先日書いたブログ記事=有楽町の読売会館ビルがいびつな土地に建てられた話で、

思い出したことがひとつ。

 

安藤忠雄氏設計の東急線上野毛駅も、なかなか複雑な構造をしています。

上野毛通りを挟んで両側に駅舎があり、それをダイナミックな天蓋で覆う格好。

上野毛通りを斜めに横切るその屋根の中央には、丸い穴。

同じく安藤忠雄氏作の渋谷駅東急線・副都心線入り口側のコンコースの丸穴を

思い浮かべます。

 

(上野毛駅↓)

 

 

この駅のことは、以前ブログですでに紹介済み。

ですが、GW中、五島美術館に行く途中で新たな情報を発見したのです。

上野毛駅の出口付近に、この駅の構想や、スケッチ、

ジェオグラフィックな位置関係を示すマケットの写真があるのに気づきました。

こうやって見ると、なかなか複雑な仕様だと実感。

 

 

 

 

安藤さんのサインには、この駅の単純図が添えられていました!

社会人講座の会場が上野毛駅そばのため、この駅は何度も利用しているのに、

いつも逆側の改札を使うことが多く、これら資料のことは今回初めて気づいた次第。

 

 

 

安藤氏の駅の構想も記されており、一部抜粋すると:

新駅舎は、上野毛通の両側の線路上空に人工地盤を設、プラットフォームの屋根を兼ねた2階建ての建物を配置する。二子玉川側(旧駅舎側)には、改札、保育所、駐輪場、テナントスペースを、等々力川(新駅舎側)には、改札、駅務室、テナントスペースを収めている。上野毛通にバス停と駅前広場を新設し、両建屋を含め全長約120mの細長い大屋根で覆っている。


道路をまたぐ大屋根はこれらの機能を覆うのみでなく、線路に沿って長く伸び、ホームの屋根とも一体化している。駅全体を覆う大屋根は、歩行者・電車・バス・車・自転車といった多様な交通網を統合する。


道路をまたいだ大屋根には遠景にぽっかりと穴が開いている。それは、駅の中心、人々が集まってくる場を表している。


電車に乗って通勤する親の為に保育所を設け、そこでは新しい時代を担う子供たちが育つ。そんな新しい駅の在り方を考えた。

 

 

上の文にある、「線路上空に人工地盤を設け」という部分は、

やはり上野毛駅出口付近にあった完成図(下右)で、よくわかります。

今は線路が地下にあるけど、旧駅舎時代は、地下はなく、線路が上野毛通りを

横切っていたわけですね。

 

つまり、現在の九品仏駅みたいな感じで、

踏切が下がるたびに車がストップしていたのでしょう。

いまや線路は地下。

こんな人工地盤の上をバスなどが通過するなんて、けた外れの強度だなぁ。

 

 

以下は、6年ほど前の写真から