アイスの天ぷらがあるなら、チョコだってありだろう。
単純な思いつきだった。
アイスと同じ天ぷらというのも芸がないから、パン粉をまぶして揚げてしまおう。
暇というものは、しなくてもいいことをするためにあるようなもので、いつもは料理に手間暇をかけないつもりが、妙な新作の試行錯誤で一日を潰してしまった。
その妙な新作は、さんざん油の匂いを嗅いだために気分をわるくした当の彼女の口に入ることはなかった。
そのまま楽屋に持ち込まれて、部屋の空気を固めて終わる。
責任転嫁だと自覚しながらも、きっかけとなった優子を恨めしげにみやって、みなみは長々とため息をついた。
(どうしよう、これ)
みなみと妙な新作を残し、三々五々散ってしまったメンバーにむくれつつ、休日明けで冴えない思考を必死に回してみる。
食べられるものかどうかわからない、という重大な問題よりも、残したらもったいないじゃないかという考えが大方を占めて、半分罪悪感にさいなまれながら「揚げチョコ」を廊下のわきにあるテーブルに置いた。
(きっとだれかが食べてくれる。……かもしれない)
一縷の希みを託して、とりあえずその場からは逃げることにした。
収録が終わったときにひとつでも減っていれば、それでみなみは報われる。チョコとともに衣に包まれているオフ一日分の努力を、ひとりくらいは認めてくれてもいいと思った。
単純な思いつきだった。
アイスと同じ天ぷらというのも芸がないから、パン粉をまぶして揚げてしまおう。
暇というものは、しなくてもいいことをするためにあるようなもので、いつもは料理に手間暇をかけないつもりが、妙な新作の試行錯誤で一日を潰してしまった。
その妙な新作は、さんざん油の匂いを嗅いだために気分をわるくした当の彼女の口に入ることはなかった。
そのまま楽屋に持ち込まれて、部屋の空気を固めて終わる。
責任転嫁だと自覚しながらも、きっかけとなった優子を恨めしげにみやって、みなみは長々とため息をついた。
(どうしよう、これ)
みなみと妙な新作を残し、三々五々散ってしまったメンバーにむくれつつ、休日明けで冴えない思考を必死に回してみる。
食べられるものかどうかわからない、という重大な問題よりも、残したらもったいないじゃないかという考えが大方を占めて、半分罪悪感にさいなまれながら「揚げチョコ」を廊下のわきにあるテーブルに置いた。
(きっとだれかが食べてくれる。……かもしれない)
一縷の希みを託して、とりあえずその場からは逃げることにした。
収録が終わったときにひとつでも減っていれば、それでみなみは報われる。チョコとともに衣に包まれているオフ一日分の努力を、ひとりくらいは認めてくれてもいいと思った。