The 39 Steps

驚異的な記憶術を披露している会場で銃声が鳴り響いた。リチャード・ハネイは怖がっているアナベラ・スミスという女性を連れ出した。
だがスミスの話した内容は驚くべきもので、ハネイはスパイ事件に巻き込まれた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1935、監督:Alfred Hitchcock、脚本:Charles Bennett、Ian Hay、原作:The Thirty-Nine Steps(1915、John Buchan)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 リチャード・ハネイ(ロバート・ドナート) カナダ人
 ミスター・メモリー(ワイリー・ワトソン)
 アナベラ・スミス(ルーシー・マンハイム)
 パメラ(マデリーン・キャロル)
 ジョン(ジョン・ローリー) 小作人
 マーガレット(ペギー・アシュクロフト) ジョンの妻
 ジョーダン教授(ゴッドフリー・ティール)
 ルイーズ・ジョーダン(Helen Haye) ジョーダンの妻

「39階段」とはミスター・メモリーから機密情報を引き出すためのキーワードである。モノクロ映画だが、カラー化されたヴァージョンがある。
 


■ あらすじ

◆ 銃声が鳴り響いた

カナダ人のリチャード・ハネイはロンドンのミュージックホールでミスター・メモリーの驚異的な記憶術の演技を見ていた。

すると突然銃声が鳴り響いた。そして隣の席にいたアナベラ・スミスという女性がハネイに抱き着いてきた。

怖がっているスミスを連れてバスでアパートまで戻った。

◆ スパイ組織

スミスが喋った話はにわかには信じがたいものであった。

自分はカウンタースパイで暗殺者に狙われているため、わざと銃を撃って混乱させた。つまり銃を撃ったのはスミス。

イギリスの軍事情報を狙っている組織があり、そのリーダーは左手の小指の先が欠けている。

陰謀を阻止するために、スコットランドの小さな村に行く必要がある。

またスミスは「39階段」という言葉を喋るが、その意味は分からなかった。

◆ スミスは殺され、ハネイはスコットランドへ

スミスはアパートから出て行ったが、夜になって戻ってきた。彼女の背中にはナイフが刺さっており、ハネイに逃げるように警告した。

スミスはスコットランドの地図を握りしめていた。ある村が丸で囲まれていた。

朝になってハネイは牛乳配達員の制服を借りて、アパートから脱出し、
スコットランド行の列車に乗り込んだ。

列車の中で読んだ新聞で、彼がスミスの殺害犯として手配されていることを知った。

列車内でも捜索が行われており、ハネイはあるコンパートメントに入り、中にいたパメラという女性に強引にキスをして、捜査員から逃れた。

だがパメラは捜査員に報告した。非常ブレーキが作動し、ハネイは列車から跳び下りた。

◆ 農家に匿われた

ハネイは逃れて、ジョンという小作人の家に入って泊めてもらった。妻のマーガレットは、ハネイが追われていることに気がついたようだが、沈黙を守った。

翌朝、ジョンはハネイを警察に突き出そうとするが、マーガレットはジョンのコートを貸してハネイを逃がした。

◆ ハネイはジョーダンに撃たれた

その後、ハネイはスミスの地図にある村に到着した。

ある大きな屋敷ではパーティが開かれていた。ハネイは「アナベラ・スミス」の名前を出して、屋敷の主人のジョーダン教授と話した。

警察が来たが、ジョーダンはハネイを守った。

ハネイが「左手の小指が欠損している男」の話をすると、ジョーダンは「このことかな」と言って左手を見せた。

ジョーダンはハネイを拳銃で撃った。だが銃弾はコートの胸ポケットに入っていた讃美歌集で止められて一命を取り留めた。

◆ ハネイは捕らえられたが、

ハネイは屋敷を抜け出して地元の警察に向かった。だが警察はハネイの話を信用しない。

ハネイはアナベラ・スミス殺害容疑で逮捕されたが脱出し、通りすがりのパレードに紛れ込んで逃げた。

政治集会が開かれており、その中で熱弁をふるうことになってしまった。

◆ パメラと再会した

だが、そこにはなんとパメラがいた。パメラは警察に通報しハネイは逮捕された。

二人は連行されるが、途中で彼らが警察ではないことに気がついた。彼らはスパイである。二人は手錠で繋がれた。

スキを見てハネイは逃げ出した。嫌がるパメラを引きずって逃げた。

二人は手錠をうまく隠して、恋人同士のふりをして宿屋に入った。

夜の間にパメラはうまく手錠を外した。

宿にスパイ=偽警察から電話がかかってきて、女主人は二人を匿った。

その電話の内容を聞いて、パメラはハネイの話を信用した。寝室にもどってハネイの隣で寝た。

◆ 機密文書は盗まれていない

翌朝はパメラは、ハネイにスパイたちがロンドンに向かっていることを話して、二人はロンドンに向かった。

ロンドンについてパメラはスパイの件をロンドン警視庁に話すが、機密文書が盗まれた事件はないと言われる。

警視庁はパメラを戻すが、パメラを尾行して、ハネイを居場所をつきとめようとする。

◆ ミスター・メモリーの記憶

ハネイはミスター・メモリーのショーに行っていた。パメラはハネイの隣の席に座った。

そこにはジョーダンもいた。

ハネイは機密がミスター・メモリーの頭の中にかくされていることに気がついた。

警察が来てハネイを逮捕しようとする。ハネイはミスター・メモリーに向かって叫んだ。「39階段とはなんだ?」

ミスター・メモリーはそれに答えて、何やら不思議な言葉を話し始めた。まさに盗まれた機密情報である。

それを見たジョーダンはミスター・メモリーに拳銃をむけて引き金を引いた。

ミスター・メモリーは倒れたまま、機密情報を喋り続けた。

ジョーダンは逮捕された。