アンダルシアの通り雨・メスキータ、祈りの灯 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

アンダルシアのり雨。メスキータ・祈りの灯

メスキータ、祈りの灯

La Mezquita、

広いメスキータにはこの日も大勢の人達が訪れていた。天蓋の明かり取りから降り注ぐ陽光に、赤と白の縞模様がくっきりとアラベスクの半円ドームを映し出している。

イスラムとキリストの混在する異様な宗教的空間に林立する支柱の奥に、薄暗い一郭があった。惹かれるようにその暗い空間に行くと、小さなロウソクが灯されていた。なぜか蝋燭は斜めに置かれていた。

風のない暗闇の中にともる灯、やがて燃え尽きるであろうメスキータ祈りの灯。


人はなぜ祈る

生きているから

なぜ生きる

凡俗な人間の問い


尊い命

煩悩に渦巻き

やがて命と霊

ひとつになる


人は祈りつづける

ひたすら灯に祈る



Oil
on canvas
  72.7×60.6、(20号) 

2016616・(木)、Art・PhotMURAOKA Nobuaki、絵と 撮影・村 岡 信 明