■ Cause for Alarm
エレンの夫のジョージはケガをして家で静養をしている。しかしエレンと医師のレイニー・グラハムが浮気をしていると疑っている。
エレンはジョージに頼まれて手紙を出した。その後、ジョージは「お前の罪状を告発したもの」と言って拳銃を向けた。しかしジョージはその場に倒れた。


■ Cause for Alarm


製作年:1951、監督:Tay Garnett、脚本:Mel Dinelli、Tom Lewis、原作:Cause for Alarm(Marcus)


■ はじめに

登場人物
 エレン・ジョーンズ(ロレッタ・ヤング)
 ジョージ・ジョーンズ(バリー・サリヴァン) 夫
 クララ・エドワーズ(Margalo Gillmore) ジョージのオバ
 ワーレン夫人(ジョージア・バッカス) 隣家の女性
 ホッピー(Bradley Mora) 近所の子供
 レイニー・グラハム(ブルース・コーリング) 医師
 ジョー・カーストン(アーヴィング・ベーコン) 郵便配達員
 郵便局の管理職(アート・ベイカー)
 ラッセル氏(ドン・ハガティ) 公証人

ところどころにエレンのナレーションか入っている。

■ あらすじ

◆ ジョージは手紙を書いている

ジョージはケガをして、しばらくの間は自宅で静養することになる。道路に面した二階建の家である。

妻のエレンがジョージの世話をしている。

ジョージはエレンに秘密で手紙を書いている。手紙の宛先は地方検事。内容はつぎのようなものである。

私は妻に命を狙われています。エレンは私の知人のグラハム医師と浮気をしています。彼らは私に薬を飲ませようとしています。

エレンが部屋に入ってくると書きかけの手紙を隠して、苦しそうな顔をする。

グラハム医師が訪問してきて話を聞いた。ジョージはあまりよくないようなことを言う。しかし「入院を」と言われると否定する。

グラハム医師が帰る、エレンは外に出て見送る。近くの子供のホッピーが来て(オモチャの)拳銃を出して「手を上げろ」と言うとエレンは両手を上げてホッピーと話した。

それが終わってエレンが後ろを向くと、ジョージの部屋のカーテンが揺れたような気がした。

◆ エレンは手紙を出す

部屋にエレンが入ってくるとジョージは「これを出してほしい」と封筒を渡した。

エレンは外に出た。隣のワーレン夫人がいたので話す。エレンは気がつかないがジョージが見ている。ジョージは以前からエレンが他の人と付き合うのを好まない。

ちょうど郵便配達員のジョー・カーストンが来た。配達された手紙を渡す。ジョーは二階に向かって挨拶をした。エレンが振り返ると、またカーテンが揺れている。

エレンはジョージの手紙をジョーに依頼した。

不思議に思ったエレンは二階に上がって部屋に入った。

◆ ジョージは死亡した

エレンが入ってくるとジョージはベッドに寝ている。エレンが続きの部屋に行くと、ジョージはエレンが入ってきたドアにカギをかけた。

そして引き出しから拳銃を出してベッドに戻った。

エレンが再び入ってきた。「お前はグラハムを好きだ」「彼は私たちの親友なのよ」。

さらに「お前は俺を殺そうとしている」というのでエレンは唖然とする。「さっきの手紙にすべてが書いてある」と言って拳銃を向けた。

エレンは逃げ出そうとしたがドアが閉まっている。

ジョージは拳銃を構えたまま、ベッドから出てきた。そしてエレンの前に倒れた。

なんとかドアを開けて一階に下りた。

◆ 郵便配達人を追いかけた

エレンはジョージの手紙を戻してもらおうと考えた。

外に出て、いつもやっているようにカギをドアの上に置いた。ワーレン夫人が見ている。

先ほどの郵便配達人を探した。

やっと探して手紙を戻してほしいと言った。しかしルールで戻せないと言われる。当たり前である。

「夫の手紙なのよ」とアピールするが、本人ではないのでダメである。

「郵便局に行ってください」と言われて家に戻っていく。

◆ クララらが訪ねて来た

エレンが外出している間にクララが訪ねてきた。チャイムを押してもでてこない。

ワーレン夫人が「ドアの上にカギがあるわよ」と教えてくれた。

クララは中に入った。持って来たものを冷蔵庫に入れた。

二階に上がろうとしたところ、エレンが戻って来た。

エレンは慌てて引き留める。二階にはジョージの死体がある。

その後もクララは何かと二階に上がろうとするが、エレンは必死に引き留めた。

しばらく話してクララは帰った。

◆ 郵便局に行く

エレンは二階に上がって着替えた。ジョージが倒れている部屋に行って拳銃をジョージの手から取ろうとしたが、間違って弾が一発発射された。

ホッピーが音を聞いて外から声をかけた。「ラジオの音よ」と答えた。

さて玄関から出ようとすると、外に人影。躊躇しつつドアを開ける。いたのは公証人のラッセル氏。

ジョージに会いたいと言う。断るがなかなか引き下がらない。しかし名刺を渡して立ち去った。

エレンは外に出たが、カギはドアに上に置かず、自分のバッグに入れた。

「落ち着いて」と自分に言い聞かせて郵便局に入った。

郵便を戻してほしい旨を言うと書類を渡された。記入して渡すと「夫の許可は?」と尋ねられた。

「病気なんです」と訴えるが係員は譲らない。

「内容を見せてくれれば、許可はいらない」と言われたが、それはできないので、エレンは出てきた。注、正確に言えば内容は知らない。

戻ってくるとワーレン夫人が「なにか心配事でもあるの?」と聞く。親切心から出た言葉だが、エレンにとっては迷惑である。

◆ グラハム医師が来た

グラハム医師に電話をかけようとした。しかしちょうどグラハム医師が来た。

すぐに二階に上がろうとする。ジョージの病状を診ているので当たり前の行動である。

エレンは「他の先生にも見てもらったの。とても調子がいいのよ」と思い付きの嘘をついた。

グラハム医師は「何が起こったんだ?」と言った後、間をおいて「ジョージは死んだのか?」と聞いた。エレンは「そうよ」と答えた。

グラハム医師は二階に上がってテキパキと動いた。拳銃の弾を見つける。それをポケットに入れる。引き出しにあった拳銃を隠した。

ジョージの死体を持ち上げてベッドに置いた。窓をきちんと閉めた。

そしてエレンに話した。「あなたは有罪ではない」。

◆ 郵便配達員が来た

チャイムが鳴った。二人は一階に下りたが、エレンは出るのを躊躇する。グラハム医師は「でなさい」と促した。

来たのは郵便配達員。ジョージの手紙を持って来た。「料金不足なので、配達できませんでした」。

エレンは手紙を受け取って泣き、グラハムに抱きついた。

グラハム医師は手紙を受け取って、内容を見ないで燃やした。