「うつくしいものの話をしよう。


いつからだろう。


ふと気がつくと、
うつくしいということばを、


ためらわず
口にすることを、
誰もしなくなった。


そうして
わたしたちの会話は
貧しくなった。


うつくしいものを
うつくしいと言おう。


一体、ニュースと
よばれる日々の破片が、
わたしたちの
歴史と言うようなものだろうか。


(中略)


あざやかな毎日こそ、
わたしたちの価値だ。



うつくしいものを
うつくしいと言おう。



幼い猫とあそぶ一刻は
うつくしいと。



シュロの枝を燃やして、
灰にして、撒く。



何ひとつ永遠なんてなく、
いつかすべて塵にかえるのだから、


世界はうつくしいと。


 
〜長田弘
『世界はうつくしいと』より抜粋〜
 

_____________



お久しぶりです。
数ヶ月ぶりのブログ更新です。

情報発信がほとんど
Facebookとメルマガになっていまして、

今回は、ちょっと大事かも?
と思う内容なので、
ブログにも転記します。

(ブログはあまり更新できないので、
よかったら、満月新月発行のメルマガ登録をどうぞ)



冒頭の詩は

昨日、子どもの学校に行ったら、
壁に貼ってあったのが、
子どもたち全員で模写をしていた
この詩でした。



授業そっちのけで
わたしは壁に貼ってあった
この言葉に感動をして、
涙して立ちすくんでしまいました。



なんて、
心洗われる
詩なんだろう。


日本を代表する詩人・長田さんの詩集は
何冊も持っているのに、
この詩のことは知りませんでした。



素敵な女性の先生にお伺いすると、
なんと、今、中学3年生の国語の教科書に
この詩が載っていると言うのです。


日本の教育も捨てたもんじゃないなと
嬉しくなりました。










「いつからだろう。

ふと気がつくと、
うつくしいということばを、

ためらわず
口にすることを、
誰もしなくなった。

そうして
わたしたちの会話は
貧しくなった。


うつくしいものを
うつくしいと言おう。」



これね、私、
とても共感するところが
あるんです。



なぜなら、


私はいつも


「美しいーー!!」

とウットリしたり、

「素晴らしいーーー」

拍手したりするのが
癖なもので。


な・ん・だ・け・ど、


時々、


世界にはこんなにも
問題がたくさんあるのに、
こんな悠長なことを
言っていていいんだろうか・・・。

と思うことがあるんです。


目の前の、

美しい海を

美しい光を、

緑を、水滴を、

「美しい」と思うことを

「美しい」と言うことにさえ、

罪悪感を覚えることがあります。



さらに言えば、
現在、6月末に出版予定の
沖縄暮らしの本を
書いている中でも、



「沖縄にはこんなにも

社会問題がたくさんあるのに、

沖縄暮らしの素敵な面だけを書くなんて、

それは果たしてどうなんろう?」



という自問自答を、
何十回と繰り返しました。


その囁きが
聞こえてくるたびに、
原稿を書く筆は、止まりました。



その度に、
何人もの尊敬する人たちにも
相談しました。



そんな中、いただいた
忘れられない一言が
あります。


大好きな私のお師匠様が
こう言ってくれました。


「不幸なニュースばかりだと、
 何が幸せか、みんな見えなくなる。

 あなたが、幸せってこんなものかも?
 という形を見せることに
 大きな意味があるんだよ」

と。


その言葉がとても腑に落ちて、


私は、

「ほら、見てみて!
 ここに、こんな美しいものがあるよ!」


って、「虹に指をさす人になろう!」と決めて、


原稿を書き終えることができました。



だからこそ、
この長田弘さんの

『世界はうつくしいと』

に、涙するほど
心打たれてしまったのです。



あなたにも
そんな経験はありませんか?



美しいものを
美しいと言えていますか?


そこに罪悪感はありませんか?


もしあったなら、
私も同じです。



あなたが

美しいと思うことの話を

私は聴きたいです。



一緒に、
美しいいものの
話をしよう。



今夜も優しい夜を
お過ごしください。



永元深智


〜「ヌチグスイ便り」(2023年6月21日新月の夜発行)より抜粋〜




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お楽しみな予告ーーー!!
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\6月末に、新刊が出ます!/
永元の11冊目となる新刊!
沖縄暮らしをテーマにした本の準備が着々と進んでいます!
今、まさに本の表紙のデザインを考えているところです。
来月には、きっと、情報公開できるはず!
「美しいものを美しいよねーー!!」と言いまくっている本です!
どうぞ、楽しみにしていてください。




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 作家 永元深智(ながもとみち)
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