知らない町に雨が降る、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

 

知らない町に雨が降る

 

降りつづく雨のなか、知らない町まで歩いていく。晴れた日には晴れの、雨の日は雨に濡れた町の趣がある。天気予報は小雨だったが本降りになってきた。町の中を流れる小さな溝は、昔このあたりは田畑のつづく農村地帯。田畑にそそぐ堰(せき)の名残。誰もいない町を歩いていると、傘に落ちる雨の音だけが聞こえてくる。

 

やがて 

声高く 若き日 語る友

風麦秋

 

2022年6月13日、月