10月28日(日)に行われました、伊原加積さんによる「美味しく楽しむ日本酒講座」のリポートです。
甘口、辛口を視覚的に見てみよう!というのがこの日のテーマ。
まずは、伊原さんから、歴史的な背景を踏まえた、
お酒の甘口、辛口に関するお話をお聞きしました。
辛口のお酒が好まれている理由は、戦後の三増酒にあります。
戦後、日本酒が不足していたころに普及していた、「三増酒」。
十分なお米がなかったことから、甘さを取るために、
純粋に米と水で造られたお酒に、糖(水あめや調味料)を入れ、
アルコールを加え、3倍に伸ばしていたそうです。
このお酒は悪酔いしやすく、水あめなどが使われているわけですから、
甘いわけです。
よって、甘くてべたべたした日本酒のイメージを避けるべく、
甘くないお酒、飲んでも飲みつかれない、さらったしたお酒が造られるようになりました。
造り手は、辛口のお酒を売りたいわけですから、淡麗辛口を宣伝文句に使います。
メディアによる宣伝→辛口の日本酒が売れる→辛口がいお酒だと思われる
・・・こうして、甘いお酒を飲んで比較することなく、辛口が良い!と言われるようになったようです。
辛さを感じる原因となるのは2つ。
1.アルコールの刺激からくるピリピリ感
2.発行からくる酸味
酸味には40種類ほどあるそうですが、
代表的なものは・・・
コハク酸(温めてキレをよくする)
リンゴ酸(リンゴのような酸味)。
日本酒を購入する際、甘口、辛口の指標となるのが、ラベルに書かれている
日本酒度です。(講座の後半では、この日本酒度を計測しました。詳細はのちほど。)
糖分がどれくらい残っているかで甘口、辛口は決まります。
続いて、①~⑧まで番号のふられた、8種類のお酒が受講者に配られました。
各自自らの味覚をたよりに、甘口、中庸、辛口に並べてみることに。
伊原さんお手製の甘口、中庸、辛口を順位づけしてみるシートも配布されました。
いよいよ、実験の開始!!
日本酒度(辛口、甘口を探る指標)の測定に移ります。
メスシリンダーに90mlの日本酒を注ぎ、15℃前後にします。
こちらの写真は、保冷剤で、日本酒を冷やしているところです。
だいたい、15℃前後になったことを確認して・・・
いよいよ、日本酒度計の登場!
この測定器、酒蔵で実際に使われているものだそうです。
かなりお高いのだそう…
メモリの部分がとっても細く、注意深く扱わなければ、壊してしまいそう。
この日本酒度計では、日本酒中の糖分比率を計ることができます。
糖分が多いと測定器は浮き、メモリはマイナスになり、甘口に。
糖分が少ないと測定器は沈み、メモリはプラスになり、辛口に。
①~⑧を順に測定していきます。
こちらは、④の日本酒を測定中。メモリはプラスマイナス0を指しています。
銘柄と計測結果!!(右から)
①『月桂冠』糖質0 辛口仕立て →+20 超辛口
②『浪乃音』ええとこどり純米超辛口 →+8 辛口
③『風の森』雄町80 純米しぼり華 →-5 やや甘口
④『獺祭』純米大吟醸三割九分 →0
⑤『八海山』本醸造 →+4から+5 辛口
⑥『三芳菊』壱60(純米醸造) →-15 甘口
⑦『陸奥八仙』isaribi特別純米無濾過 →+7から+8 辛口
⑧『奥』夢山水十割 純米吟醸原酒 →+2 辛口
受講生のみなさまからは、計測結果に驚きの声が。
自分の味覚と計測の結果は、必ずしも同じではなかったようです。
味覚は微妙なもので、人それぞれ。今日は、辛口という言葉ばかりが先行しているのです。
いろいろ、試してみて自分の好みの日本酒度を見つけてみるのもいいですね!
次回11月25日(日)は、酵母と日本酒をつくる心臓部となる”もと”のお話です。
お楽しみに!





