SCMは小売の需要予測を起点としてサプライチェーンの各段階の需要予測を元に生産・流通の各段階での合理化・在庫削減を行い、納期短縮、調達・物流コスト削減、品切れ防止を実現するものだ。
このSCMを実現するには、次のようなことが実現されなければならない。
* 正確な需要予測
* 各社のシステム間および社内システム間でのスムーズな情報伝達や処理の連携
* 実際に計画を執行する生産や物流の遂行能力
需要予測は、業種・商品によって大きく異なる。比較的正確に予測が可能な商品もあるが、ほとんど不可能な商品も多い。また各段階で予測の若干の水増しが行われたりして、精度が損なわれたりもする。
コンピュータシステムとしてのSCMは、かなり複雑なものだ。各社、各業務別に開発された複数のシステムの間でデータをスムーズに流し、それぞれのシステムを使いこなす必要がある。システムの連携の規模と言う点から述べるとSCMの構築・運用は、かなりの困難を伴う。実際、いろいろなニュースを読んでみると、SCMを構築したものの、各社ともかなり苦労をしているようだ。
またSCMは、コンピュータシステムだけで実現できるものではない。実際に生産や物流がシステムの指示どおりに動いて初めて実現できる。次のようなことが必要だ。
* 調達・生産・物流の各段階でのリードタイムの短縮
* 小ロット生産・小ロット配送への移行
* 中間製品の標準化、部品の標準化による生産・調達の平準化
* 物流システムの整備
それぞれが大きな課題であることは、よくお分かりだろう。