神殿からまたしばらく歩き、たくさんの民家や商店街が立ちならぶ、人々でにぎわうハービーの町に着いた。
朱里が町を見渡しながら少女に言った。
「ルーシーの町とは、ずいぶん感じがちがうね」
「そうね。ハービーにはお店がたくさんあるけど、ルーシーにはないもん」
「ここが一番大きな町なの?」
「ちがうわ。一番大きい町はブールよ」
「ブールって町はどこにあるの?」
「山の向こうよ。行ったことないけど」
「行ったことないの? 歩いていくのがたいへんなんだ」朱里が言うと、「ブールへは歩いていけないのよ。山には道はないし、高すぎて超えることができないの。だから、船で行くのよ」と少女が教えた。
「船で行くんだ。どんな町なのかな?」
朱里がつぶやくように言うと、少女が説明した。
「行ったことないからわからないけど、ハービーとルーシー、それに海のほうにあるテッドの港町を三つ合わせたよりも大きな町で、お店もハービーよりたくさんあって、なんでもある『神の都』なんだってさ」
「神の都?」
「ブールには神様の生まれ変わり、バドル様が住んでいるのよ」
と少女は言って、つづけて話した。
「バドル様に死の予言をされた人は、必ず死んでしまうの。でも、死の予言をされてもバドル様の奴隷になれば助かるのよ。それと、バドル様に逆らうことは、神に逆らうのと同じことだから、特使たちに処刑されてしまうの」
「特使たちって?」
「特使たちはバドル様の部下で、特別に選ばれた人間がなれるの。特使なら人を殺してもいいんだって」
「ちょっと怖い神様ね」
そう朱里が言うと、少女は声をひそめて話しはじめた。
「偽物だと思うわ。神様なんかいないもん。バドル様は奴隷がほしいから、嘘の予言をしてるだけよ。死の予言をされても奴隷にならない人は部下が殺しているのよ。あと、逆らう人もね。みんなは殺されるのが怖いから、信じているふりをしてるんだと思うわ。それでも、さっきの神殿の、昔から伝わる神話の神様を最後まで信じて殺された人は大勢いるのよ。私のパパもそうなの」
少女の話を聞いて、朱里は驚いて彼女の顔を見た。
「特使たちは反逆者がいないか、いろんな町を見て回ってるから、バドル様の悪口なんかを言わないようにね。悪口を聞かれたら殺されるかも」少女が注意した。
「そうね。それに、人の悪口を言うのはよくないしね」
朱里がちょっと的はずれなことを言うと、少女は朱里のことをじっと眺めた。
「な、何?」朱里が訊くと、「お姉ちゃん、神様じゃないよね?」と少女が言った。
「どうして?」
「だって、宇宙から来たんでしょ」
「私が神様に見える?」朱里がうれしくなって訊くと、「ぜんぜん見えない」きっぱりと少女は答えた。
朱里が町を見渡しながら少女に言った。
「ルーシーの町とは、ずいぶん感じがちがうね」
「そうね。ハービーにはお店がたくさんあるけど、ルーシーにはないもん」
「ここが一番大きな町なの?」
「ちがうわ。一番大きい町はブールよ」
「ブールって町はどこにあるの?」
「山の向こうよ。行ったことないけど」
「行ったことないの? 歩いていくのがたいへんなんだ」朱里が言うと、「ブールへは歩いていけないのよ。山には道はないし、高すぎて超えることができないの。だから、船で行くのよ」と少女が教えた。
「船で行くんだ。どんな町なのかな?」
朱里がつぶやくように言うと、少女が説明した。
「行ったことないからわからないけど、ハービーとルーシー、それに海のほうにあるテッドの港町を三つ合わせたよりも大きな町で、お店もハービーよりたくさんあって、なんでもある『神の都』なんだってさ」
「神の都?」
「ブールには神様の生まれ変わり、バドル様が住んでいるのよ」
と少女は言って、つづけて話した。
「バドル様に死の予言をされた人は、必ず死んでしまうの。でも、死の予言をされてもバドル様の奴隷になれば助かるのよ。それと、バドル様に逆らうことは、神に逆らうのと同じことだから、特使たちに処刑されてしまうの」
「特使たちって?」
「特使たちはバドル様の部下で、特別に選ばれた人間がなれるの。特使なら人を殺してもいいんだって」
「ちょっと怖い神様ね」
そう朱里が言うと、少女は声をひそめて話しはじめた。
「偽物だと思うわ。神様なんかいないもん。バドル様は奴隷がほしいから、嘘の予言をしてるだけよ。死の予言をされても奴隷にならない人は部下が殺しているのよ。あと、逆らう人もね。みんなは殺されるのが怖いから、信じているふりをしてるんだと思うわ。それでも、さっきの神殿の、昔から伝わる神話の神様を最後まで信じて殺された人は大勢いるのよ。私のパパもそうなの」
少女の話を聞いて、朱里は驚いて彼女の顔を見た。
「特使たちは反逆者がいないか、いろんな町を見て回ってるから、バドル様の悪口なんかを言わないようにね。悪口を聞かれたら殺されるかも」少女が注意した。
「そうね。それに、人の悪口を言うのはよくないしね」
朱里がちょっと的はずれなことを言うと、少女は朱里のことをじっと眺めた。
「な、何?」朱里が訊くと、「お姉ちゃん、神様じゃないよね?」と少女が言った。
「どうして?」
「だって、宇宙から来たんでしょ」
「私が神様に見える?」朱里がうれしくなって訊くと、「ぜんぜん見えない」きっぱりと少女は答えた。