「空海」に近づく! | 編集長ブログ

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写真は竹林寺境内

 引越しと急ぎの大仕事に忙殺されて、3ヶ月ほどお休みしていたブログを再開!
 16年間住んだ事務所から、同じ四ツ谷の新事務所に移るのに、正直、死ぬ思いだった(笑)。急ぎの大仕事というのは、実は「空海」である。川崎大師から制作依頼を受けた『同行二人―空海 時空を超えて―』というムック本を作っていた。校了にしたのは先週のことだ。

 空海は魅力的な人物である。たくさんの顔をもっている。以前から少しは本を読んでいたが、こんなに集中的に、かついろいろな角度から空海を学べたことは、望外の幸せである。福田亮成先生を初め、空海の専門家や書家の石川九楊先生とも知遇を得られたのが何よりありがたかった。
 しかし、今回の取材のなかで、最大の収穫といえば、四国お遍路の取材で「竹林寺」に伺い、海老塚住職と会って、「同行二人」という思想と「お遍路さん」のことが自分なりに分かったことだ。偉大な宗教者「空海」と「お大師さん」として親しまれる弘法大師とは、別の存在と思えるほどに違った顔をしている。哲学的宗教家の空海はある程度本を読んで理解ができても、「お大師さん」信仰やお遍路みちの弘法大師については、東京にいてはまったく分からない。四国へ行かなければだめなのだ。
 土佐に行ったのは初めての経験だった。空海は、今回私が訪問した竹林寺にも滞在して修行したといわれている。空海は、唐に渡る前の7年間、修行者として土佐や吉野や高野の周辺を歩いている。謎の7年ともいわれて、その行動がはっきりしない。今回の取材旅行で、ぼんやりながら、若き修行者空海のイメージをつかめたような気がしている。
 土佐という土地からは、坂本竜馬や中岡慎太郎が生まれている。彼らを生んだ風土にも少し触れることもできた。それもよかった。