本稿で述べる内容は流通業に適用されるものである。組み立て型製造業についてかなり様相が異なっている。
■ 在庫数量の推移
発注した商品が入荷してくる。すると商品の在庫数は最大となる。
毎日、商品が販売されて、毎日少しずつ在庫が減少してくる。多い日もあるし、少ない日もある。
在庫が減ってきて、あるトリガーで商品が発注される。
発注してもすぐには入荷しないので、その間にも在庫は減り続ける。
さらに在庫が減った時点で商品が入荷してきて、最大在庫数に戻る。
最大在庫数は、商品の売り上げ特性や陳列棚数などから予め決めておく必要がある。厳密に守る必要はないが、発注のターゲットとなる。
■ 補足
◆ 発注方法
発注方法としては「定期発注」「定量発注」が知られている。
定期発注は一定期間ごとに発注する。発注数は入荷時に最大在庫数になるようにする。
定量発注は在庫数がトリガーとなる値になった時に、予め決めている数量を発注する。
どちらの場合でも発注してから入荷するまでのタイムラグ(発注リードタイム)があり、その間に在庫が減るので、その間に在庫がゼロにならないように考慮する必要がある。
しかも在庫が減る数量は平均値は分かっているが、変動するので、少し多めに見積もる必要がある。
これで決められた在庫数を「発注点在庫数」と言う。
◆ 定期発注
在庫は最大在庫数から次第に減っていく。発注間隔は発注点在庫数に達する前になるように設定する。
補足。通常作業では意識しないが、発注点在庫数を計算しておく必要がある。
もし非常に売り上げが上がり、タイミングが来る前に発注点在庫数に達したら、臨時に発注する必要がある。
発注数量は、(発注時の在庫数-発注リードタイム中の在庫減少数)を最大在庫数から引いた数量になる。
◆ 定量発注
在庫数が予め決めてある発注点在庫数になった場合に発注する。売り上げの変動があるので、発注間隔も変動する。
発注数は一定で、(発注点在庫数-発注リードタイム中の在庫減少数)を最大在庫数から引いた数量になる。
発注点数量を多めに設定すると発注間隔が短くなる。ただあまりにギリギリの数量にするのは、発注後に売り上げが上がった場合に在庫切れを起こす可能性がある。