砂漠と水、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

 

 

砂漠と水

 

オンボロバス、(こういっちゃ失礼だが、本当だからしょうがない)に乗ってシルクロードを行き、サマルカンドに向かった。ガタガタ前後左右上下に揺られて行き、途中の集落でバスは休憩。リンゴ売りの小母さんがいたので、降りると、周辺はリンゴの香りでいっぱい。まず一個買って食べてみた。日本のリンゴより小ぶりだが味はとても

旨い!それに香りが身体に浸み込んでくるほど強かった。鞄に入るだけ買った。

 

オアシスに行けば水はあるが、国道に点在する集落にはポンプ一台だけ。ポンプの周りに若者が集まっていたので、「こんにちは」とウズベキ語で挨拶すると、連中は喜んで寄ってきた。「日本人?」どうやら珍しい人間のようだ。そうだろうな、こんな砂漠の僻地に日本人が来るはずがない。

 

2022年7月4日、月