■ The Last Time I saw Paris
チャールズとヘレンは結婚した。ヘレンは結婚した後も遊び歩いた。チャールズは除隊して記者となった。その合間に小説を書いた。
しかし執筆はうまくいかず、次第に陰鬱になってくる。そしてロレーヌという女性と付き合った。
チャールズとヘレンの子供のヴィッキーは、両親がこのような状態ではあったが、素直な良い子に育った。
製作:1954年、原作:F・スコット・フィッツジェラルド、脚本:ジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン、リチャード・ブルックス、監督:リチャード・ブルックス
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ヘレン・エルスワーズ(エリザベス・テイラー)
チャールズ・ウィルス(ヴァン・ジョンソン) →ヘレンの夫、軍人→記者
ヴィッキー(サンディ・デスチャー) ヘレンとチャールズの娘
ジェームズ・エルスワーズ(ウォルター・ピジョン) ヘレンの父
マリオン・エルスワーズ(ドナ・リード) ヘレンの姉
クロード・マティヌ(ジョージ・ドレンツ) チャールズの戦友、→マリオンの夫
ポール(ロジャー・ムーア) テニス選手
ロレーヌ・クワール(エヴァ・ガボール) 何度も結婚をしている女性
ディンゴ(?)カフェ・ディンゴの主人
ジャネット・ディンゴ(?)
■ あらすじ
◆ カフェ・ディンゴ
チャールズ・ウィルスはアメリカからパリに到着した。カフェ・ディンゴに行き、主人夫婦と会った。そして壁にかけられている女性の絵を見つめた。
その女性はチャールズの妻であったヘレン・エルスワーズである。
ここからは過去の回想場面
◆ 戦争終結
戦争が終わりシャンゼリゼ通りは戦争終結を祝う群衆で埋め尽くされていた。チャールズもその騒ぎの中にいた。
その混乱の中である女性にキスされた。その女性は、また人ごみに紛れて消えた。特にチャールズがターゲットであったわけではない。
チャールズは近くにあったカフェ・ディンゴに入った。そこで偶然に戦友のクロード・マティヌに会った。
クロードはマリオン・エルスワーズという女性と一緒だった。
◆ エルスワーズ家
マリオンの自宅の祝賀バーティに誘われてエルスワース家に行った。
偶然そこには、先ほどチャールズにキスをして姿を消した女性がいた。マリオンの妹のヘレン・エルスワーズ。
チャールズとヘレンは階段に座り込んで話した後、階段を上ってヘレンの部屋に入った。マリオンは下から二人を見ていた。ヘレンは床の板を開けて、隠してあった酒を出してチャールズに渡した。
チャールズはおとなしいマリオンの気持ちに気がつかず、ヘレンと付き合い始めた。エルスワーズ家に居候した。
チャールズは除隊し通信社に勤め始めた。その一方で小説を書き始めた。
◆ ヘレンと結婚
チャールズはヘレンと結婚した。ヘレンは相変わらず遊び歩いた。マリオンはクロードと結婚した。
ヘレンは妊娠しヴィッキーを出産した。しかしヴィッキーが生まれた後は、また元のような生活に戻った。
◆ 小説
チャールズは仕事の傍ら精力的に小説を書いた。しかし一作目も二作目も出版社から断りの返事が届いた。
次第にチャールズは陰鬱になっていった。家に帰らずに飲み歩いた。
両親はこのような生活ではあったが、ヴィッキーは明るく素直な少女に育った。
◆ クワール夫人
チャールズはロレーヌ・クワールという女性と知り合った。ロレーヌは三度も結婚・離婚している女性で、遊び歩いているらしい。というより自分で広言している。二度目の結婚・離婚で財産を得たとのこと。
本来は第三作に集中するはずであったが、執筆は進まない代わりにロレーヌとの遊びはどんどん進んだ。
二人は、モンテカルロ・パリ間のレースに参加したが途中で棄権した。
ディンゴの店に来るとヘレンはテニス選手のポールと一緒の席に座っていた。頻繁に会っているらしい。四人の間に激しい火花が飛び交った。
ヘレンはポールと一緒に出て行った。
◆ ヘレン死亡
チャールズはロレーヌと飲んだ後、戻ってきて階段に座り込んで寝込んでしまった。
ヘレンはポールと一緒にいた。朝になった。前日までの雪が積もっていたが、雨になっていた。ヘレンは自分の持っている傘をポールに渡して別れた。
タクシーで帰るつもりであったが、タクシーが捕まらず、雨の中を自宅に戻った。
しかしドアの隙間からは寝込んだチャールズが見えるもののドアにはチェーンがかかっており、入ることはできなかった。
ヘレンはさらに雨の中を歩いてマリオンの家に行った。しかしそこで倒れて、病院に運ばれた。肺炎。
病院に駆けつけたチャールズをマリオンは睨みつけた。
ヘレンはヴィッキーのことを頼んで死亡した。
◆ ヴィッキー
ここで回想場面が終了
チャールズはアメリカで小説家として成功していた。パリに来た目的はマリオン夫婦の世話になっているヴィッキーを引き取るためであった。
ヴィッキーはチャールズに抱き着いた。しかしマリオンは引き渡しを拒否した。
自宅に帰ったマリオンはクロードに説得された。
翌日再び会って、ヴィッキーをチャールズに引き渡した。ヴィッキーは大喜び。チャールズとヴィッキーは立ち去った。
■ 蛇足
マリオンがチャールズを好きなのは、セリフ、表情、動作では表現されない。画面の切り替えで分かるようになっている。同様に「熱き愛に時は流れて/When I Fall in Love(1988)」でもドニー(ティモシー・ハットン)がバブス・ロジャース・グレイ(ジェシカ・ラング)を好きなことを画面切り替えだけで表現している。
エヴァ・ガボールは本作と同様、五回の結婚と離婚。エリザベス・テイラーはみんな知ってるけど。七人と八回結婚。