Deadly Games

アンナ・ビンターは弁護士だが事情があって法律関係のコールセンターに入社した。
スティムラーという人物から電話。「無実の人間モーロックが刑に服している。ロートカム弁護士に会え」。
ロートカムに会ったが埒が明かず、スティムラーと会い、さらにモーロックに面会した。「認めれば罪が軽くなると言われた」。
またスティムラーから電話。「以前に別の事件があった」。会いに行くがスティムラーは行方不明。
スティムラーの資料を持ち帰って、自分で調べ始めた。アンナの恋人は「深入りするな」と警告し、アンナの同僚が誘拐された。


製作年:2009年、監督:マヌエル・フルリン・エンドリー


■ あらすじ

本作は女性弁護士が連続誘拐殺人事件を追う。裁判ものではない。地味な映画だが、主人公が落ち着いた、しっかりした行動をすることが印象に残る。ドイツ映画。

アンナ・ビンターは法律関係の相談を受けるコールセンターに入社した。面接の時に「弁護士資格を持ち、立派な経歴もあるのに、なぜここに?」と質問を受けるが、アンナはあまり深入りされたくないようである。

隣の席のカロが話しかけてきて友達になる。引っ越したばかりのアンナの自宅の整理を手伝ってくれる。カロが帰った後、アンナは不安なようである。

センターにアンナを指名して電話がかかってきた。「無実の人間を救ってほしい、ロートカム弁護士に会え」。カロが「何?」と尋ねると「イタズラよ」と答える。

アンナの家にカロが訪ねてきたので外に食べに行く。アンナの恋人マルコがやっている店である。カロが自分の身の上話をした後、アンナのことを聞く。アンナは「誘拐され、銃で撃たれて、私は助かり、犯人は死んだ」と言う。カロは信用しない。そばの席の男性が読んでいる新聞に「バンコーで女性が行方不明、殺人か?」とあり、アンナは不安そうである。

アンナはロートカムに会いに行くことにする。アンナのことは優秀な弁護士としてロートカムも知っている。ロートカムに先日の電話のことを話す。「落ち目の記者が騒いでいるだけ」との返事である。

またセンターに電話がかかってくる。それを切るとアンナ個人の電話にかかってきた。

アンナは、電話の主のスティムラーに会いに行く。スティムラーはアンナがロートカムに会ったことを知っている。

スティムラーはモーロックという人物の件を調査している。モーロックはロートカムが弁護をしたが有罪になって服役している。スティムラーによればモーロックは無実である。「モーロックにはアリバイがある」と主張。そして別の一連の誘拐殺人事件の資料を取り出してアンナにいろいろ説明した。モーロックの件も一連のものとのことである。

マルコには「奇蹟的に助かったのだから、命を粗末にするな、それは警察の仕事だ」と言われる。それはその通りだが納得できない。

服役中のモーロックに面会する。「殺してない」と言うが、あまり喋りたくない様子である。しかしロートカムに「認めれば罪が軽くなる」と言われたらしい。アンナはもう少し事件を追及することにした。

さてスティムラーから「連続殺人事件のずっと前に、もう一つ事件が起きていた」との電話。会う約束をして出かける。しかしスティムラーはいない。誰かに襲われたようで部屋が荒らされていた。そこにあったスティムラー所有の資料を持って帰った。

アンナはある家を訪れる。スティムラーが言っていたずっと前の事件の関係者である。老婆が現れた。とのことである。家の外で大きくなった息子が花壇をいじっていた。白い花がいっぱい咲いていた。

センターを休んでいると、ロートカムから電話があった。出かけてスティムラーの資料を元にロートカムに説明した。「僕にはできないことをやっている」と評価する。ロートカムはアンナにキスをした。

アンナの家に贈りものが届いた。白い花。そして電話があり「花は気に入ったか」と聞いた後「どうして今一人でいる?」と脅すようなことを言う。「明日の正午、中央駅の南口で会おう、一人で来い」。

マルコから「止めておけ」と言われるが出かける。しかし相手は現れず電話がかかる。「騙したな」。見るとマルコがいる。

マルコが走り出した。男を追いかけている。駐車場(のようなところ)に入り込むが、ここでマルコが男に襲われる。アンナは入ろうとするがドアが閉まっていて入れない。マルコは病院に担ぎ込まれた。

マルコはかなりの重症である。アンナはつきっきり。アンナが入院した時にはマルコがつきっきりであった。ロートカムが来る。ロートカムを責める「あなたのせいよ、もしまともな弁護をしていれば...」。「誰がやっても有罪になった」。病院に警察も聞きに来るがアンナは答えない。

アンナは拳銃の練習をする。

アンナの家の花壇に手紙があった。「いつも君のかたわらに」と恋人からも貰うと嬉しいが、犯人から貰うと不気味な言葉があった。拳銃を構えながら用心深く家に入る。今度も花が、しかし今度は床に散らかしておいてあった。白い花である。

ここでアンナの携帯に電話があった。カロ。応答すると男の声である。

ここから犯人は手が混んだことをする。犯人の指示に従って地下鉄の駅に行く⇒トンネルに入る⇒トンネルの中にある電話に出る⇒ロートカムの事務所に行けとの指示⇒ロートカムの事務所に入る⇒スティムラーが椅子に縛られている⇒気絶している⇒ロートカムが戻ってくる⇒(ロートカムを犯人と誤解し)ロートカムを殴り倒す⇒電話があり「これでお前は一人になった」。ロートカムがアンナに一発殴られただけで気絶するのは信じられないがアンナの怒りが強かったのだろう。

犯人に対して「カロは?」と聞くが返事はない。

アンナはここで落ち着いて考えを巡らす。

そして先日の老婆の家に行く。拳銃を構えて中に入る。二階に上がったところで老婆が出てくる。老婆を追求する。

老婆の夫は祭りの日の夜に家に帰ってきた。夫は泣き崩れて「女に誘惑された」「女はレイプだと騒いだ」。そして息子はその女を殺害した。その後に夫は首を括った。アンナが、その後の連続誘拐殺人について追及すると「知らない」とのことだが、これは若干嘘の匂いがしている。息子は大人になって殺人を重ねたらしい。父親の無実を晴らすためである。

アンナは夫が死んだ場所を聞いて、そこに向かった。森の中に小屋があった。しかし直前で車輪が溝に嵌り止まった。男が小屋から出てきて近づいてきた。すごい形相をして棒を持っている。アンナはバッグから拳銃を取り出そうとしたが、拳銃が車の床に落ちた。拾おうとしたが、男が直前に迫っており、ドアを開けて逃げ出した。

走って逃げたが足を取られて転倒し気絶。気がつくと小屋の中でイスに座った状態で縛られている。前にはカロがロープで吊り下げられた状態で縛られている。男はアンナを殴り倒し、縛られたまま横倒しとなった。そしてカロの方に向かった。アンナが倒れたところにナイフがあり、縛っているロープを切ることができた。後ろから男を殴り倒しカロを解放して二人で逃げた。

アンナの車に戻ってカロが運転しアンナが車を押すが、再び男が近づいてきた。先ほど床に落とした拳銃を取り上げて構えた。引き金を引いた。

老婆は逮捕された。マルコはまだ病院にいるが回復の方向である。アンナは退職してロートカムと一緒に仕事をすることになった。