■ Gunsmoke
殺し屋のレブはテルフォードに頼まれて、サクソン牧場のダンを殺すことになった。
だがしかしダンと会いサクソン牧場を譲り受けることになった。ただしテルフォードからの借金も含まれる。
借金を返すには牛を連れて行って売却する必要がある。牧童たちと牛を連れていく。 しかしテルフォードは借金を返してもらうよりも牧場が欲しいので妨害活動をしてくる。


製作年:1953、監督:Nathan Juran、脚本:D.D. Beauchamp、原作:Roughshod(Norman A. Fox)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 レブ・キトリッジ(オーディ・マーフィ) 殺し屋
 ジョニー・レイク(チャールズ・ドレイク) 相棒
 コーラ・デュフレイン(メアリー・キャッスル) 二人の知人、テルフォードの酒場の歌手

 ダン・サクソン(ポール・ケリー) 牧場主
 リタ・サクソン(スーザン・キャボット) ダンの娘
 カーリー・メイザー(ジャック・ケリー) 牧童、リタの恋人
 教授(ジェシー・ホワイト) 牧童

 マット・テルフォード(ドナルド・ランドルフ) 牧場主、酒場経営者

オーディ・マーフィとスーザン・キャボットは「(1952)抜き射ち二挺拳銃/The Duel at Silver Creek」でも共演している。スーザンは本作と同じように特徴がある女性を演じている。いつもライフルを持ち歩いており、一人で敵地に乗り込んだりする。
 


■ あらすじ

◆ サクソン牧場の状況

ビリングスの町。ダン・サクソンはこの町で牧場を始め、大きくした。この町で結婚し、娘のリタが生まれた。リタはしっかりした大人に育った。

ビリングスでは、マット・テルフォードが大きな力を持っていて牧場や酒場を経営している。

ダンはテルフォードに借金をしており、期限が迫っている。借金を返すには、他から融資を受ける、すべての牛を売る、などの方法が考えられる。

ダンはリタを派遣して金融業者に交渉にあたらせたが、不成功に終わった。

テルフォードは借金を返してもらうよりもサクソン牧場を手に入れたい。したがって牛の売却を妨害しようとする。そのために殺し屋のレブ・キトリッジを雇った。

◆ レブとリタが知り合う

レブと仲間のジョニー・レイクは悪いことをして騎兵隊に追われたが、何とか逃げおおせた。レブはテルフォードとの契約でビリングスに行くので二人は別れた。

レブは銃撃を受けて馬が死亡した。現場にあった薬莢を拾った。銃撃したのは実はサクソン牧場のカーリー・メイザー。レブがテルフォードに雇われたの知って、先に亡き者にしようとしたのである。

レブは通りかかった駅馬車に乗せてもらった。馬車には金融業者と交渉に行った帰りのリタが乗っていた。他の乗客がレブのことを知っていたので、リタはレブがビリングスに来たのを知った。

リタはレブの正体を知ったので警戒する。帰宅して「レブ・キトリッジが来た」と父親に報告した。

◆ レブはサクソン牧場の所有者になった

さて筋書き通りの展開であれば、レブはテルフォードに雇われてサクソン牧場と対決するはずである。しかしそのようには展開しない。

リタとカーリーは恋人同士である。既定路線でいけば、カーリーが牧場を継ぐことになる。しかしダンはカーリーを信用していない。

レブはまず銃砲店に行って、拾った薬莢の持ち主を聞いた。結果、その薬莢はカーリーしか使用していないと判明する。

レブが酒場にいる。知人のコーラ・デュフレインが歌手をしていた。ダンも来た。ダンはレブのことをすでに知っている。

ダンはレブと話してレブが牧場を持ちたいことを知った。ダンはレブにトランプカードを使った賭けを持ちかける。レブが勝てばサクソン牧場はレブのもの。ただし借金も含む。ダンが勝てばレブがサクソン牧場で働く。

ダンは実は賭博の名手でもある。普通ならばダンが勝つのだが、ダンはインチキをして、わざと自分が負けた。サクソン牧場はレブのものとなった。

それを見てテルフォードは怒った。

◆ 牛を売却することになった

レブは牧童を少しやったことはあるが、そもそも経営は未経験である。ダンに残ってもらうように依頼する。

牧童たちは、突然経営者が変わって唖然とする。みんな出ていこうとするが、ダンの説得でカーリーも含めてみんな残ることになった。

レブはダンと話して、借金を返すには牛を山の向こうまで連れて行って売却するしかないことを認識した。

レブはさっそく牛を集めることを指示した。補足。当時の牧畜は放牧なので、まずいろいろなところに散らばっている牛を集めなければならない。

◆ 敵の妨害

牛を集めるのに数日を要した。借金の返済期限は決まっている。期限までに牛を連れて行って売却できるかが問題である。

レブとダンを先頭に牧童たちは牛を連れていく。リタも一緒である。何日もかけて荒野を進んでいく。このように牛の群れを連れていくことを「牛追い/Cattle Drive」という。

さてさてさて、レブは最初からリタに惹かれているのだが、リタはレブを相手にしないどころか嫌っている。カーリーの存在ももちろんである。カーリーとはベタベタしている。

テルフォードがいろいろと妨害を仕掛けてくる。

まず、夜間に牛の群れを銃で脅して暴走させた。牧童たちは、暴走する牛の群れを追いかけ、先頭に回って牛の群れを誘導した。

次は草原に火をつけた。これまた牛たちが逃げ惑う。牛の群れを川に誘導して川を渡らせた。

◆ 山を越える

さて借金返済の期日が迫ってくる。そして連日の強行軍で牧童たちの不満が高まっている。

そしてこの間にリタとカーリーの間に溝ができてくる。気力をなくしているカーリーにリタが次第に愛想を尽かす。これをチャンスと見てレブがリタに声をかけるが「アナタも嫌い」と拒否される。

レブとカーリーが仲たがいしレブが腕を怪我する事件も発生。

もともとは山を避けて回っていく経路なのだが、それでは間に合わないので、レブは「山を越えていく」という決断を下す。牧童たちは「無理だ」と言い出す。

この時点でカーリーは不満をぶちまけて立ち去っていく。

急斜面、巨大な岩、倒木を乗り越えて登っていく。今度は斜面を下る。牛よりも馬車を下ろすのが難しい。ケガをしているレブに変わってリタが馬車を急斜面を下ろした。

◆ 谷間での決戦

さてカーリーは裏切ってテルフォードの手下になった。カーリーから状況を聞くと、返済期限に間に合って牛を売却できそうとのこと。

テルフォードはコーラに相談してジョニーを呼び寄せた。注、遠くから呼ぶので日程が足りないと思うが、そのようなストーリーになっている。

テルフォードはカーリー、ジョニーも含めて襲撃を計画する。

しかしレブは賢明な作戦を立てた。牛の群れを谷の奥に誘導して保護する。

谷の入り口に野営をしていると見せかけて、焚火や荷物、テントなどを配置する。人が寝ているように毛布も置いた。

夜になって敵が襲撃してくる。それを両側から銃撃する。激しい戦いになるが、レブの作戦勝ちである。テルフォード一味は敗北した。カーリーも死亡した。

◆ レブとリタがハッピーエンド

無事、牛を売却することができ借金も返せた。

テルフォードの酒場でレブ、ジョニー、コーラが飲んでいる。

階段の上にテルフォードが現れる。拳銃を構える。レブは気が付かない。

テルフォードが引き金を引いたが、しかし撃たれて階段から転落した。撃ったのはジョニーである。

三人の間は修復された。

ここでリタが入ってきた。レブとリタがハッピーエンドになったのは言うまでもないことである。