The Holly and the Ivy

クリスマスで家族が集まる。牧師の父親、父親と一緒に住んでいる長女。長女の恋人。ロンドンから戻ってきた次女。軍人の長男。父親の姉妹など。
しかし家族の間がしっくりこない。みんなから浮いている父親、不満を持っているが言えない長女、はしゃぐ次女。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作:1952年、脚本:Wynyard Browne、Anatole de Grunwald、監督:George More O'Ferrall


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 マーティン・グレゴリー(ラルフ・リチャードソン) 牧師
 ジェニー・グレゴリー(セリア・ジョンソン) 長女
 マーガレット・グレゴリー(マーガレット・レイトン) 次女
 マイケル・グレゴリー(デンホルム・エリオット) 長男
 リディア(マーガレット・ハルスタン) マーティンの妹、夫と死別
 ブリジット(モーリン・デラニー) マーティンの妻の姉妹、独身
 デイヴィッド・パターソン(ジョン・グレッグソン) ジェニーの恋人

タイトルの「The Holly and the Ivy」はクリスマスソングの一つ。
 


■ あらすじ

クリスマスに例年のように家族が帰ってきた。リディアとブリジットも訪ねてきた。場所はイングランドの田舎町。

◆ 家族の状況

マーティンは牧師。妻はすでに死亡している。一緒に住んでいるのは長女ジェニー。次女マーガレットはロンドンの出版社で働いている。長男マイケルは軍人。

ジェニーはデイヴィッドと結婚したいが、マーティンのことを考えるとそうも行かない。マーガレットはロンドンで活躍しているのに自分は父親のことを押し付けられているとの感情をもっている。

リディアとブリジットはロンドンに住んでいる。ブリジットは、わりと神経質でいつも何か不満を漏らしている。

◆ マーティンの問題点

ストレートに言えば、マーティンの問題点は他者と交流できないことである。

牧師であるがゆえに、教会や聖書の範疇から抜けられない。

家族はマーティンには内面的なことを話すことができない。マーティンはそのようなことを受け入れないと思っているからである。

飲みに行ったりしても、近所の人からは、煙たがられて話ができない。

そしてそのような自分の状況に、(他の人から観察した限りでは)気がついていない。

もしかすると最近はすこしボケてきているかもしれない。

◆ デイヴィッドとジェニー

デイヴィッドはもうすぐすると五年間の海外出張となる。自分がずっと望んでいたことである。

デイヴィッドはジェニーと結婚して一緒に行きたい。それをジェニーに話す。

ジェニーはマーティンの面倒を見る人がいなくなるということで、イエスの返事ができない。ジェニーはあきらめムード。

◆ マーガレット

マーガレットは、他人からみるとロンドンに出て、生き生きと活躍しているように見える。

しかしマーガレットには家族に話していない大きな秘密があった。

アメリカ人の恋人がいた。しかしその恋人が死亡。

その時にすでに妊娠しており、後ほど男児を出生した。一人で育てたが、その子供も死亡した。

そのようなことはマーティンには決して話せる内容ではない。家族にも話していなかった。

◆ マーガレットとジェニー

マーガレットは少し遅れて到着した。マーガレットが明るくはしゃぐので、他の人からは浮いてしまう。ジェニー、マーティン、ブリジットと口論する。

マーガレットとマイケルは「映画に行く」と言って外出した。他の人は「いい映画をやっていたかな?」と話す。

二人はかなり酔っぱらって帰ってきた。どうも映画には行ってなかったようである。

帰ってきてマーガレットはジェニーに「自分の秘密」を話した。

ジェニーも自分がマーガレットに対して持っている不満を話した。つまりは「父親のことを押し付けられている」と。

対してマーガレットは「ロンドンで、あまりやりたくもない仕事を生活のためにやっている」というようなことを話した。

◆ マーガレットとマーティン

ジェニーに話した勢いで、マーガレットはマーティンにも自分の秘密を話す。マーティンは驚いた。

そしてさらに「まさに牧師であるがゆえに、リアルな人生の問題に向き合えない」とマーティンを批判した。

するとマーティンは「人生の問題に答えるためにこそ、自分は牧師になったのだ」と話し、しかし自分自身がそれに応えていなかったことを認識したようである。

◆ ラスト

朝になり、マーティンは教会に説教のために出かける。

マーガレットは故郷に戻ってくることにした。それをジェニーに伝えた。

デイヴィッドが訪ねてきた。ジェニーはデイヴィッドのプロポーズにイエスした。