■ Dead Line(2009)
脚本家のアリスは田舎の屋敷を借りて、仕事に集中することにした。
大きな屋敷は薄暗くて不気味であった。
新婚夫婦のものと思われるヴィデオが見つかり、次々と見て行った。
しかし内容は次第に、不気味なものになっていった。


製作:2009年、脚本:ショーン・マコーンビル、監督:ショーン・マコーンビル   予告編   予告編


◆ はじめに

本作は登場人物が非常に少なく、また舞台も大きな古い一軒家のみである。

アリス(ブリタニー・マーフィー)-脚本家
レベッカ(タミー・ブランチャード)-アリスの恋人
デヴィッド(マーク・ブルーカス)
ルーシー(ソーラ・バーチ)

ちなみにタミー・ブランチャードはブリタニー・マーフィー主演の「ラーメンガール」ではグレッチェンである。ブリタニー・マーフィーは、明るい感じの映画が多いと思うが、本作では陰鬱な雰囲気である。ホラーとのことで、寂しく薄暗い中で、ドアを開ける音などを不気味に強調している。彼女が死亡した2009年には三作に出演しており、その一つ。

◆ あらすじ

アリスは、田舎に一軒家を借りて仕事に専念することにした。レベッカに送ってもらった。レベッカは帰るので車がなく独りぼっちである。二人はやたらと大きな屋敷であることに驚く。

アリスは精神的に不安定なようであり、また薬を飲んでいる。しかしなんの薬であるかは明示されない。

アリスは仕事のかたわら屋敷の中の部屋を見て回る。一つの部屋の中にバッグがあり、そのバッグの中にヴィデオテープがいくつかあった。

ヴィデオテープを見る。若い男女が写っている。デヴィッドとルーシー。新婚夫婦のようである。仲が良い。

デヴィッドはいつもヴィデオカメラを持っていてルーシーを撮影している。デヴィッドはルーシーをとても愛しているようである。ルーシーは、いつも撮影されているのが恥ずかしがっている。

レベッカから電話があった。「ベンがアパートに現れた、出所したみたい、落ち着いて、そこなら大丈夫よ」「落ち着くなんて無理」「あなたに近づいたら、また刑務所行だし」「あいつは法律なんか気にしないわ」。ホラーの常道に従って、ベンの正体は明らかにされない。

デヴィッドとルーシーのヴィデオはいっぱいあり次々と見ていった。

デヴィッドは相変わらずルーシーを撮影しており、撮影の仕方はだんだん度を越していく。ルーシーは、その行為を嫌がるようになってくる。

デヴィッドはルーシーが外出すると言うとルーシーの浮気を疑う。ルーシーが証拠を示しても信用しない。ルーシーをしつこく追及する。

アリスはその状況に引き込まれるが、最後に撮影されたヴィデオが見つからない。「ルーシー、何があったの、会いたいわ」。またアリスは、残されていたルーシーの服を着たりする。

アリスにルーシーの「助けて!」という声が聞こえたり、アリスの後ろにデヴィッドが立っていたりする。

アリスはレベッカに電話をかけて、デヴィッドとルーシーのことを調べてもらう。どうやらこの家で殺人事件があったようである。

しかし最後のヴィデオが見つかり、アリスはそれをプレイヤーにかける。アリスはその内容に引き込まれる。

◆ 蛇足

本作はブリタニー・マーフィーのファンであっても評価は高くないようである。私の評価は特段に高いわけではないが、十分に立派な作品である。

小説でも映画でも、作者の意図にかかわらず、どのように解釈するかは自由である。

アリスは脚本家であり、本作の原題はDead Line=締め切り。私の解釈はデヴィッドとルーシーの物語は、アリスが作成した物語である。最後のテープが見つからないというのは、アリスが最後の部分を書くのに苦労したということである。本作作者の意図は不明ではあるが。

アリスもヴィデオカメラを持っており、レベッカをわりと執拗に撮影する。

ブリタニー・マーフィー。「サウンド・オブ・サイレンス/Don't Say a Word(2001)」マイケル・ダグラスと共演。「ジャスト・マリッジ/Just Married(2003)」「カレの嘘と彼女のヒミツ/Little Black Book(2004)」四つ股男との死闘。「ラーメンガール/The Ramen Girl(2008)」外人女性がラーメン修行。