■ なぜ中小製造業の生産管理は難しいか
・中小製造業といっても、いろいろある。小さいながらも、一般大衆が購入する消費材を自らのブランドで製造・販売している企業もあるだろう。またニッチな分野ながら他にはない技術を持った世界的な企業もあるだろう。
・しかし中小製造業の典型は、つぎのようなものだ。
・生産する製品は顧客が設計した製品である。
・受注生産である。
・ついでに短納期や特定の企業に対する依存度が高いなども挙げられる。もちろん例外もあるだろうが、かなりの中小製造業が、これに該当するのではないか。そして、このような条件が中小企業における生産管理を困難なものにしていることを指摘したい。
・生産する製品が顧客の設計であるということは、顧客毎に製品が分かれているので、構成情報に登録される製品数が多くなり、同時に流れている製品数が多くなる。製品在庫も別となる。ロットまとめができなくなったりして融通をきかすことができない。そもそも生産管理の工数がかかる。
・また中間製品の数も多くなるだろう。顧客の設計なので部品も当然指定されている。同じ部品でも良いのに、別の部品が使われたりする。部品アイテム数が多くなり、部品在庫も多くなりがちだ。部品の発注頻度も多くなる。生産管理システムを運用していく上では、かなりの問題が出てくる。
・上記の理由により、製品、中間製品、部品のアイテム数が多くなり、受注、生産管理、在庫管理で管理する情報が多くなってくる。
・受注生産なので、見込み生産ができない、生産を平準化できない。短納期のことが多く部品手配、生産手配に無理がかかる。部品を先行手配したり、中間製品を先行生産したりする場合でも、前述のようにアイテム数が多いので効果が出ない、ばかりか在庫などの負担がかかる。
・さらに預り品などが多いので、管理の手間がかかる。
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