■ Foul Play(1978)/教皇暗殺の陰謀
グロリアはスコットと映画館デートする。しかしスコットが殺され、しかも死体がなくなる。
その後、グロリアは何度も襲われて、サンフランシスコ大司教の家に囚われる。
刑事のトニーに助け出されて、オペラ座へ急ぐ。教皇の命が狙われている。


製作:1978年、脚本:コリン・ヒギンズ、監督:コリン・ヒギンズ   予告編   予告編   フル動画


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 グロリア(ゴールディ・ホーン) - 図書館勤務
 ステラ(マリリン・ソコル) - グロリアの同僚
 ヘネシー(バージェス・メレディス) - グロリアのアパートの管理人
 トニー・カールソン(チェビー・チェイス) - 刑事
 ファーギー(ブライアン・デネヒー) - トニーの部下
 スコット(ブルース・ソロモン)
 スタンリー(ダドリー・ムーア)
 ホワイティ・ジャクソン(ウィリアム・フランクファーザー)
 スティルツキン(マーク・ローレンス)
 大司教(ユージーン・ローチ)
 ゲルダ・カズウェル(レイチェル・ロバーツ)

場所はサンフランシスコ。離婚したばかりの図書館司書グロリア(ゴールディ・ホーン)にいくつもの怪事件が降りかかり、怪しい男たちに追い回される。

グロリア個人に降りかかる事件が、大きな陰謀の表出となっている点で作り方が上手だと感じる。
 


■ あらすじ

◆ スコットを乗せる

グロリアは野外パーティである男性を見かける。その男性が話しかけてくる。グロリアも「ちょっといいな」と思うが、そこでは何もなく別れて車で帰路に着く。

途中の海辺の道で、車が故障して止まっているのに遭遇。男性を乗せる。スコット(ブルース・ソロモン)。スコットに対しても「ちょっといいな」と思い、メガネを外して運転する。

スコットと午後八時に映画に行く約束をするが、フィルムが入ったタバコの箱を預かる。しかし後ろから車がつけているようである。街に到着してスコットは降りる。

◆ スコットが殺される

映画館の前で待っていたが、現れないので先に中に入る。しばらくするとスコットが隣に座る。

しかし「小人に注意しろ」と言った後、スコットは倒れる。血だらけ。慌てて管理室に知らせて戻ってみると、なんと死体がない。警察も知らん顔である。

同じアパートのヘネシー(バージェス・メレディス)に事情を話しても「冗談だ」と相手にされない。

昼休みに図書館の同僚のステラ(マリリン・ソコル)に話すと「簡単に男を信用しちゃダメ、危険がいっぱいなのよ」とこんこんと説教される。

ステラは持っているスクリーマー、スプレー、パンチパワーを見せる。昼休みから戻ると「誰かが訪ねてきた」とのこと。注、後述のマッキューン。

◆ ホワイティ・ジャクソン

その日はグロリアが当番で、閉館後に点検してライトを消していたが、突然白い肌の男ホワイティ・ジャクソン(ウィリアム・フランクファーザー)が現れ襲われた。不気味な雰囲気である。

慌てて逃げ出しパブに逃げ込む、さらにジャクソンが追ってくるので、そこにいた知らない男性スタンリー(ダドリー・ムーア)に「送って」と頼み、彼が泊っている部屋に入る。

スタンリーは、グロリアのことを「自分に気がある」と誤解したようで、またちょっとばかり変態だが、グロリアに危害を加えるわけではない。

ジャクソンが、外をうろうろしていたが、無事に自分のアパートに到着した。

◆ アパートでも襲われる

いやいや無事ではなかった。まずドアのカギが開いている。用心しながら中に入ると、また別の怪しい男がいる。いかにも悪人であるかのごとく顔に傷がある。Scarface(Don Calfa)と表示されており、名前は明らかにされない。「預かったものを渡せ」。

首を絞められる。が、そばにあった編み物針を取って男を突き刺す。男は倒れる。

警察に通報していると、男は起き上がって再びグロリアに迫ってくる。

しかしそこでナイフが飛んできて男は倒れる。ジャクソンが前に立って見ている。グロリアは気を失った。

◆ トニー・カールソン

気がつくと野外パーティで見かけた男性が見ている。刑事とのこと。トニー・カールソン(チェビー・チェイス)。部下のファーギー(ブライアン・デネヒー)、ヘネシーもいる。

だがしかし男の死体が消えている。また誰からも信用されない。だがしかしトニーとデートするという成果があった。

◆ 誘拐された

ステラは「みんな、狙いはあなたの体なのよ」と言い、先日の三点セットを渡された。「これなしじゃ、壊されるのを待っている電球よ」。

外に出たところ、黒い車のそばにいたジャクソンに口をふさがれて誘拐された。

気がつくと部屋の中で倒れている。ドアはカギがかかっている。鍵穴から覗くと監視役の男。

スクリーマーを鳴らし、入ってきたところをスプレーをかけて、パンチパワーで殴り倒した。窓から逃げ出し、若干の展開の後、トニーのところに行った。

今度はトニーはグロリアの話を信用する。グロリアは、車のナンバーと誘拐された場所をトニーに報告した。

◆ 大司教

トニーが誘拐事件の場所を調べるとグロリアの靴が見つかり、また部下が「部屋を借りていたのはスティルツキン(マーク・ローレンス)」と報告。聞いたことがある名前である。

署で調べるとニックネームは「小人」。そして木曜日の夜に犯罪計画があるらしい。

トニーはジャクソンとスティルツキンの写真を見せて説明する。傷の男は仲間を裏切ってスコッティに情報を渡した。そこで一味はスコッティと傷の男を襲った。

「これからは僕が君を守る」と聞くとグロリアは嬉しそうである。

グロリアを誘拐した時に使用された車も分かった。なんとサンフランシスコの大司教(ユージーン・ローチ)の車である。

三人で大司教のところに行くと女性がでてきて応対する。ゲルダ・カズウェル(レイチェル・ロバーツ)。大司教によると「車が盗まれた」とのこと。

三人が帰るとジャクソンやスティルツキンが現れる。そして実はカズウェルがグループのボスである。大司教はペコペコしている。

◆ 罠にかかった!

この後、トニーとグロリアは、トニーの家に言って泊まる。グロリアはまたもや嬉しそう。

グロリアにファーギーから「トニーが待ってる」と呼び出しの電話がかかったので出かける。しかし我々にはファーギーが拉致されていて偽装電話であることが分かっている。

グロリアが訪れたところ、襲われたので傘で殴って逃げ出す。ある部屋に逃げ込むが、いたのは例のスタンリー。

「警察に連絡して」と言うとスタンリーが外に出る。ジャクソンがドアを開けてきたので逃げ出す。しかし結局捕まってしまう。

トニーは署でカズウェルの写真と経歴を手に入れた。逮捕歴もある。

そこでステラから、グロリアが依頼していた「教会連盟」の資料を受け取るが「グロリアがあなたに会いに行った」と言われる。罠にかかった。

◆ ヘネシーが大活躍

ヘネシーと一緒に大司教の家に急ぐ。ヘネシーははたから見ていると老いぼれだが、本人によれば空手の黒帯だそうである。

トニーが大司教の家の地下に侵入し囚われているファーギーを発見。ファーギーによると今夜オペラ座でローマ法王の暗殺計画がある、

大司教は実は偽物で、大司教の双子の弟である。注、本作の冒頭で本物の大司教は殺される。

ここでスティルツキンが現れて銃撃戦となる。スティルツキンを倒したところで、カズウェルがグロリアに拳銃を突きつけて現れる。

トニーは拳銃を捨てて、二人は縛られる。すでにジャクソンはオペラ座に出かけている。

しかしここでヘネシーが突入。花瓶を投げて大司教(の偽者)を倒し、カズウェルとの決闘となる。

カズウェルも空手ができてけっこう強そう。なんとかヘネシーが勝つ。ヘネシーは二人のロープを外す。

◆ オペラ座へ急ぐ

トニーとグロリアは車で会場に急ぐ。時間が迫っている。この部分が店に飛び込んだり、衝突したり、乗り換えたりとわりと(無駄に)長い。

なぜグロリアが同行するかと言えば、本作の主人公がグロリアだから。それと最後にジャクソンの人質となる役割がある。

オペラ座に到着し警官隊と一緒に突入する。
 


■ 蛇足

オペラ座の指揮者はスタンリーだったりする。

図書館やグロリアの家に、マッキューン(ビリー・パーティ)という聖書の訪問販売員が訪ねてくる。彼は身長が低いので、グロリアはスコットの言う「小人」だと誤解し、ひっぱたいてグロリアの部屋から突き落とす。病院に入院する。

ヘネシーは「エズミー」と言う名前のニシキヘビを飼っており、グロリアにも慣れている。

ゴールディ・ホーン。まず「サボテンの花/Cactus Flowerゅ(1969)」これはイングリッド・バーグマンとの共演。後ほど「ウソツキは結婚のはじまり(2011)」としてリメイクされた。次に「潮風のいたずら/Overboard(1987)」さらに「バード・オン・ワイヤー/Bird on a Wire(1990)」こちらはメル・ギブソンとの共演。「永遠に美しく…/Death Becomes Her(1992)」「ファースト・ワイフ・クラブ/The First Wives Club(1996)」などなど。

チェビー・チェイス。「フレッチ/殺人方程式/Fletch(1985)」

ブライアン・デネヒー。「ランボー/First Blood(1982)」

ダドリー・ムーア。「悪いことしましョ!/Bedazzled(1967)」ラクエル・ウェルチとの共演。

レイチェル・ロバーツ。「オリエント急行殺人事件/Murder on the Orient Express(1974)」。