「発想法入門」(日経文庫,4532110777,星野匡)
44個のもの発想法を紹介している。発想法の書籍だから、なるべく数多く紹介したかったという気持ちは分かる。それで、とても発想法とは言えないようなものまで、発想法に含めている。
例えば、語呂合わせ発想法、スーパーヒーロー発想法、タウンウォッチング発想法などなどといった類である。数を増やすためには、手段を選ばないといった趣がある。(ここは「悪口放言書評」のカテゴリなので、口汚く言えば、)このような文章を書いて自己嫌悪に陥らないのだろうか?
個人と状況によって、適切な発想法は異なると思うが、必要な発想法は、そんなに多くはないはずである。もっと数を絞って、その分一つ一つを使用事例も含めて詳しく紹介してほしかったと思うのは私だけではあるまい。
そして、これだけの数の発想法を紹介しておきながら、トニー・ブサン考案のマインドマップが載っていない。注、定番のKJ法とNM法の紹介はある。
最後に「エンカウンターグループ発想法」の紹介。これは10~15人のグループがヌードになって議論する「発想法」である。人間的な出会いを通して、主体性の自覚、創造性の開発、リーダーシップの養成が可能になるとのこと。提案者は「人間関係分野における二十世紀最大の社会的発明」と自画自賛。私は遠慮するが、みなさんは積極的に活用していただきたい。