■ Cry of the Hunted/1953
ジョリーは服役していたが、他へ移送中に車両が事故を起こして、脱走した。
警部補のトゥナーは、ジョリーの妻ジャネットがいるルイジアナに逃げたものと考えて追いかけた。
いったん沼地でジョリーを捕まえるが、ジャネットに殴られて気を失って、ジョリーはさらに逃亡を続けた。
最後にトゥナーとジョリーは戦うが、トゥナーは沼におぼれそうになり、ジョリーが助けた。


製作:1953年、脚本:ジョセフ・H・ルイス、監督:フジャック・レナード  


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ジョリー(ヴィットリオ・ガスマン) 受刑者
 エラ(メアリー・ザヴィアン) ジョリーの妻
 ディヴィス・トゥナー(バリー・サリヴァン) 警部補
 ジャネット・トゥナー(ポリー・バーゲン) トゥナーの妻
 グッドウィン(ウィリアム・コンラッド) トゥナーの同僚
 ブラウン(ハリー・シャノン) ルイジアナの保安官

トゥナーの肩書は、私のDVDでは「警部補」となっているが、刑務所の話なので、おかしいかと思うが、そのままにしておく。

■ あらすじ

◆ ブラッドビル州刑務所

ジョリーは三年の刑で服役中。所長は「ジョリーは極悪人」とトゥナーに話している。

トゥナーはジョリーに仲間の情報を要求するがジョリーは拒否する。

ジョリーは興奮してトゥナーと殴り合いになりトゥナーが勝つ。「(仲間のことを)話す気になったか?」「たぶんね」。

トゥナーが帰宅すると妻のジャネットはジョリーとのトラブルを知っており、心配する。

◆ ジョリーが脱走する

ジョリーは移送されることになった。注、理由は明示されないが「仲間のことを話す」ことになったので、そのための聴取に警察に行くのでは?

運転はトゥナー。後ろの席に同僚のグッドウィンとジェリー。グッドウィンはジョリーに話しかけるが、ジョリーは無視する。

トンネルの中で前から来た車と正面衝突。ジェリーは逃げ出し坂道を上って消えた。

二人は追いかけたが、家が立て込んでおり見失った。

◆ ルイジアナへ向かう

所長は「まっすぐルイジアナに向かうとは思えん」と話しているが、トゥナーはルイジアナに行くことにする。

家に帰ると、ジャネットはすでに「ジョリーが逃げた」ことを知っていて旅の準備をしている。

「一週間で帰る」と言って家を出た。

トゥナーは飛行機やジープでチャッツバーグ郡に到着した。

保安官のブラウンはかってジョリーを逮捕した人物で「ジョリーは俺が捕まえる」と言っている。

◆ ジョリーは捕まった

「ジョリーが貨物列車に乗った」という情報があり、貨物列車を待った。

列車が停止し、一両ずつ調べていく。隠れていたジョリーが飛び出して逃げた。ライフルを発車するが当たらない。

ジョリーは鉄橋の上で両方から挟まれた。川に飛び込んだ。ブラウンは「ワニがいる。死ぬ」。

ジョリーは泳いで逃げた。陸に上がった。警察犬が追いかけてきた。また水に飛び込み、また上がった。

岸辺にある小屋に行った。明りをつけた。中にはトゥナーがいた。

トゥナーはジョリーに手錠をかけた。「妻に会いたい」。

◆ またジョリーは逃げ出した

次の日、女性がボートで来た。ジョリーの妻エラ。捕まった後に生まれた子供も一緒。

エラは「昨日新聞を見た」。二人は抱き合った。

トゥナーはジョリーの手錠を外し、外に出た。

エラは「二度と離れないで、牢屋で朽ち果ててほしくない」というが、トゥナーへの義理があるのでジェリーは拒否する。

トゥナーが戻ってきてジョリーと話しているとエラがトゥナーを後ろから殴り倒した。

トゥナーは気がついた。二人(と子供)はいなくなっていた。

◆ 沼地でジョリーを追跡する

トゥナーは病院のベッドで目覚めた。殴られた後、川の水を飲んで体調がおかしくなった。

グッドウィンとジャネットが来た。所長が「帰って来い」と言っているらしい。しかしトゥナーは拒否。

ブラウンは「この沼地でジョリーを追いかけるのは無理」と言っている。

グッドウィンと二人でボートで出発した。

所々で出会った人に写真を見せて聞くが、誰も知らないという。夜は岸に上がって警戒しながら寝る。このような生活が続いた。

小屋が見つかり男性がいたので、写真を見せると「あちらでは?」と指さす。しかし見つからない。

グッドウィンは「あんたはイカレテル」と言ってボートに乗って帰っていった。

その後は沼地を水に足を取られながら歩いた。

◆ ジョリーと出会う

ジョリーとジャネット(と子供)が小屋にいる。ジャネットはライフルを持ち出すが、ジョリーが制止する。

トゥナーはボートを見つけた。隠れてジョリーが見ている。

トゥナーはジョリーの存在に気付いた。二人は殴り合う。水の中で争う。ジョリーが切り株にぶつかって傷を負う。

ここでトゥナーは沼にはまり込む。トゥナーの体が沈んでいく。もがくとさらに体が沈む。首まで沈んだ。

ジェリーはトゥナーを見ていたが、木の枝を出して助けた。

二人で岸辺に座って話す。「なぜ助けた?」「いつも考えないで行動する」。ジョリーは「ローガンに騙された。自分だけが服役した」と昔の話をする。

◆ ワニが来た

トゥナーが目が覚めた。ジェリーが調子が悪そうである。

トゥナーはジェリーをボートに乗せて運ぶ。ボートと言ってもボロボロの小さいもので、ジョリーの腕が水の中に垂れている。

ワニが何匹かウロウロしている。

ジョリーが無意識に動いた。二人とも水に落ちる。ワニが近づいてくる。

トゥナーは必死でジョリーを岸に上げた。

◆ グッドウィンが来た

グッドウィンとブラウンが乗ったボートが近づいてきた。

トゥナーは(グッドウィンとは分からないが)ボートの音に気がついた。声を上げたが届かない。ボートは去ってしまった。

トゥナーは火をつけた。ボートが火に気がついて戻ってきた。

グッドウィンとブラウンは火を消して二人をボートに乗せた。

◆ ラスト

ジョリーが刑務所で仕事をしている。しかしもう刑期を終える。トゥナーが来て、握手をした。

ジョリーは出所した。駅で列車を待つ。列車が発車した。トゥナーが見送った。
 


■ 出演作

ポリー・バーゲン
「恐怖の岬/CAPE FEAR(1962)」(グレゴリー・ペック、ロバート・ミッチャム、ロリ・マーティン、ポリー・バーゲン、テリー・サヴァラス、マーティン・バルサム)
「ケープ・フィアー/CAPE FEAR(1991)」(ロバート・デ・ニーロ、ニック・ノルティ、ジェシカ・ラング、ジュリエット・ルイス、ジョー・ドン・ベイカー、マーティン・バルサム、イリアナ・ダグラス)
「ジキル博士はミス・ハイド(1995年)」(ティム・デイリー、ショーン・ヤング、ハーヴェイ・ファイアスタイン、リセット・アンソニー)
「私の彼は結婚詐欺師 (Addicted to His Love)(1988年)」
「脱獄者の叫び/Cry of the Hunted(1953)」(ヴィットリオ・ガスマン、バリー・サリヴァン、ポリー・バーゲン、ウィリアム・コンラッド)

ウィリアム・コンラッド
「凱旋門/Arch of Triumph(1948)」(イングリッド・バーグマン、シャルル・ボワイエ)
「私は殺される/Sorry, Wrong Number(1948)」(バーバラ・スタンウィック、バート・ランカスター、アン・リチャーズ、ウェンデル・コーリイ、エド・ベグリー、リーフ・エリクソン、ウィリアム・コンラッド)
「ジャンヌ・ダーク Joan of Arc (1948)」(イングリッド・バーグマン、ホセ・ファーラー、フランシス・L・サリヴァン、ウォード・ボンド、ヘンリー・ブランドン、ウィリアム・コンラッド、ジェフ・コーリイ、リーフ・エリクソン)
「犯人を逃がすな/Cry Danger(1951)」(ディック・パウエル、ロンダ・フレミング、リチャード・アードマン、レジス・トゥーミイ、ウィリアム・コンラッド)
「脱獄者の叫び/Cry of the Hunted(1953)」(ヴィットリオ・ガスマン、バリー・サリヴァン、ポリー・バーゲン、ウィリアム・コンラッド)

ハリー・シャノン
「カンサス大平原/Kansas Pacific(1953)」(スターリング・ヘイドン、イヴ・ミラー、バートン・マクレーン、リード・ハドレー)
「風と共に散る/Written on the Wind(1956)」(ロック・ハドソン、ロバート・スタック、ドロシー・マローン、ローレン・バコール)
「真昼の決闘/High Noon(1952)」(ゲイリー・クーパーグレイス・ケリートーマス・ミッチェルロイド・ブリッジス)
「峡谷の銃声/Singing Guns(1950)」(ヴォーン・モンロー、ワード・ボンド、エラ・レインズ、ウォルター・ブレナン)
「脱獄者の叫び/Cry of the Hunted(1953)」(ヴィットリオ・ガスマン、バリー・サリヴァン、ポリー・バーゲン、ウィリアム・コンラッド)