Monolith

タッカーとフリンは少年を射殺したカーチャを逮捕した。しかしカーチャは「歴史調査局」の一団に連れ去られた。のちにカーチャは殺される。
一方殺された少年の死体からは別の男が出現する。目から光線を出して周囲を破壊した。そして消えた。
タッカーとフリンは歴史調査局に潜入し、恐るべき計画が進行しているのを知る。上司のマッキャンドレスも覚悟を決めるが、敵に殺される。
光線男が再度出現し、こんどはタッカーに寄生した。タッカーは歴史調査局を破壊し、さらにモノリスの中に隠されている宇宙船に潜入した。フリンはタッカーを追いかける。


製作:1993年、脚本:スティーヴ・リスター、監督:ジョン・イヤーズ


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 タッカー(ビル・パクストン) 刑事
 フリン(リンゼイ・フロスト) 刑事
 マッキャンドレス(ルイス・ゴセット・JR) 署長
 カーチャ・パブロア(Museta Vander) 遺伝学者
 


■ あらすじ

本作の主人公は、おそろしく不良っぽい二人の刑事。タッカー(ビル・パクストン)とフリン(リンゼイ・フロスト)。このような二人を部下に持つ署長のマッキャンドレス(ルイス・ゴセット・JR)は何かと苦労が絶えない。

かと言って、この二人は仲が良いかと言えばそうではない。というよりもしょっちゅう喧嘩している。タッカーがフリンをからかって「かわいい」と言ったときには「今度そんなこと言ったら腕をへし折るわよ」と切り返す。

二人とも絶対に認めないだろうけれども、しかし実はけっこう気が合っているようである。後でフリンが敵に対して「私たち、いいコンビでしょ」という場面がある。

タッカーは徒歩で出勤、フリンは車で出勤。署の近くまで来た時にあやうくぶつかりそうになる。「おっと、ひき殺す気か!」「私の運動神経が良かったから助かったのよ」。

ここで二人はバスから降りた少年を追跡する車を発見する。車を運転する女は目が血走っている。少年は走って逃げ、車は追いかける。二人も追いかける。

少年は路地を走って逃げるが、行き止まりで追い詰められる。車から降りた女は少年に拳銃を向ける。タッカーとフリンも拳銃を構えたまま女を説得する。

「こうするよりほかはないのよ、あの子は危険なの」と言いながら命乞いをする少年を射殺。

逮捕された女は、意外にもロシアの有名な科学者、カーチャ・パブロア(Museta Vander)、遺伝学の権威である。尋問を開始するが「歴史調査局」なる一団が現れて「カーチャを引き渡せ」と要求してくる。

彼らはIDカードを提示して「大統領でもレベル5だ。我々はレベル6だ」と言う。調べると確かにその通りで、マッキャンドレスはやむなくカーチャを引き渡す。タッカーとフリンは反発するが手が出せない。

少年の遺体を乗せて車が走っていくが、途中で火を噴き横転する。その火の中から男が出てくる。死亡した少年ではない。目が光っており光線を発射する。光線が当たった物体は燃え上がる。その男はビルの屋上に上る。タッカーとフリンは追いかけるが、あやうくやられそうになる。男は姿を消した。

二人は歴史調査局に潜入する。中に入って調べるとブルーブック計画なるものが進行中らしい。UFO、宇宙人...。二人はつまみ出されるが、カーチャが上から二人の前に落とされて死亡する。

次に二人はカーチャの家に赴く。夫と子供がいたようである。ここで日誌を発見する。「肉体をもたない高度に進化した未知の生命体」「知的生物に寄生しエネルギーを得る」「1000年の眠りから覚めた」「もう制御しきれない」「この街にUFOの石(モノリス)が隠されている」「その生命体がモノリスに戻ると世界は破壊される」とまるでSFの世界のような言葉が並んでいる。いやもちろん本作はSF。

家が爆破され、二人はあやうく難を逃れる。

報告を受けたマッキャンドレスも覚悟が決まったようである。再び歴史調査局が現れ、日誌の返却を要求するが拒否。しかし三人がいるビルが武装ヘリで襲撃されて、マッキャンドレスは死亡する。

光線男が再び現れるが、今度は警官二人に簡単に射殺される。フリンが「少し変じゃない?」というがその通り。実はその前にホームレスに寄生していた。

二人は下水道の中に入って追いかける。だがしかし大変なことになってしまった。タッカーが寄生され光線男になってしまった。タッカーが目から光線を発射すると、燃え上がったり爆発したりする。

タッカーは歴史調査局を襲う。フリンも追いかける。歴史調査局の中はめちゃくちゃに破壊され、タッカーはコントロールセンターに向かって進む。ここからモノリスに通じている。二時間以内に回復しないとタッカーは元にもどらないらしい。

モノリスの中の宇宙船は離陸し、タッカーとフリンが中に取り残される。タッカーは自分に寄生した生命体と必死に戦う。
 


■ 補足

ビル・パクストン。出演作品はわりあいと多いが、61歳で死亡した。残念。見たのは「アポロ13(1995)」「ツイスター(1996)」「シンプル・プラン(1998)」など。