Twister

ジョーは竜巻で父親を失い竜巻の研究者になった。離婚した夫ビルが考案した、竜巻のなかにセンサーを飛ばしてデータを取得するドロシーというシステムをテストする。
ちょうどビルも来て、ドロシーを積んで竜巻に向かっていく。何度も失敗するが、それでも二人は挫けないで挑戦する。


製作年:1996年,監督:ヤン・デ・ボン,脚本:マイケル・クライトン,アン・マリー・マーティン


映画関連目次(闇雲映画館)

■ あらすじ

◆ スタート

ジョー・ハーディング(ヘレン・ハント)は幼い時に、父親を竜巻で亡くした。そして竜巻の研究者となった。夫のビル・ハーディング(ビル・パクストン)も竜巻の研究者であったが、転身して気象予報官となった。

二人は離婚することになっており、書類のサインを貰うために、ビルは婚約者のメリッサ・リーブス(ジェイミー・ガーツ)を伴ってジョーを訪ねてきた。

ジョーのチームは、ビルが構想したドロシーなる装置を使って竜巻の観測を行おうとしている。これは竜巻の中に多数のセンサーを飛ばして、観測データを取得しようとするものである。これが成功すれば、竜巻の予想が正確に出せるようになるはずである。注、本作では、センサーとセンサーを格納する装置の両方を「ドロシー」と表現しており、あいまいである。英語では未確認。この解説では格納装置をドロシーと呼んでおく。

別にジョーナス・ミラー(ケイリー・エルウィス)が率いるチームがある。こちらも同様の装置を持っている。ビルによれば、ドロシーのアイデアを盗んだものである。二つのチームはいがみ合っている。しかしジョーナスのチームにはメディアの取材が集まってきている。

ビルは予め依頼していた書類をジョーから貰うが、サイン漏れがあり、再度ジョーにサインを要求する。

しかしその時に竜巻の発生情報が入り、チームはドロシーを積んで出かけてしまう。ドロシーは四台用意しており、これで観測がうまく行けばラッキーである。ジョーナスのチームも出発した。

ビルは、まだ書類が完成していないので、ジョーのチームに同行する。いやビルもドロシーの活躍を確認したかったのだろう。

必然的にメリッサも同行することになった。チームは、竜巻を追いかけて走っていく。竜巻に伴う嵐に見舞われる。しかしチームの全員は、それをものともせずに突き進んでいく。むしろ楽しんでいるようである。メリッサも最初は面白がっていたが、次第に怖くなってくる。

◆ ドロシー一号機

二人は一緒の車に乗るが、結婚していた時のことでいろいろ喧嘩している。しかし二人の声は他の車に無線で伝わっている。他のメンバーは笑っている。

竜巻に先回りしようとするが、けっきょく竜巻が方向を変えて、竜巻の後ろになってしまう。車が溝に入り、今度は竜巻が迫ってくる。ビルは、ジョーを避難させようとするが、ジョーは抵抗して頑張る。

小さな木の橋の下に逃げる。ジョーは見に行こうとするが、ビルが引き留める。橋の柱に掴まって耐える。車は吸い上げられる。橋はなんとか持ちこたえて無事。

吸い上げられた車は、メリッサの車(実はビルの車)の前に落下した。メリッサは悲鳴、顔面蒼白。

一号機は車に乗ったたまま、センサーは飛ばない。車は使えなくなった。


◆ ドロシー二号機

今度はビルの車に乗る。二号機を積み込む。後席にはメリッサ。チームが何事もなかったかのように、懲りずにもう一度やるのにメリッサは驚く。けっきょく、こちらは竜巻のそばは通るが空振りとなる。

ワキタに行く。ここにはジョーの叔母メグ・グリーン(ロイス・スミス)が住んでいる。メグから料理を振舞ってもらい楽しく過ごすが、新たに竜巻が発生し出動。

メリッサは今度はダスティの車に乗る。このあたりに来るとメリッサは「ついていけない」という雰囲気。「みんな異常だわ」。

雹が降ってくる。ビルが二号機を下ろそうとするが、ジョーはもっと近くに二号機を置きたいと口論。

電柱が倒れる。二号機が車から落ちる。センサーが放り出されるが、しかし飛ばない。ジョーは散らばったセンサーをかき集めるが、ビルはジョーを引き戻す。ビルは「僕を信じろ」と言うが、これをメリッサが聞いて泣く。注、お分かりだろうがビルの言葉は二つの意味を持っている。

二人は「センサーがなぜ飛ばなかったのか?」と議論するが結論はでない。

ドライブインに寄るが、ここも竜巻が襲撃。みんな地下に避難する。

◆ ワキタ

竜巻がワキタに向かっているとの情報が入り、メグを助けに行くことになる。しかしここでメリッサは「私はもう帰る」「お別れよ」「ついていけない」と別れる。メリッサの顔は雨で濡れているが、それだけではないようである。

ワキタに到着。メグの家はめちゃくちゃ。倒れた家の中からメグを救い出す。「警報の直後に竜巻が襲ってきたので間に合わなかった」。

◆ ドロシー三号機

ジョーはメグの家の風車(のようなもの)を見て、センサーを飛ばす方法が分かった。

みんなで、アルミ缶を集めて羽根を作ってセンサーに取り付けた。三号機に詰め込んだ。

三号機を車から降ろして進路上の道路に置いた。しかし飛んできた木が三号機を直撃して転倒。今度もセンサーは飛ばなかった。

二人の車の前にタンクローリーが飛んできて目の前で爆発。火炎の中を突破して逃げた。

◆ ドロシー四号機

先の竜巻は北東に移動したので四号機を積んで追跡する。竜巻の前に回る。車のアクセルを固定して二人は車から飛び降り、車を突っ込ませた。

四号機の蓋が開きセンサーが空中に巻き上げられた。まもなくセンサーからデータがセンターに一斉に送信され始める。すごいデータ量である。

竜巻の向きが変わって二人を襲ってきた。家に逃げ込みパイプに体を縛り付けてなんとか逃げ切った。チームの仲間が駆け付けた。みんな大喜びである。

ビルはチームに戻ることになった。しかし戻るとなると二人はさっそく喧嘩している。喧嘩しているが楽しそうである。


■ 蛇足

以下の点について何もケアしておらず、はっきり言って粗雑である。特にメリッサの件。メリッサがかわいそう。
 ・ビルとジョーがなぜ別れることになったのか?
 ・ビルの転職の理由は?
 ・メリッサが泣いて帰ったのに、ビルの反応が描かれていない。
 ・最後にビルとジョーが(喧嘩しながらも)仲良くなっているが、メリッサのことは知らん顔である。

ジョーナスのチームについて。本筋ではなかったので紹介しなかったが、彼らはジョーのチームから警告されたにも拘わらず、それを自分たちを出し抜くための偽情報と勘違いして、竜巻に巻き込まれて犠牲となつてしまった。

「ダスティ」と言うのは女性の名前かと思っていたが、本作のダスティは男性。