74歳ニコルの情熱に感服! | 編集長ブログ

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いつまでも青年!

 先週は遅い夏休みをとって、日光へ行った。家族と旅することも珍しい。夏休みといえば、軽井沢にある兄弟の別荘に行って居候生活をすると決まっていたが、少し気分を変えてよその場所に旅をしてみようということになった。日光では温泉めぐりをし、息子と久しぶりにトレッキングもした。少し健康になった気がする。
 休み明けはまたいつもの忙しさに戻ったが、何より、懸案だった事がひとつ片ついて、肩の荷が降りた。いま制作している昭和天皇のCDの推薦者として、ドナルド・キーン先生にお願いをしていたが、何とか、やっていただけるということになった。先生は御年92歳。いまは石川啄木について書くことと、新潮社から刊行中の「ドナルド・キーン著作集」の仕事以外はほとんどお断りするという状況になっている。それを承知の上で厚かましいお願いをし、お引き受け頂けるというのは、本当にありがたいことだ。
 「三田文学」から私が頼まれていた原稿も、先週中に校正が終わり、こちらもほっとした。作家に文章を書いてもらい、時に厳しいこともいわなければならない仕事をしてきたから、自分が書く段になると、少し緊張をする。
 金曜日には、久しぶりに東京に出てきたニコルと会った。彼は雑誌のインタヴューを受け、私とテレビ番組の打ち合わせもした。「ニックさん、エチオピアへはやっぱり行くの?」「うん、行くよ。エチオピアの国家予算が国会を通るのをまってる。でも、行ったきりになるわけじゃないから」。それはそうだろう。アファンの森も彼がいなくては困るし、東松島の「森の学校」プロジェクトも緒についたばかりだ。
 彼が40数年前、公園長をしていたエチオピアのシミエン山国立公園は初めての「世界遺産」になったのに、その後あまりに荒廃し、「危機遺産」になってしまった。エチオピア政府もやっと本腰を入れて再生に取り組みたいということになり、白羽の矢を立てたのが、ニコルだった。この夏、ニコルはエチオピア政府から「シミエン山国立公園大使」というポストへの就任を要請され、それを受けたのだ。
 エチオピアだけでなく、北極にも行くという。「来年の夏に行くんだ。この旅は、素晴らしいものになるよ」とにんまりした。カナダの船会社が企画したものらしいが、彼をガイド役にイヌイット文化を体験するツアーだという。北極は彼にとって、人生の出発点となった場所。今度は27年ぶりの北極行きだそうだが、彼の胸は高鳴っている。顔に出るからすぐわかる。今年、ニコルは74歳になる。いつまでも彼の自然への情熱や冒険家の血は鎮まることを知らないようだ。寒いところに行くくらいなら、コタツに入って本でも読んでいたいと思うような我輩は、ただただ感服するだけである。「ニックさん、えらい!」