少年のキップスは仕事を学ぶために、ガールフレンドのアンに見送られて故郷を離れた。
いろいろな人との出会いがあり、また知らずにいた祖父から大きな財産を譲られた。
あるところで偶然にアンと再会した。だが弁護士がキップスの財産を持ち逃げした。
製作年:1941、監督:Carol Reed、脚本:Sidney Gilliat、Frank Launder、原作:H. G. Wells
■ はじめに
登場人物(キャスト)
アーサー・キップス(フィリップ・フロスト→マイケル・レッドグレイヴ)
アン・ポーニック(ダイアナ・カルダーウッド→フィリス・カルヴァート)
シャルフォード(ロイド・ピアソン)
チェスター・クート(マックス・アドリアン)
ヘレン・ウォルシングハム(ダイアナ・ウィンヤード)
ロニー・ウォルシングハム(マイケル・ワイルディング) 弁護士、ヘレンの兄
ウォルシングハム夫人(ヘレン・ヘイ) ロニーの妻
チターロー(?) 俳優・劇作家
故郷で別れたアンがなかなか再登場しないので、わりとヤキモキする。
原作は、SF小説家のH.G.ウェルズ。こんな小説も書いていたのか。
■ あらすじ
◆ アンと別れてフォークストンへ
14歳のアーサー・キップスは、仕事の見習いのためフォークストンに出発することになった。
ガールフレンドのアン・ポーニックと会った。二人は6ペンス硬貨を半分に割って、それを二人で分けた。
アンに手を振って、フォークストンに出発した。
補足。フォークストンはイギリス東南部の海岸町。
◆ いろいろな人との出会い
キップスはシャルフード氏が経営する呉服店で働いた。そして青年となった。
ある日キップスはチェスター・クートによる自己啓発の無料講義を受けた。それがきっかけでクートから紹介されて、ヘレン・ウォルシングハムの木工クラスも受講した。
キップスはすぐにヘレンに夢中になったが、ヘレンはあまり気にしていないようであった。
ある夜、道を歩いていると自転車にぶつけられた。相手は俳優で劇作家のチターロー。
ズボンが破れたので、チターローはキップスを自分のアパートに連れて行ってズボンを繕った。
その後、酒を飲みかわし、チターローは自分の最新の戯曲について話した。その登場人物の一人は偶然にキップスという名前だった。
◆ 突然大きな財産が
キップスは仕事に遅刻した。対してシャルフォードは彼に解雇を言い渡した。
だがそこにチターローが来て、キップスが会ったこともない祖父から屋敷と財産(26000ポンド)を相続したことを話した。補足。ここの話は彼の劇の中の同名の人物と関係しているのだが、よく分からない。失礼。
つまりキップスは突然大きな財産を手にした。さらにチターローは、彼の新しい劇に300ポンドを出資してくれるように頼んだ。
二人は銀行に出向くとクートと出会った。話を聞いたクートは、「(キップスの)財産を管理するために弁護士が必要」と言って、
ロニー・ウォルシンガム弁護士を推薦した。弁護士はヘレンの兄であった。
◆ アンと再会した
キップスはヘレンと再会した。やがてクートとウォルシングハム夫妻に誘導されてか、ヘレンと婚約した。
だが以前と違ってヘレンに対する憧れはなくなっていた。
ある日、(一人で)海に遊びに行ったが、そこでなんとアンに再会した。二人は喜び合った。
アンは派遣のメイドをしていた。パーティなどが開かれた時に派遣されてメイドをする。アンはそのことをキップスに話さなかった。
あるパーティに出かけた時、アンがメイドをしていた。そこにはヘレンも出席していた。
恥ずかしくなったのかアンは例の6ペンス硬貨の半分を渡して逃げ出した。
キップスはアンを追いかけて、作業室でアンを捕まえてキスをした。
◆ 弁護士は財産を持ち逃げ
キップスはアンと結婚した。二人は幸せではあったが、アンはキップスがせっかく掴んだ社会的地位を維持しようとする態度に不満であった。
ある日、ウォルシンガム弁護士の事務所に来るように依頼を受けた。
「ヘレンとの婚約を反故にした件ではないのか?」と警戒した。だが待っていたのはヘレン。
ヘレンはウォルシンガムが自分の家族の財産とキップスの財産を持ち逃げしたことを報告した。
キップスは落ち着いて、彼女の兄を当局に突き出すようなことはしないと約束した。
ヘレンも財産はなくなったが、自分ひとりで生きていく才覚はあると自信を持っていた。
◆ 劇の成功
キップスは財産をなくして落ち込んでいた。
チターローが現れて、自分の劇が大成功したので、利益の半分を分配すると告げた。
キップスとアンは本屋を開店して慎ましやかに暮らした。そして息子が生まれた。





