■ What's Up,Doc?


製作:1972年、脚本:バック・ヘンリー他、監督:ピーター・ボグダノヴィッチ   予告編   予告編  


◆ あらすじ

本作は、「古代の石の音楽」を研究しているハワード・バニスター(ライアン・オニール)が訳のわからない奇妙な(しかし魅力的な)女性ジュディ・マクスウェル(バーブラ・ストライサンド)にごちゃごちゃにかき回される物語である。

全編にわたって要約不可能なドタバタが展開される。しかし世のため人のために、気を取り直して要約することにする。

ハワードは婚約者のユーニス・バーンズ(マデリーン・カーン)とホテルに泊まる。石が入ったバッグをもっている。ハワードは気弱で、結婚前からすでにユーニスに敷かれている。ジュディも同じバッグを持って同じホテルに泊まる。

このホテルには政府の機密書類を持ったスミス(マイケル・マーフィー)や宝石をもった金持ちの女性ヴァン・ホスキンズ(メイベル・アルバートソン) も泊まる。この二人も同じバッグを持っている。みんな同じ階である。また機密書類や宝石を狙っている男たちもウロウロしている。

ハワードの目的は大金持ちのフレデリック・ララビー(オースティン・ペンドルトン)のパーティに出席して、彼から奨励金を獲得し研究費にすることである。ライバルはヒュー・サイモン(ケネス・マース )。

ジュディはハワードよりも先に勝手に会場に入り込みハワードの婚約者として行動する。ペラペラ勝手な作り話をする。いい加減な話であるが、みんなは感心してハワードを称賛する。フレデリックは「君が奨学金を獲得すれば、彼女の功績」と言う。しかしハワードは怒る。

ユーニスは、遅ればせながら会場に登場するが、「ユーニスはすでに来ている」と追い払われそうになる。そしてハワードはユーニスに対してなんと「見たこともないね」と暴言を投げつける。

一方ホテルの部屋では書類や宝石を狙う男たちが暗躍してバッグをいろいろな部屋を移動する。注、バッグを盗もうとするが、他の人が来たりして、他の部屋に慌てて隠れるなどする。

パーティ会場での騒動が一段落してハワードが部屋にもどると、なんとジュディが先回りしてバスに浸かっている。バスタオルを巻いて出てくるが、ユーニスや他の男たちが乱入してくる。ジュディはベランダに追い出されて落ちそうになる。テレビから発火し大混乱。火災が発生し消防隊も来る。ヤジウマも集まる。

ハワードはホテルから退去を申し渡されてエレベータに乗ってL(ラウンジ)ボタンを押すが、エレベータは一番上の階に登っていく。ここにはピアノが置いてあって白い布がかけてあった。そしてまた疫病神いやジュディがいた。二人はなぜかここで一緒に歌う。ハワードはピアノを弾く。歌ってる場合じゃないだろ。ジュディは「ドアに挟まっていた」と言ってララビー奨励金の合格通知を渡す。

ハワードは合格を祝う会場に向かうが、ユーニスはジュディに騙されて別の場所に向かう。ジュディはもちろん会場にいる。

ユーニスが到着したのは町はずれのさみしい場所だが宝石を狙っている男たちがいた。彼らもユーニスを連れて会場に来る。秘密書類を狙う男たちも会場に来る。そして銃撃戦と殴り合いがコミカルに展開される。

ドサクサにまぎれてハワードとジュディは、バッグを四つ抱えて会場から逃亡。前が二輪の三輪自転車の前にハワードが乗ってジュディが自転車をこぐ。他のメンバーは三台の車に乗って二人を追いかける。

二人はやたらと坂道が多い街を逃げ回る。祭りの行列のドラゴンの中に突っ込む。新婚が乗ろうとしていた車を乗っ取って、さらに逃亡する。注、このあたりが邦題の由来。

最後は港で出港しかけているフェリーに走り込もうとするが間に合わず海に突入。追いかけていた三台の車も海に突入する。

この後裁判があって、最後は空港の場面。ハワードの奨励金は取り消されて、ヒューが貰うことになった。さてここで博学のジュディがヒューの研究内容が、剽窃であることを見抜く。再度奨励金はハワードのものになる。ジュディとハワードは一緒に飛行機に乗って飛び立つ。

さてこれではユーニスがかわいそうである。実はユーニスはフレデリックと一緒になることができた。

◆ 蛇足

部屋割りは次のとおり。
 ・1713:スミス 、秘密書類の男性
 ・1714:ユーニス
 ・1715:ヴァン・ホスキンズ、金持ちの女性
 ・1716:ハワード
 ・1717:ジュディ

 ・1714⇔1715、1716⇔1717、これが向かい合わせ。
 ・ジュディは到着して1717に入らずにすぐに1716に入る。
 ・ジュディは本来別のホテルの1717のはず。

ジュディは実は博学。いろいろな大学に行っている。しかしすべて退学。

ライアン・オニールとマデリーン・カーンは「ペーパー・ムーン」でも共演している。孤児になったアディと言う少女が中年男と詐欺をしながら旅をする物語。

あとライアン・オニールの出演作としては「ニューヨーク最後の日々/People I know(2002)」。