製作:2004年、脚本:ジム・カウフ他、監督:ティム・ストーリー   予告編   予告編  


■ 登場人物

◆ ベル・ウィリアムズ(クイーン・ラティファ)

メッセンジャーをしていたが、タクシー営業の許可をもらって転職した。メッセージゃー時代は、ビルの中や地下鉄のホームを猛スピードで突っ走り、顧客に荷物を届けた。瞬間的には空中を飛んだりもする。

それはタクシー運転手になっても変わらない。メッセンジャー仲間から貰ったスーパーチャージャーを搭載し、運転席からボタンを操作するとスーパーカーに変身する凄いタクシーを運転する。

スピード制限も信号も無視する。白バイも振り切ってしまう。変身している時は、ナンバーも変わっているので、元に戻せば分からない。このようにして走っている時は、ウキウキとして素晴らしい笑顔をしている。

もともと、何十回も違反で摘発されているらしい。

◆ ジェシー(ヘンリー・シモンズ)

ベルの恋人。指輪を用意してベルにプロポーズしようとしているが、ベルが何かとトラブってデートをすっぽかすのでチャンスを失っている。何度も重なるので機嫌が悪い。

ベルは意図的にすっぽかしているわけでなく、つい夢中になってしまうのが原因である。

きざったらしい言葉を吐くが、ベルにはもったいないくらいの恋人である。


◆ アンディ・ウォッシュバーン(ジミー・ファロン)

ニューヨーク市警のダメ刑事。ダメな原因は主に運転が下手であること。縦列駐車からなかなか抜け出すことができないというレベルである。

警察学校で同期だったマータは、すでにウォッシュバーンの上司になっているが、マータはウォッシュバーンに手を焼いている。ウォッシュバーンはマータが自分に気があると思っているようだが、まったくの勘違い。

それと強度のマザコン。二人でしっかりと抱き合ったりする。しかし夜は一緒にベッドに寝ているわけではない。

今般はおとり捜査を行い、車で追跡しようとしたが、DとRを間違えて店に突っ込んでしまった。新聞にも載ってしまった。マータから車を取り上げられてパトロールを命じられる。


◆ マータ・ロビンス(ジェニファー・エスポジート)

ニューヨーク市警の警部補。ウォッシュバーンの上司。

なかなか美人であるだけでなく、仕事もけっこうできるようである。しかし少々気が強いか?「ウォッシュバーン!」と呼ぶときの声がキツイ。ウォッシュバーンが「警部補って呼ぶのがどうもね..」と言うと「首になれば必要ないわ」と言う。

◆ ヴァネッサ(ジゼル・ブンチェン)

銀行強盗団のリーダー。無意味にセクシーな仕草をする。しかしベルと同じように運転はやたらとうまい。
 


■ あらすじ

◆ 銀行襲撃事件-1

ウォッシュバーンが歩いていると、警察無線から「銀行強盗発生」の知らせ。近くのマンハッタン銀行である。

車がないウォッシュバーンは、近くのタクシーで行くことにした。都合よく見つかったのはベルのタクシー。

到着すると、ちょうど犯人が出てくるところ。四人組、覆面姿である。赤のBMWで逃走。タクシー代は未払いだが、ウォッシュバーンから「あの車を追え、速度制限も、信号も無視だ」と言われるとベルはウキウキして追いかけた。メーターは倒した。スイッチを入れて車を変身させた。

一味は車の中で覆面を脱いだ。なんと女である。スゴイ運転である。ベルでもなかなか追いつけないくらい。

しかしある角を曲がったところで、ベルは車を止めた。「行き止まりよ、逃げ場はない」。ベルの言うとおりである。BMWは反転して猛スピードで突っ込んできた。ウォッシュバーンは拳銃を発射してタイヤを撃ったが、そのまま走り去った。二人は追いかけるが、交差点でトラックに道を塞がれて見失った。

おかげでベルはまたジェシーとのデートをふいにした。ベルはFBI捜査官に「犯人の顔を見たか?」と聞かれるが否定する。注、もちろん見ている。

ウォッシュバーンは「俺たちで犯人を捕まえよう」と言ってくる。捜査陣から外されているので、個人的にである。ベルはなかなかの博識である。彼女たちが話していたのはブラジルポルトガル語、車はBMW760、エンジン音からいくとダブル・ウィッシュボーン、タイヤを撃ったが走り去った、なのでランフラットタイヤ、しばらく走れるが80キロまで、タイヤを交換に来るはず、このあたりでランフラットタイヤを扱っているのは、あの店。ここまで予測する。二人でその店を見張る。

現れたので、ウォッシュバーンは拳銃を取り出すが簡単にやられてしまう。結果二人とも縛られて天井からつるされる。詳細は省略となるが、なんとか無事に逃げ出す。

ウォッシュバーンをジェシーのところに連れて行って、デートをすっぽかした事情を説明させようとするが、ジェシーはカンカンである。ジェシーと同居していたので泊るところがない。ウォッシュバーンの母親を訪ねた。


◆ 銀行襲撃事件-2

一味の会話から推察すると、一味は後二回銀行を襲おうとしているらしい。マータに報告しに行ったが、その時にファーストファイナンシャル銀行が襲われたとの連絡が入った。二人は押収されているベルの車を引っ張り出して追いかけることにした。

さて一味は銀行から出てきて、赤のBMWに乗って逃走。ここでまたベルは素晴らしい推理力を発揮する。一味はなぜ大渋滞のイーストサイドに行ったか?、本当は西へ行く気、しかし大学の新学期で交通規制されている、校内を突っ切る気、そして五番街に出るはず、そして道幅の広い通りに出る、するとここに現れる。

さて予測通りに一味が出現、二人は追いかける。しかし一味もなかなかである。ウィッシュボーンは悲鳴を上げているが、ベルは嬉しそうな叫び声。しかしけっきょくベルの車が壊れて停止。

ベルの追跡を振り切ったところで、一味は服を着替えて、車に貼ってあったシートをはがして青のBMWに変身。もちろんナンバーも変える。

警察が赤ではなく青のBMWを発見した。乗っていたのは男ではなく女。念のためトランクを調べるが現金は発見されない。二人は署で尋問されたときに、犯人一味が女であることを白状したのでマータは「なんで早く言わなかったの!?」とカンカン。注、しかし銀行に突入して「手を上げろ、金を出せ」と叫んでいる。

ウォッシュバーンは解雇となった。くやしいのので二人で捜査を継続。ベルの車も動くようになった。さてここで、ベルのアドバイスでウォッシュバーンはなんとか運転できるようになった。緊張のし過ぎだったらしい。


◆ 銀行襲撃事件-3

ウォッシュバーンの母親のところに行った。なんとジェシーがいた。ベルが電話を忘れていって、ジェシーがベルに電話をして、母親が事情を説明した。。ジェシーも一緒に三人で考えた。

あのマンハッタンで駐車スペースがなぜあったのか?⇒ゴミの日だったのでスペースが空いていた⇒ゴミ箱に現金を入れたのでBMWを捕まえても現金がなかった⇒協力したゴミ収集人がいるはず。ちょっと飛躍している気もするが、素晴らしい推理力である。

二人でゴミ収集のオフィスに行くと、老いぼれた管理人がいるだけ、パソコンを借りて調査すると、いままでの事件と合う担当者を発見、アパートを訪ねるが、もぬけの殻である。

もぬけの殻である理由は、警察や二人には秘密だが、我々には分かっている。ゴミの収集人は、妻と共に他の場所に監禁されている。妻を殺すと脅されて、犯行に協力している。

さて一味は、また犯行を計画している。二人はゴミ収集のスケジュールから次の犯行現場を予測する。マータにも連絡。

予測は当たった。一味はやはり奪った金をゴミ箱に入れた。パトカーが遅ればせながら到着した。だがパトカーを見て一味は人質を取った。

そしてマータが代わりの人質となった。一味はマータを乗せて逃げる。警察はヘリで追跡するが、ビルの中を走ったりして逃げるので見失う。

さてここで、ベルの人脈が役に立つ。かつてのメッセンジャー仲間に応援を依頼する。仲間が一味の青のBMWを監視し追跡する。彼らはプロである。彼らから逃げるのは一味と言えども不可能。

一方二人は、到着したゴミ収集車の運転手とアジトに行く。一味の仲間の男をやっつけて、人質となっている妻を解放した。金も取り返すことができた。

一味はBMWを捨てて、別の二台の車に乗り換える。しかし無駄。ベルの仲間が見張っている。

さらに二人は一味を追跡するが、仲間が自分の電話を一味に渡した。二人は金とマータの交換を要求する。場所を合意した。

しかし一味は用心して、場所を変える。なんと走りながら交換するという。

二台の車の間をベルの車が走る。パトカーはついてこれない。ウォッシュバーンは地図を見て考えている。

高速道路に入って交換することになる。ウォッシュバーンは時間を稼げという。作戦があるらしい。タイミングを見計らってワン、ツー、スリーで交換が成功。さて次はどうなったか?

 


■ 補足

本作は非常に面白いが、ヴァネッサ一味を、謀議しているところとか、もう少し描いてほしかったところである。あっさりしすぎている。せっかく揃えた美人がもったいない。

ウォッシュバーンは運転下手は克服できたが、マザコンは克服できるだろうか?

ウォッシュバーンがベルを連れて母親を訪ねた時に、母親は「ジャングルフィーヴァーね!」と言う。「ジャングルフィーヴァー」は黒人男性と白人女性の恋愛を描いた映画。というかクイーン・ラティファも出演。
 


■ 結末

公開するのは惜しいが結末。

マータと現金を交換した高速道路は建設中で、交換場所のすぐ向こうは切断されている。交換後ベルは急ブレーキ。

しかしヴァネッサの車は切断場所を飛び越して、10メートルくらい先のまだ建設中の部分にジャンプする。

ジャンプした先の向こうも切断されているので、ヴァネッサの車は、その部分から移動できない。建設中の高い道路に取り残された。

ヴァネッサは怒り狂って、拳銃を発射する。
 


■ 蛇足

クイーン・ラティファ。「ジャングル・フィーバー/Jangle Fever(1991)」。

ジェニファー・エスポジート。「サウンド・オブ・サイレンス/Don't Say a Word(2001)」「トリプル・クロッシング/Beyond the City Limits(2001)」「ゴッド・ランド/God Land(2008)」。