■ HIGHWAY 301
ジョージをリーダーとする五人組は銀行強盗を成功させて逃亡、最後の仕事として現金輸送車を襲った。
これも成功したかに見えたが、奪ったのは裁断された使用済みの紙幣。足がついて追われる羽目になった。
この事態になって、彼らの恋人たちも離反した。
製作:1950年、監督;アンドリュー・L・ストーン、脚本:アンドリュー・L・ストーン
■ はじめに
本作は強盗犯よりも、強盗犯と付き合ってしまった女性たちを描いたものである。
登場人物(キャスト)
ジョージ・レジェンザ(スティーヴ・コクラン) 強盗、リーダー
ロバート・メイズ(ワリー・キャセル) 強盗
ウィリアム・フィリップス(ロバート・ウェッバー) 強盗
ハービー・ブルックス(リチャード・イーガン) 強盗
ノイズ・ヒントン(エドワード・ノリス), 強盗、運転手役
マデリーン・ウェルトン(アリーン・タウン) ジョージの恋人
メアリー・シムズ(ヴァージニア・グレイ) ロバートの妻
リー・フォンテーヌ(ギャビー・アンドレ) ウィリアムの恋人、フランス人
トラスコット(エドモン・ライアン) 警部、ナレーション
人物の名前が分からなくて苦労する映画がわりと多いが、本作は最初に登場する時に、なんらかの形(ナレーション、会話、紹介など)で我々に分かるようになっている。グッド。
■ あらすじ
◆ 銀行襲撃
ノース・カロライナ州ウィンストン・セーラム。銀行の前。ゆっくりと車が来る。中には五人の男。車は銀行の周りを一周する。タイミングの調整。午後3時の4分前。
ハービー・ブルックスが車から降りて銀行の中に入っていった。窓口の列に並ぶ。
ビル・フィリップスも入った。ジョージ・レジェンザも続いて入る。さらにロバート・メイズも続く。三人はロビーの中で分散して立つ。ノイズ・ヒントンは車の中で待機。
ハービーが窓口に呼ばれた。ピッタリ三時。警備員がブラインドを下ろす。ハービーは両替を依頼してもらう。窓口を離れたハービーは警備員に拳銃を突き付けた。他の三人はカウンタの中に飛び込んで拳銃を構えた。行員の悲鳴が響く。金をデスクから集める。注、金庫はないのか?
待機中の車の前に白バイが来る。「ここに止めるな」「副頭取を送るので待っています」と適当に返事すると白バイは走り去った。
四人は飛び出して車に乗って走り去った。銀行は非常ベルを鳴らし警察に連絡する。
郊外まで走って農場に着く。別に用意してある車に乗り換えて、さらに走った。
走り去る車が目撃された。廃業した農場であったので不審に思い、車のナンバーの前半とともに警察に通報した。MD109....。注、MDはメリーランド州のこと。
ここ三か月に同様の事件が発生している。トラスコット警部は、ナンバーを手配して緊急配備を指令した。
◆ マデリーンが撃たれた
一味はナイトクラブにいる。マデリーン・ウェルトン、メアリー・シムズ、リー・フォンテーヌも一緒。
マデリーンはジョージにこのような生活に不満を訴えている。「別れたい」と言うがジョージはマデリーンを引っ叩く。
いったんみんなテーブルに集まるが、男性陣は立ち去って女性たちだけで話す。リーはウィリアムと付き合って間もないがすでにプロポーズされたようである。しかし強盗であることは知らない。リーがプレゼントを貰ったことを話すと、マデリーンは「彼は大物だから、いろいろな銀行から引き出せるのよ」と言う。
マデリーンは姿を消してホテルに戻った。荷物をまとめて部屋を出ようとした。エレヴェーターの扉が開いた。中からジョージ。マデリーンは逃げようとしたが拳銃で撃たれた。
◆ 捜査状況
銀行強盗事件とマデリーン射殺事件の記事が新聞に載った。
警察ではマデリーン殺害に使われた銃弾を調べた。それはかってユニオン駅で守衛を撃ったものと同一の拳銃が使われたことが判明した。しかしそれ以上のことは不明である。注、ユニオン駅の件は今回の銀行強盗事件とは無関係。
警察はMD109で始まる車を求めて駐車場をしらみつぶしに調べた。
◆ 現金輸送トラックを襲った
リーはウィリアムに「こんなことは信じられない」と不満を述べている。もともとウィリアムは自分の素性をリーには「営業マン」と言っていた。しかし強盗であるとばれた。ウィリアムは「もう一度デカい仕事をするまで」となだめる。
さて彼らはもう一つの計画を実行しようとしている。ジョージは「200万ドルは稼げる」という。
案件は現金輸送トラックの襲撃。
トラックが来たところで、車を出してトラックを止める。運転手を拳銃で撃つ。トラックの荷台の扉のカギを拳銃で壊す。現金のバッグを運び出して自分たちの車に乗せ換える。車が通りかかったので拳銃を突き付けて車のキーを奪う。
走る車の中でバッグを開けて確認する。しかし入っている札はすべて裁断されていた。廃棄する札だったようである。
ともあれ隠れ家に急いだ。卵の箱(もちろん中身はない)を輸送するトラックと乗用車に乗り換えて逃走する。卵の箱の間に身を隠す。
警察は非常線を張った。
◆ アジトがばれた
卵輸送トラックが検問で調べられるが、なんとか通過した。隠れ家に到着。
ここで現金輸送の情報を提供したアールという人物に会う。ジョージは「あんたは本当に頭がいい。史上最高だ」。アールを殴り倒して、さらに拳銃で撃った。
車を乗り換えてさらに逃げた。メアリー、リーと落ち合った。
リーは「働き者の彼(現金輸送車の運転手)は妻と三人の子供を残して死んだのよ」。ウイリアムはリーを抑えるが「私と来ないなら、おしまい」と言い渡す。
ジョージとウィリアムは外に出た。すでに警察が警戒中。警察はM109-770の車を見つけた。配線をはずして動かないようにした。
二人が車に乗り込む。車は発車できない。警官と撃ちあいになった。ウィリアムが倒れた。ジョージは逃げた。その様子を上階の窓から、リーやメアリーが見ていた。
リーが「助けに行く」と言うが止められた。メアリーは「すぐに逃げなきゃ」。ジョージは裏口から回ってきて非常階段から入ってきた。
警察はウィリアムの死体を調べてリーの写真を発見した。部屋の鍵も見つけた。警察は周囲の建物をしらみつぶしに調べ始めた。
部屋に戻ったジョージも含めて脱出する。メアリーとロバートは正面から、他は裏から出る。外では警察が警戒している。警察は部屋を突き止めて突入したが、もぬけのカラ。
撃ちあいをした警官が、怪しい人物の写真リストを見て(ジョージの)顔がばれた。ジョージ・レジェンザ。
◆ リーが逃亡した
一味は合流して車で逃亡している。前にいたリッチモンドに行くらしい。補足。我々に今まで死亡が確認されたのは、ウィリアム・フィリップスとマデリーン・ウェルトン。注、この場面は一人少ないが別行動を取っている。
リッチモンドのアパートの周りを三回回って確認する。近くの中華料理店に止める。運転手のノイズを除いて四人が入る。
ここでリーが入り口で姿をくらます。もう一緒にいるのは嫌だからである。リーは裏口から出て道路を渡った。ジョージがドアから出て来て後を追った。
リーはタクシーを拾おうとしたが通り過ぎた。ジョージが来て中華料理店に連れ戻された。
ロバートとリーがアパートの偵察に行く。ロバートは外で待ってリーが四階の44号室を確認しに行く。リーはできれば逃げたいが、外で見張っているので仕方なく四階に上っていく。中に入った。誰もいなかった。階段を下りたが、裏口から逃げようとした。しかし裏口にロバートがいた。
四人はアパートに入った。リーがメンバーとは別の部屋で泣いている。ジョージは「最初からお前に惹かれていたんだ」といいよる。ジョージが「なんでも望みを言え」と言うのでリーは「カナダに帰して」。ジョージは「オーケー、明日だ」と言って、部屋を出て行った。リーの部屋のドアを外からカギをかけた。しかしリーはジョージの約束を信用していない。
ジョージはアパートから出て行った。ロバートとメアリーは寝たようである。リーはドアの下に新聞を差し込んだ。鍵穴に入っているカギを内側から押して下に落とした。新聞を引っ張ってカギを取り込んだ。
リーはドアを開けた。様子をうかがう。アパートから出た。階段を下りた。外に出た。道路を渡っていく。しかし戻ってきたジョージに見つけられた。リーは走って逃げた。
リーは通りかかった男女三人組に助けを求めた。タクシーを呼んでもらった。タクシーに乗った。しかし運転手はジョージっ!ジョージはリーを撃った。ジョージは立ち去った。
◆ 病院での銃撃戦
リーは病院に運ばれた。リーのニュースがラジオで流れた。死んではいないが、生死の確率は半々とのこと。
ラジオを聞いたメアリーはジョージに「リーが警察に喋ったら、あんたは死刑よ」。「意識が戻る前に止めを刺すんだ」。
別行動だったノイズとハービーが合流して病院に行く。病院の近くの公衆電話の番号を調べる。次にメアリーが病院に侵入してリーの病室を調べる。「なぜ私なの?」「警察はお前のことを知らない」。
メアリーは受付で記者を装って聞く。「四階の看護師長のところへ」。しかし四階では警察が警戒している。四階の受付で患者リストを盗み見。「氏名不詳の患者」が404号室。
404号室の近くでうろうろしていると看護師長が来た。「なんでしょうか?」。今度は「担当のパーカー巡査部長に」とさらに転送された。しかし看護師長からは「まだ意識不明」との情報は得た。
メアリーは先ほどの公衆電話で連絡。「404号室。402号室に警官が待機」。ジョージとロバートは病院に入っていった。
話を聞いたバーカーがメアリに声をかけてきた。しかし「町の記者は全部知っている」「ワシントンから来たの」。「一緒に来てほしい」と怪しまれた。そしてトラスコットが出てきた。いろいろ聞かれてメアリーはしどろもどろ。完全にばれてしまった。逮捕された。
一方、残っているハービーとノイズは警戒態勢を見て「大変なことになった」と話している。
ジョージとロバートは連行されていくメアリーを目撃。警官がいっぱいいる。
二人は404号室に入って拳銃を抜いた。中にはトラスコット。撃ちあいになった。病院中に銃声が響いた。二人は404号室から逃げ出した。患者や職員や見舞客がいるので、警官隊は簡単には手が出せない。看護師を人質に取った。エレヴェーターに乗って下の階へ。病院の出口で撃ちあい。
ロバートは撃たれて倒れた。ジョージは走ってハービーとノイズの車に辿り着いた。パトカーが追いかけた。車がひっくり返った。ジョージはさらに逃げた。線路に逃げたが撃たれて倒れた。走ってきた列車に轢かれた。他の三人も死亡した。
リーは無罪放免となった。