■ ティームワーク
 
 
個人がそれぞれ意欲・能力を発揮し、そしてそれらがうまく合成されて、さらに大きな力になっているような状況が最善である。このような組織になっていればよいが、多くの組織はそうではない。
 
一番よくないのは、個人個人も意欲や能力を発揮できていないで、組織もうまく回っていない状況である。
 
このような場合マネージャは当面の対策として管理を強めなければならない。営利組織であるから、当面の売上を確保する必要がある。そしてそれを行ったうえで、個人の意欲・能力を引き出すために、一人一人とのコミュニケーションをよくして、励ますことが必要である。部下同士の団結・コミュニケーションを援助する。さらに組織や業務の改善を推進していく必要がある。大変だが、元の状態を考えれば、仕方がない。
 
例えば強い組織の例として、次のような組織が挙げられる。
 
1.同志的組織 - 目的や価値を共有した同志的組織
2.自立型人間協同組織 - 能力のある自立した個人の集団
3.効率的組織 - 簡素な構成と効率的な業務手順を実現した組織
 
これはいわばティームワークのタイプを分類したものだが、どれを優先させるべきだろうか、どれを目指すべきだろうか。1.や2.は、ある意味理想であるが、このような状態は、なかなか人工的に作り出せるものではない。
 
マネージャとして目指すべきは、3.のような組織である。その結果として1.や2.も実現できるかもしれない。
 
一方、個々の営業パーソンを見てみると、かなりの能力差があるのが普通である。これは人間的な価値とは関係ないが、この能力差をどのように扱うかは、実務上大きな問題である。
 
まだ能力を発揮していない営業パーソンを当面においてはカバーし、次第に能力をつけていってもらうことが必要である。この類の問題に対して、きちんとした回答を出すことはできないのだが、考えられる範囲で答えておく。
 
能力の差を問題にするのは人間的な価値の問題ではなく、業務の都合であることを明示し、本当にそのように考える。
 
業務のマニュアル化、業務改善を推進し、営業プロセスの可能な部分を個人の能力に依存しないように改善する。
 
営業プロセスの難しい部分や難しい顧客、重要な顧客には優秀な営業パーソンを重点投入する。
 
営業会議や同行などを通して、優秀な営業パーソンの手法・ノウハウを学べるようにする。
 
計画的にローテーションを行い、いろいろな業務・能力をつけることができるようにする。
 
個々の営業パーソンに対する厳しすぎる評価、細かすぎる評価は、ティームワークを壊してしまう。