■ Bewitched(2005)
「奥様は魔女」の映画をリメイクすることになった。
サマンサ役には鼻をビクビクするのが上手なイサベルが選ばれた。
しかしイサベルは普通の女性になりたい本物の魔女。
製作:2005年、脚本:ノーラ・エフロンなど、監督:ノーラ・エフロン、日本語DVDあり 予告編 予告編 予告編
■ はじめに
登場人物(キャスト)
イサベル・ビグロー ⇒ サマンサ(ニコール・キッドマン)
ジャック・ワイアット ⇒ ダーリン(ウィル・フェレル)
アイリス ⇒ エンドラ(サマンサの母親)(シャーリー・マクレーン)
ナイジェル・ビグロー(マイケル・ケイン) - イサベルの父親
ニーナ(ヘザー・バーンズ) - 撮影所のスタッフ
マリア・ケリー(クリスティン・チェノウェス) - イサベルの隣人
クララ伯母さん(キャロル・シェリー)
アーサー伯父さん(スティーヴ・カレル)
この映画はちょっとややこしいが「エリザベス・モンゴメリー主演の映画『奥さまは魔女』のリメイク映画」を製作する映画。なのでサマンサが登場するのは「映画中映画」となる。
この手の映画としては、お決まりの次のようなことがおきる。
・「もう魔法は使わない」と言いながら、つい使ってしまう。
・「魔女だ」と告白して誤解される。
イサベルのほかに「本物の魔女」が登場する。一人はエンドラ役のアイリス。もう一人はクララおばさん。アイリスによれば、まだ他にもいるようである。魔女ではなく魔法使いの父親ナイジェルも登場する。
映画中映画と映画の混同。すなわちイサベルとサマンサ、ジャックとダーリンの混同がわざと行われる。これはわりと面白い。
イサベルは黒猫を連れている。ルシンダ。イサベルの母親は話にはでてくるが実際には登場しない。
■ あらすじ
この手の映画は結論は決まっているので、面白いところをピックアップする。
◆ カフェ事件
図書館でイサベルが鼻をピクピク動かしているのをジャックが目撃する。その後カフェにいるイサベルを偶然を装って話しかける。
ジャックが話しかけた目的はサマンサ役の女優が欲しいから。しかしイサベルは誤解する。
「(映画に出演したら)指をパチンとならせば望みが叶う」と誘うが「そんな生活は嫌なの」と答える。自分は魔法で、そのようなことができるので。
しかしイサベルはジャックが気に入ったようである。気に入った理由は「あなたって優しく、だらしがない悩める方」。
イサベルが鼻をピクピクすると「君が必要だっ!」と言う。この言葉をイサベルは「自分に気がある」と誤解する。
◆ オーディション
ここでも続いてイサベルは映画に出ることとジャックを付き合うことを混同する。
セリフを読み合わせする。「ダーリン、最初に告白しておくわ。私は魔女なの」「君が魔女でも構わない」。イサベルは「本当に構わないの?」と聞く。
「いつまで続けるの?」「番組に出れば永遠に一緒」。そしてジャックが「番組に出よう」ということをいわば文学的に表現して「結婚しよう」と言うと「複雑...」と本当に悩む。
◆ 撮影開始
さてイサベルが参加して撮影が開始された。スタジオの中でジャックがスタッフと話しているのを聞いた。「(イサベルは)素人だから役が小さいなんて、全然気が付いてない」。
イサベルは「君が必要だなんて大ウソだったのね」と憤慨。「我慢するか?、別れるか?、復讐するか?」。そして「サマンサならどうする?」と考える。結果は復讐。
ジャックがセリフを言おうとするときに、耳たぶを触ってジャックのセリフをめちゃくちゃにする。
◆ 時間をリワインド
家でテレヴィを見ていると、ジャックがインタヴューを受けている。そして自分の自慢話ばかりしている。イサベルのことは無視ないし貶している。
ニーナとマリアも来て一緒に憤慨する。三人でどうするか話していたところにクララおばさんが登場。クララおばさんも謀議に加わったが「魔法をかける」ことになった。
クララおばさんは何やら薬のようなものを作った。それが空中を飛んで寝ているジャックの鼻の穴に入る。
次の日スタッフがいるところにジャックが自転車で来た。とんでもなく陽気である。ジャックの視聴者アンケート結果が悪くても全然気にしない。イサベルの結果がよいので大喜び。
なんでもイサベルを誉めちぎる。魔法の効きすぎ。イサベルは却って困ってしまう。
クララおばさんは日本に行って帰ってこない。そこでイサベルは魔法をかける前に時間をリワインドした。
◆ 奇跡が起こった
リワインドした結果は、ジャックは元に戻った。元の利己的なジャックである。
イサベルはジャックに対して本当に怒る。「あなたなんか最低!」。そして「もう辞める」と言って出てくる。
さすがにジャックは気が付いたようである。追いかけてきた。ここで二人は大口論。ジャックは反省した。
この後、二人はウキウキ、アツアツの雰囲気となった。「信じられない奇跡が起こった」。
ニーナが「あなたたち、何があったの?」「デートしてキスしただけよ」「それは何かあったってことなの」「私は何もしてない」。これはイサベルが「魔法を使ってない」という意味で言ったもの。ここも一種の誤解。
◆ パーティ
バーティが開かれた。ジャックはみんなに感謝の言葉を述べた。特にイサベルに対して感謝をした。
ここでイサベルは自分が魔女であることを明かした。しかしジャックは、それを信用しない。いろいろ証拠を見せても信用しない。
イサベルは怒って外に出た。ジャックも追いかけてきた。ここでも口論になる。イサベルはホウキを取り出した。ジャックはふざけてホウキを持った。イサベルはジャックをホウキごと空中に持ち上げて右に左にと動かした後、地上に下した。
ジャックはびっくりして逃げ出した。イサベルはホウキに乗って飛び去った。
◆ ラスト
アーサーおじさんに「魔女は飛び去ったら100年戻ってこない」と脅されたジャックは、イサベルを追いかけた。
イサベルは撮影所の中にいた。けっきょく自分がどこに帰ればよいのか分からなかったらしい。
イサベルはジャックとの関係を修復しようとする。しかし最後に悩む「私は魔女、人間にはなれない」。
しばしの沈黙の後に「いや人間になった魔女が一人だけいる。それはサマンサ!」。ということでハッピーエンド。
■ 蛇足
イサベルが魔法を使うときは耳たぶを掴んだりするが、アイリスから「やりすぎないで」と忠告される。
父親のナイジェルとイサベルのやり取りが面白い。ナイジェルは、アイリスに魔法をかけられて、「アイリス命」状態になってしまう。
ニコール・キッドマン。「誘う女/To Die For(1995)」「ウソツキは結婚のはじまり/Just Go with It(2011)」
シャーリー・マクレーン。「ハリーの災難/The Trouble With Harry(1955)」「アパートの鍵貸します/The Apartment(1960)」「噂の二人/The Children's Hour(1961)」「黄色いロールス・ロイス/The Yellow Rolls-Royce(1964)」「素敵な遺産相続/Wild Oats(2016)」。
マイケル・ケイン。「鷲は舞いおりた/The Eagle Has Landed(1976)」
キャロル・シェリー。「おかしな二人/The Odd Couple(1968)」。


















