■ Fatal Attraction(映画,1987)/ダンは遊びのつもりで一夜のセックスをした。だがしかし.....。


製作:1987年、脚本:ジェームズ・ディアデン、監督:エイドリアン・ライン   予告編   予告編  


■ はじめに

この映画は「ローズ家の戦争」や「フォーリング・ダウン」と同じようにマイケル・ダグラス出演映画にありがちな「最後まで突進する映画」である。しかし本作で突進するのはグレン・クローズ。

登場人物(キャスト)
 ダン・ギャラガー(マイケル・ダグラス) - 弁護士
 ベス・ギャラガー(アン・アーチャー) - ダンの妻
 エレン・ギャラガー(エレン・ハミルトン・ラッツェン) - ダンとベスの娘
 アレックス・フォレスト(グレン・クローズ) - ダンの客先の出版社の社員
 


■ あらすじ

◆ アレックス

ダンは弁護士。ベス、エレンと住んでいるがアパートを売却して一軒家を購入しようという話が進んでいる。

ダンは事務所の客先の出版社のパーティに出かける。ベスも一緒。その席で入社して二週間というアレックスと挨拶した。

次の日の土曜日。ベスとエレンはベスの実家に行く。一泊する予定。実家の近くの一軒家を見に行くという目的もある。ダンは出版社との打ち合わせに出かける。打ち合わせには昨日初めて会ったアレックスも出席していた。

打ち合わせが終わってバスを待っていた。しかし激しい雨でダンの折り畳み傘が壊れた。近くにアレックスがいたので二人でレストランに入って話す。

二人は初めて話すのだが、なかなか怪しい会話が繰り広げられる。「弁護士は人の秘密を知る商売」「秘め事ね」。アレックスは突然「自信ある?」。ダンは返事を躊躇。「何に?」「秘め事よ」。アレックスの眼付が怪しくなってくる。「あるよ」「私もよ」。ここで二人はニタニタ。「私たちは大人」。

ダンは今日は一人。二人はアレックスのアパートに行く。当然行うべきことを行い、ディスコに行って踊って、またアレックスのアパートに戻ってきた。

朝アレックスがまだ寝ているのを確認して自宅に戻った。ベスからの留守電。家の見学が伸びたのでもう一泊するとのこと。

ここでアレックスから電話。「黙って帰るなんてひどいわ」。ぜひ会いたいという。仕事があると言ってもしつこく誘う。根負けして結局二人で会う。

公園で遊んだ後にアレックスのアパートで食事。家族のことを聞いてくる。その後「幸せなのね、ではなぜ私と?」「厳しい質問だな」「あなたともっと会いたいのよ」「私の立場を教えて?」「妻がいる」「ついてないわね」。

そしてダンが帰ろうとすると、なんとアレックスは手首を切った。手当をして慰めるとアレックスは気持ちが落ち着いて納得したようである。

◆ 妊娠

ベスがが戻ってきた。見た家はよかったらしい。ベスはぜひとも買いたいと言うので、午後会社を休んで見に行った。ダンも気に入った。

次の日、出社するとアレックスが来て待っていた。「近くを通りかかった」。「私ってバカだったわ」「もう大丈夫」「あれで終わりなのね」と納得しているような言葉が続く。

しかし「二週間後に蝶々夫人の切符があるの」「行くだけよ」と誘ってくる。結局いくことになる。注、しかし蝶々夫人を見に行く場面はない。

この後、ダンが同僚と家族ぐるみで楽しんでいる場面とアレックスがアパートで一人でライトをつけたり消したりする場面が交互に映し出される。ここがわりと不気味。

会社にアレックスから電話。「困るじゃないか」と抗議する。秘書に「電話を取り次ぐな」と指示。

夜中に電話がかかってくる。ベスにばれないように、他の人のふりをして応答する。「リチャード、こんな時間に何だ?」「会社で居留守を使うからよ」。夕方会社の前で会うことになった。

会社の前で会うと当然のごとく押し問答。「自分だけ楽しんで勝手だわ」「君はどうかしている」「私は愛しているのよ」「週末だけの情事だ」「二度も来たくせに」。

そして爆弾発言。「妊娠したの」。産婦人科医の番号を見せる。「分かった、中絶費用は僕が」「中絶すると思うの?」。

この後同僚の弁護士に相談する。自宅の電話番号も変えた。

◆ 引っ越し

自宅に帰るとアレックスが来ている。アパートを売りに出しているので、その見学という名目。ベスは全然気が付いていない。にこにこしている。そしてベスは変更したばかりの電話番号を教えた。

アレックスのアパートに行く。また例によって押し問答。「いいかげんにしろ」「別れたくないの」。しかしどうやらアレックスの方が優勢である。「あの週末すてきだったわ」「あなたの子供を産む母親よ」。

ギャラガー一家は新しい家に引っ越した。ベスによればダンが急がせたらしい。

ダンはエレンが欲しがっていたウサギを買ってベスに連絡。車で自宅に向かった。しかしその後をアレックスがつけている。ウサギを見てエレンは喜んだ。

一家でベスの実家に行って戻ってきた。しかしここで大大大事件。鍋が煮立っていた。その中にウサギ!絶叫がこだました。

◆ ラスト

覚悟を決めてダンはベスにアレックスとの状況を話した。アレックスに電話をかけてベスに話したことを伝えた。ベスは電話を受け継いで「今度うちに近づいたら殺すわよ」。その後ダンは家を出ていく。

ベスはエレンを学校に迎えに行った。しかしすでに帰ったとのこと。アレックスはエレンを連れだして遊園地に行った。いろいろ遊んだ。エレンはけっこう楽しそう。ベスは車を飛ばして戻った。しかし事故を起こして病院に担ぎ込まれた。

アレックスはエレンを連れて戻ってきて、家の近くでエレンを下ろした。病院にベスの両親が訪ねてきた。ダンに対して厳しい眼付である。

ダンはアレックスのアパートに行った。アレックスは包丁を振り回して抵抗した。

ダンは家に戻りベスは退院した。そして警察からアレックスが行方不明との連絡。そしてアレックスが家に侵入し、最後の壮絶な格闘が展開される。
 


■ 蛇足

アレックスは妊娠したのか?⇒妊娠した。ダンが産婦人科に電話をして「おめでとうございます」と言われ、またアレックスが悪阻で口に手を持ってくる場面がある。しかし「妊娠は嘘である」とした方がストーリーとしてはよいかも。

たった一度だがアレックスがボールを投げる場面がある。この投げ方が非常にさまになっている。グレン・クローズが球技をやっていたという情報はないようだが、やっていたのかもしれない。

マイケル・ダグラス。まずキャスリーン・ターナーとの共演作が三作。「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷/Romancing the Stone(1984)」「ナイルの宝石/The Jewel of the Nile(1985)」「ローズ家の戦争/The War of the Roses(1989)」。「嵐の中で輝いて/Shining Through(1992)」「サウンド・オブ・サイレンス/Don't Say a Word(2001)」「ザ・センチネル/陰謀の星条旗/The Sentinel(2006)」。

グレン・クローズ。「ナチュラル/The Natural(1984)」「白と黒のナイフ/Jagged Edge(1985)」「ジキル&ハイド/Mary Reilly(1996)」。

アン・アーチャー。「カナディアン・エクスプレス/Narrow Margin(1990)」これは「その女を殺せ/Narrow Margin(1952)」のリメイク。