「医学と芸術展(2010/2/28まで、森美術館)」に行ってきました。昔の人体解剖図や機能的で美しい義手と義足、宝石のような義眼、見るからに恐ろしい医療器具となぜか貞操帯なども展示されており、まあそうしたものが好きな人ならとっても楽しい展覧会であると思います。
げんぞうのアート馬鹿一代
 

 

 アートの方はダヴィンチ、レンブラント、河鍋暁斎、円山応挙から現代アートまで幅広く展示されています。個人的におもしろかったのが、年老いたスーパーマンやワンダーウーマンらのアメコミのヒーローが暮らす「老人ホーム(ジル・バルビエ)」、若い女性の胸像がみるみる老女へと変貌する「ヴァニタス胸像(イ・ビョンホ)」、人間の頭蓋骨を紙やすりですりつぶしてつくった絵画「どこからでもない議論(アルヴィン・ザフラ)」などです。
げんぞうのアート馬鹿一代
 

 老いや死は避けられないものであり、それに対してなんらかの見解を示すのはアートの重要な使命のひとつであるとともに、死はエロスと結び付いていて非常に危険な魅力を放っているのだということに、あらためて気付かされた展覧会でした。
げんぞうのアート馬鹿一代