心理大学院受験にもオススメの本:対象関係論 | 描くと人生が動き出す✨アートセラピスト橋本マシリトのこころ解放ブログ

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心理臨床の名著シリーズ。なかなかに理解の困難な「対象関係論」を、わかりやすく知りたいなら松木先生の本を読め!と聞いてはいたのですが、初めて読みました…(恥)『対象関係論を学ぶ―クライン派精神分析入門』松木邦裕

 

結論は、素晴らしい!!

 

臨床家に向けて書かれているのですが(読者が精神病圏のクライエントの訴えを毎日のように?聞いていることを前提としている語り)、学部生でも読むと理解が深まると思う。大学院受験のためにもオススメ。

 

ただし、これを読む前にフロイトの精神分析の基礎的概念は理解しておいた方が良い。(冒頭にそこから説明はされていますが。しかもわかりやすく。)対象関係論の入門書ではあるけれど、精神分析の入門書ではない。

 

クライン→ビオンまでのつながりや発展を、ときにウィニコットとの比較も交えながら、シンプルに、しかし本質的に、学べるのは本当にありがたい。

 

フロイトの後継者たちの仕事を、わかりやすく、難しすぎず・詳細すぎずに学べる本ってあんまりない気がして。

 

 

しかし、この本の白眉は、わかりやすさとか必要十分な網羅性とかには止まらず、なんといっても、暖かな人間味に満ちた人生観にあるだろう…

 

 

「一つにまとまった全体自己そして全体対象とはけっして苦悩のない万能的な自己や対象ではないことは、もはや充分に理解されたことと思います。それは、抑うつ的な心の痛みを避けることなく味わい続ける現実的な自己-対象関係であり、そこにおいて外界の対人関係と内的対象関係が歪みの少ない形でつながっていることができるのです。」 (82ページ)

 

 

「『深い思いやり』は、私たちの日々の生活での抑うつ的な心の痛み、あるいは羨望であったりもする被害感情でさえも自分自身の心の中の感情として認め、傷ついた対象との結びつきの中で味わい、そしてもちこたえ続けることから、ゆっくり育ってくることのように私には思われます。」(115ページ)

 

 

しかも!対象関係論の立場から、転移の治療機序を説明し(9章)、精神分析が言葉によって行われることに限界はないのか?という問いにまで答えようとする(11章)。

 

 

ちなみに、後者についていうと、松木先生はあくまでも言語化の重要性を強調する立場(p.105)で、非言語でのやり取りをより大切だと思う私とはまた異なるんだけども。(もちろん、松木先生は非言語を否定しないと明記しているし、私も言語化を否定しているわけでは全くない。単に比重の話。)

 

 

この本を足がかりに、もっと対象関係論の本を読んで見たいなぁと思ったし、臨床においてこの視点を忘れずに事象を見ることは助けになるなぁと思った次第。

 

 

 

 

↓この本!今回借りて読んだのだが、名著すぎて所有したい。折に触れ読み返す必要あり!

 

 

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