売上は、次のように考えることができる。
売上 = 商品単価×購入点数×購入客数
購入客数 = 来店客数×購入率
来店客数 = 商圏人口×来店率
すべての客が同じように買うわけではないので、単純に掛け算ではないが、考えとしてはお分かりだろう。売上を上げるための重点をどこに置くかということだ。この数式に基づいて考えれば、売上を上げるためには、次のようなことが考えられる。
1.商圏人口を多くする。
2.来店率を高める。
3.購入率を高める。
4.購入点数を多くする。
5.商品単価を高くする。
また別の式を考えてみよう。
商品数 = カテゴリ数×品種数×品目数
商品数×陳列数 = 店舗面積
購入点数 ∝ 商品点数
これだけをざっと見渡して、自社でコントロール可能なものは、商品単価と商品数(陳列数の逆数)である。店舗面積は、いったん開店してしまえば固定値である。注、もちろん単価、商品数とも、完全に自社の思惑通りに決定できるわけではない。自社がどの程度の価格で仕入れられるか、オペレーションコストがどのくらいか、店舗面積がどけだけあるかなどに影響される。
商品単価を下げれば、2.来店率が上がり、3.購入率は上がり、4.購入点数も上がると考えられる。また遠くからも買いに来る顧客も増えると思われるので、1.商圏人口にもプラスと思える。が、単価自身が下がるので、売上には、どちらに影響するかが、思案のしどころである。この関数は、実際のところはかなり複雑である。また価格にのみ影響されるわけでもない。
一般に最寄品店では、単価を下げる方針をとることが多い。特に最寄品店においては、来店率を高め、購入率を高めることが基礎体力として重要である。最寄品店においても、価格ではなく、他の手段で2.来店率や3.購入率を維持できれば、競争力は非常に高まる。
買回品店や専門品店では、現実がどうであるかはともかく、価格での勝負は避けたいところである。価格の勝負を避けるとすると、店舗の魅力や商品力で、1.商圏人口、2.来店率、3.購入率を維持し高めて、売上を上げることを狙いたい。
商品点数については別稿とするが、購入点数は、商品点数が多ければ増えると考えられる。しかし、上記の数式では比例としたが、こちらも単純な関数ではない。