Scandal Sheet

エクスプレス紙の編集長になったマーク・チャップマンは同紙をスキャンダル紙にして経営を立て直した。部数は大きく伸びた。
新聞社が開いたパーティにシャーロット・グラントという女性が現れた。後ほどシャーロットの死体が発見された。彼女は実はチャップマンの妻であった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1952、監督:Phil Karlson、脚本:Eugene Ling、James Poe、Ted Sherdeman、原作:The Dark Page(1944、Samuel Fuller)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

マーク・チャップマン(ブロデリック・クロフォード) 編集長
シャーロット・グラント(ローズマリー・デキャンプ) 妻、別居中
スティーヴ・マクレアリー(ジョン・デレク) 記者
ジュリー・アリソン(ドナ・リード) 記者

チャーリー・バーンズ(ヘンリー・オニール) 記者、別の会社
エロリー・ハッカー判事(グリフ・バーネット)

◆ 補足

マーク・チャップマンの本名はジョージ・グラント。

アメリカの結婚の手順。まず役所に行って「結婚許可証/Marriage license」を貰う。それを持って判事、牧師、神父などに結婚式をしてもらう。その結果「結婚証明書/Marriage certificate」が発行される。

結婚許可証は「実在の人物か?」「すでに結婚していないか?」などを確認するものだが、アメリカなので州によって厳密さが異なっている。例えばネヴァダ州などはチェックが緩いことが知られている。なので「ラス・ヴェガスで結婚」というストーリーが成立する。
 


■ あらすじ

◆ 編集長の野望

ニューヨーク・エクスプレス紙。元は記者だったマーク・チャップマンは抜擢されて編集長となった。

彼は上品だったエクスプレス紙をスキャンダル紙へと変えた。その方針は成功を収めて、部数は飛躍的に拡大した。

今のチャップマンの目標は、エクスプレス紙を乗っ取ることである。この目標は「一日の販売部数75万部を達成すれば可能」であると見込んだ。

彼はこの目標に向かって突進した。新人記者のスティーヴ・マクレアリーはチャップマンの駒として最適であった。

だがベテラン記者のジュリー・アリソンは彼らに批判的であった。アリソンはアル中となってしまっている記者のチャーリー・バーンズとは親しかった。チャップマンに対するバーンズの扱いが気に入らない。

◆ チャップマンの正体

ある日、新聞社主催のパーティが開かれた。そこにシャーロット・グラントという女性が現れた。

グラントとチャップマンは二人である部屋に入った。チャップマンの本名はジョージ・グラントで、二人は夫婦であった。長い間別居していた。

シャーロットはチャップマンに詰め寄った。チャップマンが和解を拒むと彼を脅した。

二人は揉み合いとなり、結果、シャーロットは突き飛ばされて死亡した。この事件は二人しか知らない。

チャップマンは事故に見えるように細工した。後ほどシャーロットの死体が発見された。

◆ ロンリー・ハーツ・キラー

案の定、警察はシャーロットがバスタブで足を滑らせたと判断した。

チャップマンのことである。この事件さえもネタにして売り上げを上げようとする。マクレアリーに取材を命じた。

マクレアリーは事件の裏側を知らず、マジメに取材する。そして「これは殺人事件である」と結論付けた。

チャップマンは、表向きこの結論を支持せざるを得なかった。犯人を「ロンリー・ハーツ・キラー」と名付けて記事にした。

市民は争ってエクスプレス紙を買い求めた。

◆ 偶然に発見された写真

別紙の元記者で今はアル中となっているチャーリー・バーンズは、偶然に死亡した女性のスーツケースを発見し、その中にはシャーロットともう一人の男性が移っている写真があった。

男性は横を向いており、誰であるか判定できなかった。だがバーンズは大胆にも男性をチャップマンと判断し、昔世話になつたアリソンに伝えた。

たまたま二人の会話を耳にしたチャップマンはバーンズを殺害した。

◆ 結婚を執り行った判事

マクレアリーも懸命に取材している。彼はアリソンを誘って殺された女性の結婚の情報を探すためにコネティカット州に向かった。

二人は苦労して結婚式を執り行った判事を探し出した。新郎はチャップマンすなわちジョージ・グラントであることを掴んだ。

チャップマンを尊敬しているマクレアリーには信じられなかったが、これが真実である。

◆ チャップマンは死亡した

二人がいる部屋にチャップマンが入ってきて、拳銃を突き付けた。

絶体絶命の状況であったが警察が到着した。チャップマンは警官に撃たれた。

チャップマンは自社が特ダネを掴んだことで、むしろ満足の表情をして死んでいった。

エクスプレス紙には「ロンリー・ハーツ・キラー」の正体が明らかにされた。またエクスプレス紙は売れた。