それぞれの業界に業界用語があり、それぞれの仕事に現場用語がある。治具(ジグ)というのは、一般の辞書には載っていないが、製造業においては、ロットなどとともに非常にポピュラーな用語である。
治具(ジグ)とは、ある特定の製品を生産するためや、ある特定の作業をするために、特別に設計・製作された工具のことを言う。
この定義から分かるように、ジグの範囲は非常に幅広い。また実際のジグというものは、非常に多種多様であって、特定の形状や用途を持っているものではない。
製造業においては、特定のもの、特定の作業のために設計・製作されたものは何でも治具(ジグ)といってしまう。
治具(ジグ)の一例を挙げてみる。ある製品を生産するある工程で、その製品を挟んで固定しなければならないとする。それをするには、たとえばペンチで挟んでも用が足りる。しかしペンチで挟むと、きちんと固定できないとか、傷がついたりするとか、あるいはまた別の欠点があるとする。これらの欠点をなくすために、その製品を挟むためのものを設計・製作したとすると、このようなものがまさに治具(ジグ)である。