Wait Until Dark

盲人のスージーのアパートにヘロインが隠された人形が持ち込まれた。
人形を狙って三人の男が入ってきてスージーを脅した。目が見えないスージーはわけが分からず、彼らに翻弄される。


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製作年:1967、監督:Terence Young、脚本:Robert Carrington、Jane-Howard Carrington、原作:Wait Until Dark(Frederick Knott)


■ はじめに

「暗くなるまで待って/Wait Until Dark」の題名は、盲人のスージーが犯人と対決する時に、暗がりでは有利になるため。

◆ 登場人物(キャスト)

スージー・ヘンドリックス(オードリーヘップバーン) 主人公、盲目
サム・ヘンドリックス(Efrem Zimbalist Jr.) スージーの夫
グロリア(ジュリー・ヘロッド) 二階の少女

リサ(サマンサ・ジョーンズ) サムの同僚
マイク・タルマン(リチヤード・クレンナ)
カルリーノ(ジャック・ウェストン)
ハリー・ルート(アラン・アーキン)

◆ 補足

スージーが住むアパートは、この時代の映画に頻出するような一階が地面から少し下がっており、道路から二階に階段がつながっている。一階は住居や商店。

階段の裏に下に下りる小さな階段があり一階に行くことができる。スージーは一階に住んでいる。

中の構造はドアを入るとLDKになっている。他の部屋もあるが、ストーリーはすべてLDKの中で展開する。

サムとスージーは「呼び出し音を二回鳴らして切る」ことで合図に使っている。何の合図になるかは不明だが。

マイクに頼んでサムに電話しマイクは出ていく。その直後に合図がある。サムからのはず。これでスージーはマイクがおかしいと気がつく。
 


■ あらすじ

◆ ヘロインを運ぶ

リサはモントリオールからニューヨークに向かう。ヘロインが隠されている人形を持っている。

ニューヨークに到着した。だが監視の目を感じたので、同僚のカメラマンのサム・ヘンドリックスに人形を押し付けた。リサは姿を消した。

サムは妻のスージーが待つアパートに戻った。スージーは盲目である。

その後、二階に住むグロリアが訪ねてきて人形を発見する。人形を気に入ったグロリアは人形を持ち去った。

◆ アパートに見知らぬ男が三人

数日後、マイク・タルマンとカルリーノがリサに呼び出されてサム&スージーのアパートを訪れた。二人は、そこがリサのアパートではないと感じた。補足。リサとサムは同僚なので、サムのアパートを知っていると考えられる。

サムとスージーは外出していたが、ルートという男がいた。ルートは二人に人形探しを要請した。双方対立するが、結局協力することになる。

マイクとカルリーノはリサの死体を発見した。ルートが殺害したことは明らかだった。

三人は人形を探すが見つからず、あきらめて出て行った。リサの死体も運び出した。

◆ 怪しい三人が来る

翌日、サムは仕事で出かけて、スージーが一人でいる状況。

マイクはサムの戦友と称して訪れた。さらに老人に変装したルートが「息子の妻がサムと不倫している」と言って入ってくる。

マイクが警察に連絡する振りをし、カルリーノが刑事と称して入って来た。

ルートは「サムが息子の妻に贈った人形」を探していると告げた。

さらに「昨日駐車場で発見された死体(実はリサ)がサムの浮気相手」との偽の連絡が入る。

スージーは事情が分からずオロオロするばかりである。さらに人形があったことは分かっているが、今はどこにあるのか分からない。

マイクはアパートの外にパトカーが待機しているといい、電話番号を教えた。実はパトカーではなくワンボックスカーで、電話はすぐそばの公衆電話。

三人は出て行った。

◆ 電話線が切られた

グロリアが入ってきて人形を返した。グロリアに聞いて、外にいるのはパトカーでないと分かり不審を抱く。

マイクに教えてもらった電話番号にかけた。その時に、その番号は警察の番号ではないことに気がついた。

おかしいと気がついたスージーは人形をキッチンのゴミ箱に隠した。

さらにサムに電話をかけようとすると、今度は電話線が切られていた。

グロリアにサムを迎えに行ってもらうように頼んだ。

◆ ドアチェーンをかけられた

暗くなってきた。スージーは非常灯を除いてライトを破壊した。こうすれば、盲人の自分が有利になる。窓のブラインドも閉めた。

マイクが入って来た。真っ暗な部屋を見て「お前の勝ちだ」と出ていく。

この間、外でルートがカルリーノを車で轢き殺した。マイクが出ていくタイミングでルートが入ってきてナイフで刺した。マイクは部屋の中に転げ込む。

ルートはドアノブにチェーンをかけて開けられないようにした。

◆ 最後の対決

ここでスージーとルートが対決する状況となった。

ルートはガソリンを入れたポリタンクを持ってきて、ガソリンを撒く、新聞紙に火をつけてみせる。気づいたスージーは恐怖の叫び声。マイクの死体に引っ掛かり床に倒れた。

だがスージーが反撃。鍋に入れた水をルートの顔にかけ、非常灯を破壊した。これで真っ暗。

ルートはマッチを擦って明るくした。

スージーはポリタンクを見つけて、ルートにかけた。そしてマッチを擦って、逆にルートを脅した。

ルートがひるんだすきにドアに走って外に出ようとするが、チェーンがかかっているので出れない。

ルートは冷蔵庫のドアを開けた。冷蔵室のライトが部屋を照らした。

ルートはスージーの首にロープをかけて脅した。

仕方なくスージーは人形の場所を教えた。キッチンのゴミ箱。

ルートは人形を持ち上げて、中からヘロインを取り出し始めた。

スージーは、そのすきに包丁を掴む。

ヘロインを回収してポケットに入れて、スージーを寝室に連れていこうとする。

ここでスージーは包丁でルートの腹部を刺す。ルートは倒れる。かなりの重傷。

スージーは玄関ドアに走る。ドアを少し開けて、外に助けを求める。

重傷を負いながらもルートが迫ってくる。

スージーはキッチンに逃げて、(部屋を暗くするために)冷蔵庫の扉を閉めようとする。だが、物が引っ掛っていて閉められない。

逆に冷蔵庫の扉をいっぱいに開けて扉の後ろに隠れた。

ルートがすごい形相で迫ってきた。

もうだめかと思ったが、ルートは力尽きて崩れ落ちた。

ここでサムとグロリア、警察が到着。チェーンを切断して入って来た。

サムとスージーが抱き合った。
 


■ 蛇足

本作の少々おかしいところを挙げる。ただ普通の映画には、おかしなところはいくらもある。本作だけが多いわけではない。悪気はないが、ちょいと指摘したくなった。

玄関のドアのカギがかかっていないのが不思議。在宅している時でも普通はドアにカギをかけるはず。在宅していない時でもかかっていない。

スージーが一人で在宅している時に、なぜライトかつけられているのか?盲人なので点灯するのは不必要・無意味なはず。

ルートが変装して現れるが、スージーには無意味。ただこれは、事前にスージーが盲人であると知らなかったためか?

前述のようにスージーの部屋は一階で、しかし一階が少しだけ地面から凹んでいる。だが、窓から見た風景は、それが感じられない。しかもLDKは玄関ドアから階段を数段下りる構造になっているので、なおさら。

最後のルートとの対決の時、スージーが非常灯を破壊して部屋を真っ暗にする。ルートは明るくするために、窓のブラインドを開ける。だが冷蔵庫のドアが開けられる。
 


■ 出演作

◆ オードリー・ヘップバーン
(1966)おしゃれ泥棒/How to Steal a Million
(1961)噂の二人/The Children's Hour