オランジュリー美術館
2012.8.30
名称:Musée de l'Orangerie
場所:フランス パリ
最寄り駅:コンコルド駅
入館料:5€(ヨーロッパ(イギリス)の学生証提示)
美術館全体の様子
旅4日目に訪れた美術館。場所がよくわからずに迷ってしまった。想像以上に小さな美術館で、入館料は学生料金で5€(パリ市内の他の美術館は全て無料だったのになぜここだけ料金が発生したのか)。地下が印象派の作品群、地上階がモネの睡蓮を飾る展示室になっている。作品数、鑑賞者数もそこまで多くなく、作品に近づきすぎないように引くためのラインなども見られなかったため、比較的静かで自由に、鑑賞することが出来たと思う。印象派好きの日本人が多く鑑賞していた印象が残っている。
作品全体の様子
モネの睡蓮を含め、基本的には印象派、またはそれ以降の作品が多い。一部貸出し中の作品(例:日本のブリジストン美術館に貸し出されている作品があった。その場合は、元々作品のあったところにはタイトル・サイズなどの作品詳細・美術館名・今どこに行っているのかなどの詳細が書かれた書類が貼られていた。)も数多くあった。そのため、ところどころ壁に空きスペースがあり、作品がぽつんと取り残されている場所も多く見られたのが残念である。
“モネの睡蓮が所蔵されている場所だ”と聞いていたため、本会い
各作品の様子
・ 赤いボート・アルジャントゥイユ<クロード・モネ>1872
50×70cm 油彩×画布
アルジャントゥイユに31歳から5年間住んだモネは、そこで一連のアルジャントゥイユの風景を数多く残している。この作品は、水上アトリエで描かれたらしい。どの作品も油絵具の発するキラキラが、海面の光の反射となって美しい効果を生んでいるようだ。
・ ポール・ギヨームの肖像<アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ>1915
105×75 cm 油彩・画布
数多くの若手の作家を育てたという当時の高名な画商であったポール・ギヨームが描かれた作品である。右下には画家の署名、さらに下の部分は空白として残され、画商に多大な援助を受けた画家達のサインを入れる予定であったようだ。技術的にはあまり上手な印象はなかった。壁の色とマッチしているものの、手がハンバーグのようで技術は低い、モディリアーニの特徴的な目の白っぽさはお化けのような怖さを感じる。
・ Femmes au Chien <マリー・ローランサン>1923
絵はバレリーナのような女性二人が作者の典型的なサラッとした雰囲気で描かれている作品なのだが、鏡とガラスビーズで装飾された額で縁取られていることもまた印象的である。額縁は床まで反射しており、部屋の一角がまるでミラーボールのあるパーティー会場のようになっている。
・ 睡蓮<クロード・モネ>
晩年になるにつれて彼の視力は減少していったモネ。その恐怖に追われながらも、常に置い続けた”自然光の美しさ”の最終目標として、彼が数多く残した”睡蓮”を壁画として一室で展示するという壮大な計画をたて、美術館を設立した。完成は彼の死後数ヶ月後になってしまったが、数回の改築を経て自然光の入る明るい展示室の中で設置されている。部屋に入ったとたんに鳥肌がたつくらい美しい作品たち。天井がガラス窓で出来ているため、太陽光によって作品の色合いが変化し、その度に表情を変えるのは、モネが計画した際に狙った効果のようだ。2部屋存在し、1部屋目は水面とそこに浮かぶ花がメインだが、2部屋目は柳や木など、その周辺の景色がメインなようだ。作品そのものは案外荒いタッチで描かれている部分が多かったり、場面によっては暗過ぎると感じる部分もあったが、柔らかい光で満たされた展示室内は静かで気持ちのよい時間が流れていた。
その他作品に関して感じたこと
・ 静物画群<オーギュスト・ルノアール>
ルノワールは人物画(特に女性)を数多く残しており、静物画もそれらと同じようなフワッとした空気感のある美しい作品ばかりであった。
・ 静物画群<ポール・セザンヌ>
Fleurs et fruits(35×21cm), Fleurs dans un vase bleuの二つが隣り合わせで展示されており、かつ前者の方が後者の作品の1部のような絵のため、何かしらの関係があるように感じた。元々1つの作品だったのだろうか。
・ ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル<ピエール=オーギュスト・ルノワール>1897
73×92cm 油彩・画布
当時裕福な富裕層の間で流行していたピアノを主題にした作品である。来館した当時は、日本の”ブリジストン美術館”に貸し出されていたようだ。作品の無い部分に説明板がしっかりと設置されており、見ることが出来ないのは寂しいが、いつまでいないのかなどが明確に理解できるためいい方法だと言えるだろう。
・ Grande Baigneuse(1931) と Grand Nu a la draperie(1923) <パブロ・ピカソ>
前者はピカソの割に立体的だが、リアリティがあるというよりも、デップリしすぎている。ハイライトは弱く輪郭はボカし気味だ。 後者は荒くてゴツゴツしている。年代はたいして変わらない上、同じモデルのような印象を受けたが、主題などはいまいちわからない。ピカソと言われると、幾何学的な作風を思い出すが、この作品たちはそのような作風になる以前のものなのだろうか。
・ アンドレ・ドランの作品
フォービズムの1人として活躍した作家である。点描からキュビズムまで幅広い画風で作品制作に取り組んだ。この美術館にある作品群はセザンヌに色合いが似ているが、明度は更に強くハイライトも強い。