一つの製品の生産ラインを眺めてみると、効率の良い工程や良くない工程が存在する。効率のよくない工程をTOCではボトルネック工程と言う。

多くの製品が流れている工場全体を見渡した時、全体として作業負荷が大きい工程がある。それをTOCではCCRと言う。個々の製品のボトルネック工程とCCRとの関係は、どのようになっているのだろうか。

CCRは、静的に存在するものではなく、工場の稼働状況によって異なってくる。例えばA製品が多く流れている時は、A製品のボトルネックの工程がCCRであるかもしれない。しかしA製品とB製品が同じくらい流れている時は、どちらの製品のボトルネックでもない、両製品共通のある工程がCCRであるかもしれない。このようにCCRは実際の稼働状況を判断しなければ決定することができない。

TOC(やAPS)のスケジューリングでは、CCRを動的に判断して、CCRを優先的にスケジューリングする。

注、CCRを厳密に判断することは、実際には非常に難しい。例えばタイムホライズン中で、生産の平順化がなされていない場合には、CCRがタイムホライズン中でも移り変わっていく。ただし「CCRを厳密に判断しなければスケジューリングが意味がない」わけではない。