画廊のしごと「オークション」其の一
四月と十月には、写真のオークションが毎年ニューヨークである。
クリスティーズ、サザビーズ、スワン、フィリップスの四つのオークションハウスで日が違って、プリビューを含め10日ほどかけて行われる。
プリビューでは、頼めばプリントに触れることも出来る。コンディションの確認や作品の裏のスタンプやサインも見ることができる。
オークションに出てくる作品は美術館でも観られないようなモノも見れるし。コレクターやバイヤー、もちろん画廊の人たちも、ゾロリと集まるので、その人たちの顔を知っているなら買い物をしなくとも面白いイベント。
オークションは$5000から$10000程度の作品の「今年」の値段の目安も決まるし、$100000を超えるレアな作品が出てくれば、その作品の新しい「値段」も決まる。
写真は絵画のように「一点もの」という事は滅多にない。まったく同じ作品が三つ同じオークションに出ることだってある、それでいて値段も違ってきたり。
「写真」に限ってでは無いが、だいたいの作品はビンテージもの、レアもの。
上に載せた作品も、予想は$50000から70000なのに「$144000」で売れた。日本円にて約、1500万円。写真を知っていられる人なら見たことあるだろうが、アーバスの作品はこれから$100000からが普通になるのか? しかも、このプリントは作家自身がプリントした訳でもサインがついている訳でもない。アーバスが亡くなった後に娘がプリンターに頼んで数多くプリントしたうちの一枚、これが作家がプリントしサインがある「本物」だったらその数倍どころか、とんでもない値段がつくだろうし大体何枚サインしてあるプリントが存在しているのか (詳しい事はつづきで)。
それぞれのカタログもハウスの人たちは、相当な力をいれてリサーチしているのでヘタな教科書なんぞより、よっぽど勉強になる事が書いてある。
画廊で仕事をする時にもオークションに出て来れる作家レベルなら、カタログを使って何時いつはコノ値段で、コノ前はコノ値段、そして今回はコノ値段。と、商売に必要な「道具」のひとつである。
予想が$25000から35000なのに$100000をこえる値がついた作品や作家などは、これから要注意。
つづく
