんなの前で「ダーリン!」と言ってポールに抱き着いた。ポールのプロポーズが受け入れられた(とポールは判断した)。
会社の入り口。スティーヴがきていた。スティーヴにもプロポーズの返事をした。もちろんイエス。注、ポールはこのことを知らない。
その後ポールとノラは宝石店に行った。ポールが選んだ宝石を「これは大きすぎるわ」と言ってできるだけ小さな宝石を選んだ。店の人は不審な顔をした。
◆ ポールとスティーヴが殴り合う
会社に戻ってくるとみんなが集まっている。ポールはみんなの前であいさつ。「彼女(ノラ)はミセス・ポール・マーティンになる」。
そこにいたスティーヴは怒った。「彼女は私と結婚するっ!」。
ポールとスティーヴは殴り合いを始めた。この時ノラは陰に隠れて見ている。
ビルの外まで流れて出て殴り合いとなった。どうしたことかリトカまで登場した。
通行人を巻き込んで乱闘。車の流れが止まって野次馬が集まった。クラクションが鳴らされた。
警察官がきた。ついにリトカとポールが逮捕・連行された。
残ったノラとスティーヴはキス。周りからは大拍手。