■ マネージャによるプロジェクトのチェック

どのようなタイプをリーダにするか。ご存知のように、ソフトウェア開発プロジェクトにおいてリーダの資質というものは非常に重要である。

最近よく言われていることだが、指示・管理型のリーダより、コーチング型のリーダがよいと言われている。

このように単純に結論づけることができるのかという気もするが、私もやはりコーチング型の方が良いと思う。

可能であれば中堅をリーダにすると前述した。中堅をリーダにすると、指示・管理型に走ってしまう危険がが少ないと考える。

プロジェクトをブラックボックスにしない。これは非常に重要。ブラックボックス化とは、次のようなことがマネージャに分からないということだ。進捗の状況、仕様上・技術上の重大な問題点、(メンバーに対する専制的な態度も含めた)プロジェクト管理上の問題点など。ここでも中堅をリーダにするメリットがある。

マネージャがメンバーと直接に(必要ならば秘密裏に)コンタクトを取るルートが必要だと考える。単に時々、全員を集めて「言いたいことがあれば、言ってくれ」というようなことでは、何もやっていないに等しい。

形式的には、週に一度は進捗状況のチェックが必要である。しかし何か感じたら、呼び寄せるのではなく、マネージャから出かけていってチェックすることが必要。

またブラックボックス化を防ぐためには、プロジェクト内のミーティングには、できるだけ出席して、進捗・仕様・技術上・管理上の問題点を把握しておきたい。

「そんなにいろいろ言われても、忙しい中でやっているので、そんなことまではできない」との声が聞こえてきそうだ。一人のマネージャが5個のプロジェクトを管理するのは可能だが、10個以上のプロジェクトを管理するのは難しいだろう。

マネージャやリーダは、自分の態度・言動が難しい。チェックもしなければならないし、また細かいことを問題視する性癖も問題だ。

マネージャの一言が大きな影響を及ぼすので、本当に注意していただきたい。実際の場面では、そうも言っていられないことも多いが、リーダやメンバーの成長を促す視点が長期的には個人にも組織にもメリットをもたらす。